- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065137222
感想・レビュー・書評
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本書はホラー小説ではありませんが最後にはゾッとするオチがたくさん用意されています。私が特に好きなのは第3話です。
第3話は男性保育士の物語です。情熱的に園児と関わるが、評価されない主人公。対して園児に対しドライに淡々の接するのに評価の高い先輩。主人公は先輩から情熱的な接し方を指摘されるが、それでも自分の考えを貫き、最後は努力が実り、モンスターぺアレントから感謝されるという、心温まる物語。
だけで終わりません。最後の1ページでいい意味で全てが台無しになります。
他の話についても同様にどんでん返しを楽しめます。どの話も最後はゾッとしますが、そのテイストが微妙に異なっており、
・1話は恐怖と「そういうことか」という驚き
・2話はじわじわ精神に攻撃してくる恐怖
・3話は台無しになるやるせなさ
・4話は天国から地獄へのギャップ
・5話は劇的な展開と全てが繋がる心地よさ
私個人としては相当気に入ったジャンルでしたので、続編が出て欲しいと願っています。「事実は小説より奇なり」と言いますが、並大抵の事実ではこの奇妙な小説には呼ばないと思えるほどでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
はああ面白い。。ため息がでる。
本家の「世にも」はテレビで付いていたら見る程度の私でさえ、めちゃくちゃ楽しめた。
一遍を読むのに30分とかからない。そんな短い物語の中にハラハラドキドキあり、伏線回収あり、ラストの驚くべき着地ありと、究極のエンターテインメントだと感じた。
朝井リョウさんは元々「世にも」のファン。だとしてもここまで完成度の高いものが書けてしまうなんて…さすがとしか言いようがない。
朝井さんも後書きで述べているが、「世にも」は始まった瞬間にもう奇妙な設定であることも多い。
しかし、この「君物語」は設定は全く奇妙ではなく現実にありそうな感じでグイグイ引き込まれ(「リア充裁判」は除く、かな)むしろオチが奇妙。
一番好きなのは「立て!金次郎」。
何なら少し感動した。しかしいい話のときは必ずブラックな結末が待っている…(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
あと短編集だからといって、面白そうな話から読んではいけない。ちゃんと順番通り…最後の「脇役バトルロワイヤル」は3ページくらい読んで、まじで震えた。 -
どんでん返しと世にも奇妙な物語が好きな人は、間違いなく読んで損無し。全短編が見事なプロットで大好きな一冊になりました。
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「世にも奇妙な物語」の世界観そのままだった。すごいありそうな設定。
「シェアハウさない」
なるほど全員性癖がかなり強めなんだと、確かにそれは自分でなりたくてなった訳ではないと。つい最近読んだ、窪美澄さんの話が少しかぶった。
「リア充裁判」
風刺が効いてます。
リア充を非難する話かと思えば、リア充にも言い分があって両者とも「確かに」と思わされる。自分の中にはどっちもあるな。
「立て、金次郎」
終盤までなんとなく、主人公よりに話が上手く行きすぎてなるほどねー。って感じで、道徳的な話だと思っていたら、そこはやはり奇妙な物語。そんなはずはなかった。モンペもここまで計算してできてたらすごい。先生に対する思いは分からなくもない。先生はある意味めっちゃ成長出来ると思う。
「13.5文字しか~~」
子ども怖い。頭良すぎ。幼い子がカワイイフリして笑顔でママを公開処刑っていうことだと思うけど、3年生で「強奪」「不貞」は知らないと思う。
「脇役バトルロワイヤル」
みんながここに繋がってたことに、なんとなくんって思うことはあったけど、全員出演してたことには後書き見るまで気付かんかった。
読み返して全部確認してしまった。
なるほど脇役ってそんな役回りだと、すごく理解を深めることができた。そしてそんな脇役の大切さがよく分かったお話でした。 -
著者が
「世にも奇妙な物語」を
イメージした作品。
また、1人で5編書くことでしか
出来ないことがあると
著者が言っていた通りに、
尻上がりに楽しめました。
短編で読みやすいので、
あまり小説読まない人でも
おススメです! -
本家にも勝るとも劣らない「世にも奇妙な」物語5つだった。短編なので読みやすく、あっという間に読み終えてしまった。実際に採用されてもおかしくない出来栄えと構成力、そして本で構成することの意味。面白い世界観だった。引っかかる程度の後味の悪さもたまらない。
朝井リョウさんの作品は初めてだったので、もう少し色々見てみたいと思えた。 -
全5話、ダークな感じがあって皮肉があってユーモアがあって、どの作品も違う面白みがありました。
短編集は内容が浅くなりがちで苦手と思っていたけど、この本はどれもちょうどいい長さでテンポがよく読みやすかった。
リア充裁判は非現実的なんだけど想像できちゃって、面白かったです。
ラストのバトルロワイヤルは、集大成って感じで後味もよかった。 -
朝井リョウワールドは皮肉で楽しい
「世にも奇妙な世界」には前置きがいらない
ドラマへのオマージュから構成されているので
映像が見えてくる感じがまた面白い