- Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065142554
作品紹介・あらすじ
『神に守られた島』で描かれた終戦から7年。神戸に行ったマチジョーを想いながら暮らしていたカミは、復帰運動という、島の新たな「戦い」に参加することになる。島の歴史や文化を織り交ぜながら語られる、カミとマチジョー、そしてこどもたちの「その後」の物語。
感想・レビュー・書評
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戦争の記憶と、家族と、本土復帰と、初恋。
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沖縄の言葉。
馴染みがなくて読みにくい -
終戦の日が近づくこの時期に偶然かなんの因果か、この本を手に取り、読了することができてよかったと思う。戦後間もない時代、沖永良部島の本土復帰運動が行われていた時代の作品。中脇さんはこの時代を生きていた人ではないはずなのに、実際にこの景色を目の前で見てきたかのような筆致。日本に住む身でありながら、こんな史実があったということを今まで知らずにいた自分を恥じたい。そして、本の情報を見て知ったのですが、続編なんですね。単品でも十分楽しめたけど、『神に守られた島』も読もうと思います。
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20210512読了
#島
#鹿児島県 -
沖永良部島のこと、何も知らなかった。
戦争が奪い尽くしたもの。
みんなと一緒に考えれる先生、ちゃんとした事を教えてあげれる先生になりたいと思えたカミ。
ちゃんと勉強せなあかん。それは、誰にも騙されないため。きちんと真実を見つめるため。
色んな事を学ばないとあかんと、改めて考えさせられた本。
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「神に守られた島」から。
哀しみと優しさ。 -
「すいかまぁ うがみ しょうらん」
奄美大島のともだちに 教えてもらった
「おはようございます」です。
なんと 優雅な響きを持つ 挨拶言葉だろう
と 思いました。
その時の ゆったりした気持ちが蘇ってきました。
それと、もうずいぶん前ですが
沖縄本島の伊江島の群島に渡った時に
その土地の人から
「あの戦争中に 島の人が出征していく時には
島のみんなが カチャーシーを 船着き場で
踊ったのさー
そう、言葉には出さなかったけれど
死ぬんじゃないよー
生きて帰ってきなさいよー
こんな戦争(いくさ)は本当に駄目だよー」
という お話をしてくださった
おばぁの聲が 蘇ってきました。
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終戦から7年。
高校生になったカミは、未だアメリカの統治下にある沖永良部島で高校生になっていた。
沖縄返還については歴史の知識として知っていましたが、奄美群島の返還についての知識がなく、改めて今回学ぶことになりました。
同じ日本なのに、本国に渡るには密航となってしまうこと、貧しい島のため、出稼ぎに行く沖縄の往復で亡くなる命が沢山あったことなど、複雑な気持ちで読みました。
ユキの恋心、ヤンバルの事故、カミジョーとの再会など、語りが高校生のカミのため、前回作より身近な話に感じたように思います。
先生となって島に戻るカミにまた会いたいです。