未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065160893

作品紹介・あらすじ

47都道府県はもはや維持できない。20年後の日本人はどこに暮らしているのか? 累計75万部超の『未来の年表』シリーズ著者最新作!

映画に登場するゴジラが大都市を次々と破壊していくように、人口減少は、10年後、20年後の日本のどの地域を、いつごろ、どのような形で襲っていくのか?

今回は、これまで誰も本格的に試みることのなかった2つのアプローチに挑んだ。
1つは、現在を生きる人々が国土をどう動いているのかを追うこと。
もう1つは、「未来の日本人」が日本列島のどこに暮らしているのかを明らかにすることだ。

2045年までに全自治体の人口がどう変動するかをまとめた、最新版の「日本の地域別将来推計人口」が公表されて以降、その詳細を深堀りした一般書はなかった。

本書はその先陣を切るものである。

感想・レビュー・書評

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  • 『未来の年表』で有名になった河合雅司が、未来の地方について書いた一冊。

    『未来の年表』と同様、少子高齢化の現在、悲観的な未来しか予測できないが、懸命に警鐘を鳴らし、かつ最後には少しでも希望を見出すべく対応策を考えている姿勢には共感する。

  • 河合雅司(1963年~)氏は、中大卒、産経新聞に入社し、同社政治部、論説委員、また、内閣官房有識者会議等の委員を務めた。大正大学客員教授。
    本書は、少子高齢化が進む日本が、今後どのような社会になっていくのかを、年表のように年次毎に示し、ベストセラーとなった『未来の年表』(2017年)、その続編として、10~20年後にそのような社会になったときに、我々の身の回りでどのようなことが起こるのかを、カタログのように示した『未来の年表2』に続き、少子高齢化の影響の地域差・時間差に着目して、各地域がどのようになっていくのかを示した、第3弾である。
    私は新書を含むノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった新書で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、『未来の年表』、『未来の年表2』と併せて本書を手に取った。
    本書のアプローチは、現時点(過去数年の実績)において、人々(人口)がどのように移動しているのかを明らかにし、それと、日本全体での人口減少を踏まえて、今後30年間に、日本の人口分布がどのように変わって行くのかを分析するというものである。
    人々の移動の傾向としては、基本的に、地域レベルにおいても全国レベルにおいても、周辺地域から中心都市に移動するため、地域レベルでは地方の中心都市(首都圏、関西圏を除く政令指定都市やそれに準じる都市)に人が集まり、全国レベルでは東京に人が集まる(一旦地方の中心都市に集まった人も、更には東京に集まる)ことになる。また、その移動の傾向は、高齢者よりも若い人々により顕著である。
    そして、それに日本全体での人口減少が加わると、第1段階としては、地方の周辺地域の過疎・高齢化が進み、第2段階としては、地方全体(中心都市を含む)にそれが及ぶことになる。また、東京は、人口は維持されるが、郊外では高齢化が進む。
    本書では各地域・都市の細かい分析がなされており、地域の特性によって多少の差はあるのだが(地方の政令指定都市でも、当面、福岡市は増加、広島市、浜松市は微減、仙台市、新潟市は大幅減など)、大きなトレンドは上記の通りである。
    著者は、こうした分析を踏まえて提言をしているのだが、そのベースとなっているのは、(100%の確率で達成不可能な)「人口の維持」の方策ではなく、人口が減少してもなお国が豊かになる手立てである。具体的には、①既存自治体とは異なる、住民の自立性が高い拠点を各地に作る(所謂「コンパクトシティ」とは違うのだという)、②都道府県と基礎自治体の二層制度を見直し、都道府県に一本化する(立ち行かなくなる市町村が出てくるため)、③働くことに対する価値観を見直す、④家族単位の在宅医療・介護から脱却するために、高齢者が集団で居住する、➄東京圏を「特区」として国際競争力を高めると同時に、その収入を地方に還元する仕組みを作る、の5点。今やこのような提言は各所で行われているため、①、②、⑤などは独自色を出しているのだと思われるものの、正直なところ、あまりピンとこない。
    具体的な都市名を挙げた分析は興味を惹き、明らかに「売らん哉」だった『未来の年表2』よりは読む意味はあると思われるが、随所に見られる不要に過激な表現は少々気になった。(好みの問題かもしれないが)
    (2023年2月了)

  • 少子高齢化と人口減少が同時に進むわが国のリアルなお話。色々なデータを示しながらその地域の現状を解説しており、読んでてこの先の人生どうなるんだろうと不安になります。

    今の地方自治体の政策の多くが、都市部から人口を吸い取ろうとするだけの政策のため、それだけでは何も解決しないし意味ないだろうな...とは思ってました。

  • データに基づき少子高齢化社会の地域別の実態を紹介するとともに、少子高齢化社会に対応した活性化策を提言した著作。

  • 基本的には事実を淡々と解説している印象。
    東京でさえ高齢化の波や人口減少に苦しむ地域が出てくることを記しており、他人事であると感じている人にぜひ読んでほしい本であると感じた。

  • 2020.10.28読了。
    人口減少について考える機会があり、本書を手に取ってみた。人口減少は地域毎に差はあるが、避けては通れない問題。このような問題に直面していてもなお、今まで通りの体制を維持するのではなく、人口減少に合わせた社会を作り上げていかなければならない。コンパクトシティ化は今後の課題だと思った。

  • 提案する「戦略的に縮む」少しでも可能性があるので有れば行動してゆきたいかも

  • 前著までがマクロな分析であったのに対して、本著ではミクロな視点で分析を行っている。その点は評価しても良いが、内容のほとんどが調査結果であり、そこから見えてきた課題に対しての提言は最終章で軽く触れている程度であった。
    ちなみに自分が住んでいる市が2040年までほとんど人口減少が起きないという事実は意外であった。(だからと言って安穏としていて良いわけではないのは著者の言う通り)

  • 読み終わって、なんというか暗澹たる気持ちになった。。今の生活を今の規模で維持できなくなる地域が数多く発生するのは確実なんだろうな。
    出産期にあたる自分にまずできることは子供を産むことくらいだけど、それにしたって命懸けだし、子育てしづらい社会だし、がんがん産むぞーという気持ちにはなれない。環境が整わなくて産みたいと思えない女性がたくさんいるのも理解できる。
    こんなことを言っても仕方がないけど、ほんとにこの20年間くらい政治は何していたんだろう、、。

  • コンパクトタウン準備
    断捨離しとかないと動けなくなるよね

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著者プロフィール

1963年、名古屋市生まれの作家・ジャーナリスト。人口減少対策総合研究所理事長、高知大学客員教授、大正大学客員教授、産経新聞社客員論説委員のほか、厚労省や人事院など政府の有識者会議委員も務める。中央大学卒業。2014年の「ファイザー医学記事賞」大賞をはじめ受賞多数。主な著書にはベストセラーの『未来の年表』『未来の年表2』『未来の地図帳』『未来のドリル』(いずれも講談社現代新書)のほか、『日本の少子化 百年の迷走』(新潮選書)などがある。


「2022年 『未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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