- Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065163009
作品紹介・あらすじ
岩倉美津未、15歳。東京の高偏差値高校に首席入学! それを機に上京した彼女は、勉強こそできるものの、過疎地育ちゆえに同世代コミュ経験がとぼしい。そのうえちょっと天然で、慣れない都会の高校はなかなかムズカシイ! だけど、そんな「みつみちゃん」のまっすぐでまっしろな存在感が、本人も気づかないうちにクラスメイトたちをハッピーにしていく! 高校生活にも慣れてきてどんどん輪が広がっていく第2巻、待望の登場!
感想・レビュー・書評
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GWが過ぎ、スポーツのクラスマッチに梅雨シーズンが到来。不協和音があったクラスメイトとも「雨降って地固まる」な2巻!スクールライフをふわふわでまっすぐに描いてくれるコメディ。
いきなり本丸から描いてきた聡介の過去と、美津未の夢。目標を明言すると期待や応援がプレッシャーになるってわかるなあ。そこからの美津未とふみの関係性が好き!「でも挑戦したみつみちゃんにはでっかい意味があるし それを知っとるうちにもある」知ってる人がいるから頑張れることもあるんだよね。
険悪だったミカとの交流もよかった!なぜミカにバレーボールを教わろうと思ったのか。あんなことを真正面から言われたら泣けるなあ。ムカつくやつの名前を覚えるのか、その人たちから助けてくれた人の名前を覚えるのか。名乗らなかった親切な人の靴の名前まで気を配る美津未の目線。心の許さじノートには笑っちゃったけど、視点が違えばまったく景色は変わるんだよね。
聡介のサボり癖に口を出した美津未が食らったカウンター。あのパンチを食らってからも、ちゃんと自分の本心に向き合って気持ちを伝えられたところがすごい!「あなたのため」というベールを剥がした向こう側にある素直な言葉。その一言こそ誰かを動かす力になる。こんなこと言われたらキュン!ってしちゃうわ。これは恋愛前夜なのかー?!続きが気になる!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ジャンルの違う人達がお友達になる。
普通じゃありえない組み合わせのグループなのに、なんだか落ち着く。みつみちゃんがいるからなのかな? -
人間関係の些細な気まずさや優しさ
人と人との「わからなさ」。
さりげない感情や瞬間をさりげなく描いてて
心の機微というものをこうも繊細に表現できるのがすごい。
カースト上位系女子、内気ネガティブ女子、クール美人女子。
クラス内にいたら親しい友達同士にはならなそうなこの3人のカテゴリーの壁が
田舎者ズレてる系主人公みつみの嫌味のない鈍感さと純朴さによって浄化されて
こんなふうに心を開いて仲良くなる過程が
読んでて心地よくて爽やかな気持ちになる。
特にカースト上位系女子の江頭さんが、最初意地悪で嫌な奴だと思っていたのに
すごく共感して、憎めない素敵キャラになってしまった。むしろこの子が主人公なんじゃないだろうか、と思うくらい。
みつみちゃんもすごくすき。友達になりたい。
あと男女から好かれる志摩くんのイケメンさ。
多くを語らないミステリアスさ。どことない不安定さ。ちらつく過去の影。適度に置く人との距離。誰も傷つけないやさしさ。すきです。
みつみちゃんと志摩くんの、恋愛までいかないこの不器用で絶妙な距離をずっと見ていたい。 -
2巻まで無料だったので読みました。
1巻の感想で
「・主人公が凡人で成長するパターンや、主人公が天才パターンなど色々ありますが、この作品は「主人公が周囲から見たら変人・異物で、周囲に影響を与えて周囲が変わっていくパターン」か?
・その異物である主人公が、スクールカースト(的なもの)を破壊していく。」
と書いたけど、やっぱりそういう展開でしたね。今巻は、生徒会の先輩高嶺さんと、イケメンを好きでちょっとイジワルな江頭さんが、主人公と触れ合うことで変わっていく。
90年代以降の青春ウダウダ群像劇漫画や日常系の流れにある作品なので、展開がゆっくり。今回ようやく「これって恋なのかな?」ぐらいの感じ。『けいおん!』の序盤で「はよギター買えや!!」と思ってたことを思い出す笑。
1巻で書き忘れてたこと。
私は同世代作家の本谷有希子や山内マリコに注目していて、ふたりの共通点はエヴァ世代という点と、北陸出身だという点。田舎と都会についての作品を書いている。
スキローの作者、高松美咲さんも北陸出身で、田舎者が都会の高校に進学する話。
なんとなくだけど、2000年代のまだエヴァの影響が大きかった時代の空気と、2020年代の日常系作品が完全に定着して10年以上経ったあとの違いで、次のフェーズに入った感があります。
高松美咲さんは、「人の心の微妙な動き」を描きたいそうで、それでこういう作品になっている。思考をフキダシでセリフとして書くのは、映像表現としては悪手だと思うんだけど、詳細に書いている。これはたぶん「今の高校生がこうだ」というよりも、「大人になったあとで思考を言語化したらこう」ということなのではないかと。
例えば私なんかは高校時代は30年も前だけども、それでも彼らの気持ちはわかるし、共感できる。それが人気の理由でもあるし、単純に「今の高校生を描いてて、今の時代性を表してる」わけではないと思います。
1巻レビューの話の続きで、ハチクロと比較すると、あちらはモノローグ多用で、表現としてガッツリ少女漫画だったと思う。羽海野チカ先生は当時すでに30半ば以降で、自称としてもオタク。当時はエヴァ的な重めの作品がまだまだあったし、セカイ系の流れは、キャラの個人やその中の心象を描いていた。そしてその重い空気の中で出てきたのが『あずまんが大王』であり、日常系アニメだったのでは…と。
これがきっかけで、ここ20年の少女漫画史を調べています。知ってる作品もあるけど、ほとんど知らないから。で、スキローと比較して時代性を語るなら、ハチクロよりも『彼氏彼女の事情』とかの方が面白いんじゃないかなあということを考えています。 -
ハマりました
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いいねえ。青いね。みんな、一生懸命だね。こんな青春を送りたかった。
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「譲れないほど大事なものってそんなにたくさんないでしょ」
めっちゃ面白い!
主人公の素朴で純粋な感じも好きやし、悩みながらも、ゆっくりと丁寧に人間関係を形成していく様子もとても好き!
物語で心の機微を描こうとすると、重くなりやすいと思うけど、この作品は読みやすさを保ったまましっかりと内面を描いていて最高だと思った!