スパイの妻 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065196663

作品紹介・あらすじ

選ぶべきは愛か、大儀か――。
第二次大戦時、混沌する運命に翻弄される男女の愛憎を描く、
究極の歴史サスペンス!

1940年、太平洋戦争前夜の神戸。満州事変以降、国内外で不穏な空気が漂う最中、福原聡子は仕事で満州へ赴いた貿易商の夫・優作の帰国を待ちわびていた。しかし、帰国後の優作は人が変わったようで、憲兵隊からも目をつけられ始める。満州で何があったのか、夫は何を隠しているのか。優作と家庭の幸福を守るため、夫の秘密を探る聡子が目にした驚愕の真実とは――?


演出・黒沢清、作・濱口竜介、野原位、黒沢清による、蒼井優、高橋一生出演のNHK BS8Kドラマ「スパイの妻」(2020年6月放送予定)、渾身の小説版。

感想・レビュー・書評

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  • スパイというのは、もっと自ら望んでやる仕事だと思っていたけど、こんなどうしようもない感じでなることもあるんだなと。

    でも、自分が同じ立場に立つと同じことが出来るだろうか?

    無理だ。

  • あまり読まないジャンルでしたが、
    時代背景の描写や、
    ストーリーの展開が上手で
    どんどん惹き込まれた。

    映画も観たくなりました。

  • 思ったよりなんていったら失礼なのですが、面白かったです!なんとなく先をよめてはしまいましたが、ラストまで一気に読んでしまいました。終わりもよかったし、中弛みみたいのもありませんでした。実写化もされているので是非見てみたいな。

  • NHKスペシャルドラマのノベライズ。

    太平洋戦争海戦直前、神戸の貿易商福原優作の妻福原聡子は、夫の娯楽である映画撮影に付き合っていた。不自由のない生活をおくる二人だったが、仕事で満州に行った優作が神戸に戻ると、二人の関係に微妙な変化が…。

    可愛らしい奥様だった聡子が、しだいに強く、たくましく変化していく。しかし優作からすればいつまでも守るべく存在で…。

    深い深い愛情がゆえのすれちがい、一緒に歩いていきたかったのだろうなあ。憲兵くんがいなかったら選択もかわったのかしらね。ドラマも楽しみです。

  • 戦争に向かっていく時代の小説を読むと、息苦しい。
    ザッザッと兵隊の行進の足音が迫ってくるような、暗雲に向かって進んでいくような気がする。

    日本軍がペストを生物兵器にしているという機密事項。
    今のコロナ渦と重ね合わせずにいられなかった。

    優作は妻を裏切るように守ったけれど、結局どうなったんだろう。
    命がけの渡航は意味があったのか、そこが読みたかった。

    聡子が幼なじみの元憲兵(実は昔から好意を持たれていた)と再婚するのも、なんかちょっと、昔の少女マンガ的な展開というか、好きではなかった。

    あの時代の女は、結局男がいないと生きていけないのか。
    わかってはいるが、どうしても現代の自分の価値観が出てきてしまう。

  • 第二次世界大戦下、神戸で商社を営む夫・優作と、その妻・聡子の物語です。
    商談のため満州に赴いた優作が、ある国家機密事項を知ってしまったことをきっかけに、夫婦は軍関係者から目を付けられる存在になります。
    優作が「スパイ」と呼ばれようとも、夫の考えを否定せず、ただひたすら側にいて支えようとする聡子の姿が印象的でした。

    贅沢が禁じられ、国に背く思想を持つものは容赦なく弾圧されていた時代。
    そのような状況下でも、「自由」でいることを諦めず行動を起こした人がいたから、今の私たちの生活が成り立っているのだと思います。
    食べたいものを食べ、着たい服を着て、好きな場所に遊びに行けることがどれほど幸せなことなのか。
    本作を読んで、改めて考えさせられました。

  • あの時代こんな悲劇のようなことが現実にあったのかもしれない…

    戦争、権力、大義…様々なものに振り回されながら、それでも愛を貫こうとする夫婦、そして、幼なじみ…

    でも、男と女では貫き方に違いがあり…
    最後に幸せだと、感じられる選択が出来たらそれが一番だけれども、その基準もそれぞれで難しいものだ…

    せめて、今ある目の前の幸せを幸せだと感じていけたら、失ったものよりも目の前の幸せを大切に出来たら笑って人生が閉じられるのだろう

  • 第一人者、歴史もので栄冠 社会と個人の対立描く  :日本経済新聞
    https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63789180T10C20A9BC8000/

    『スパイの妻』(行成 薫):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000341777

  • 映画監督・黒沢清氏が、第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞した映画「スパイの妻」の小説版として書き下された作品。 満州国ハルピン郊外において、関東軍防疫水部本部(731部隊)が極秘裏に研究開発を進める生物化学兵器(ペスト菌)の実験記録フィルムをめぐって、神戸で貿易商を営む夫(福原優作)とその妻(聡子)が、混沌とした時代に翻弄されながら、愛と大義に揺れ動く男女の凄まじい葛藤を描いた、歴史心理サスペンス小説に仕上げられている。二転三転する緊迫した筋運びの面白さに、時間を忘れて読み耽った。

  • ドラマ、映画は見てないけど、本屋さんで推されてたから購入
    とても読みやすくて、面白かった

    自分の正義は自分で決める優作がカッコいい
    聡子は強い

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著者プロフィール

1979年生まれ。宮城県出身。東北学院大学教養学部卒業。2012年『名も無き世界のエンドロール』(『マチルダ』改題)で第25回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。他の著書に『本日のメニューは。』『怪盗インビジブル』『ストロング・スタイル』『ヒーローの選択』など。

「2020年 『KILLTASK』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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