ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain
- 講談社 (2020年10月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065209004
感想・レビュー・書評
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これまで以上にどっしり深刻な雰囲気。
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分断と多様性はセット。
米大統領選のモヤモヤを解消してくれる処方箋になった。 -
2022.9.18
映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」も昔観て当時非常にショックを受けたし、生理の貧困のニュースももちろん知っていた。しかし英国でのこうした問題は私が思っていたよりずっと深刻だという事に気付かされた。
Brexitが完了し、エリザベス女王も亡くなった今、英国はこの先どうなって行くのだろうかと思いを馳せずにはいられない本だった。 -
イギリス懐かし!
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なるほど、現地の感覚ってこうなのね。なんて簡単に理解できるわけはないですね。その生活によって文化と言うものに触れて見識は養われるわけで。なもんで、日本語で書かれていても、そこはもうすでに現地感がにじみ出ているなと感じるものの、それを読んだからと言って自身のものにならないのです。でも、そこはかとなく漂う感じが得られるのも文字の不思議なところです。
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いやはや、またスゴい本を読んだ。本書はまだ新しく、発行されてまだ1年も経っていない。
イギリスに縁が無い人にさえすっかり有名になった、ブレイディみかこさんによる、最近の著書で、雑誌に連載していたエッセイをまとめたものである。ブレイディみかこさんは、イギリス南部ブライトンの労働者階級地域で保育士をしていた人だ。
彼女はとても頭がいい。天才だ。
イギリスに長く住んでいてもぼんやりとしか理解できていない政治構造や、社会のことが良く理解できる。一方、イギリスに住んだことが無い人がこの本を読んでどこまで理解できるだろうか。
私も渡英してしばらくはイギリスの政治も自分にはあまり関係がないと思って暮らしていた。でも永住が決まってから、というより英国人と結婚してからは、日々ダイレクトに影響がある。
この人の本の特徴は、彼女自身が労働者階級に長く身を置いてきて、彼らの言い分を代弁しているところだ。
本書がカバーしているのは2018年から2020年までで、まさにブレグジット決定後からコロナ騒動まで英国でどんなことが起こってきたのか、流れが分かる。最初の方の、イギリスのコメディの質が変化してきた、という箇所は目からうろこで、新しい見方であった。
言葉遣いとかも面白く、とても勉強になるし、是非一読をお勧めしたい本である。 -
よい
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『リベラルユーモアで安定感抜群のブレイディ品質』
■読了時間 2時間36分
■この本をオススメする人
・社会派エッセイが好きな方
・英国社会に興味のある方
■感想
EU離脱、首相交代、そしてコロナのパンデミック。2018~2020年の激動の英国社会を、リベラル且つユーモアに語る時事エッセイ集です。
著者がイギリスではなく"英国"と呼ぶ理由。「UK=英国≠イギリス」という感覚など、日本にいては知れない現地感覚の英国思想や文化がわかり、勉強になりました。ロイヤルファミリーなど最低限の英国知識があるほうが、より楽しめる社会派な内容です。
政治や文化、貧困、ましてや宗教が絡むと、なかなか私見を発信するのは勇気がいりますが、皮肉たっぷりに、されど嫌味に聞こえない"あんばい"が絶妙です。『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』に続き、今回も安定のブレイディ品質でした。 -
「ぼくは…」に次いで読んだ。これらの著書の魅力は、ワーキングクラスの目線と率直な表現だろう。海外在住者が語る、というとハイクラス人材曰く…が多いから。その点は面白かったが、イデオロギー的なところに踏み込んでいくので、共感できたりできなかったり、感心したりしなかったりで、「ぼくは…」ほどは楽しめなかった。