ブロークン・ブリテンに聞け Listen to Broken Britain

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065209004

感想・レビュー・書評

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  • 筆者の憧れた英国が、緊縮政策・脱EUそしてコロナ渦の中で壊れていくさまを、引用を交えながら軽快に語って行く。右だ左だの論争の中で、労働者の自律が脅かされ、貧困層に希望が与えられないのは、世界共通に言えることなのではないだろうか。2020年8月のあとがきで終えた英国の『地べた』を綴ったエッセイ。行き着く先は『そのてを うえに』か『インフェルノ』か。

  • 「その日々の断片をスクラップしたようなこの時事エッセイ集」

  • この2~3年のUKを理解するうえでの教科書的作品。現在に近づくにつれてブロークン度合いが強くなり、特に154頁の「後戻りができないほどの後退」などは直視したくなくなるような生々しさ。複数箇所で引用されているがケン・ローチ監督作「わたしは、ダニエル・ブレイク」を事前に(事後でもいいが)観ておくとより理解が深まるかも。日本の現状はここまで酷いとは思わない(思いたくない)が、他山の石として肝に銘じておいて損はない。明日は我が身。

  • 著者自身も書いているように、決まったテーマが存在しない。
    ために、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」などに比べると散漫な印象はあるが、その分ライブ感は高め。まさしく著者が意図したとおり、「地べたの英国の、いま」を伝える効果が増していると思う。
    夫や息子の登板数が減り、半径1メートルから5メートルの「日常」に広がった。このサイズ感が個人的にベストマッチで、非常に興味深く読んだ。

    ?〜?読了

  • リアルな英国の今を感じ取れて非常に勉強になった。

    緊縮マインド
    キャンセルカルチャー
    等々

  • ここ最近、英国で話題になっている事を、短い章に簡潔にまとめていて読みやすい。ちょっと乱暴にも聞こえる彼女やご主人のツッコミが個人的には大好きだ。

    「ぼくはイエロー…」がブレディさんの子育てを軸に家族生活を通して見える英国、「ワイルドサイド…」は彼女と友人のパブやホームパーティでのよもやま話から垣間見える見える英国に対し、こちらは英国に長く暮らす日本人が日々の生活の中で触れるメディアを通して見える英国時事。

    こちらは結構しっかり構えて読まないと置いていかれることが多く、途中で一度挫折してしまった。

  • 個人的に読んでいて面白いなと思ったエッセイやテーマもあったけど、基本自分の知識不足とカタカナ語が多くて、その意味を調べてるうちに段々と身が入らず終わってしまった…
    もう少しちゃんと自分がそこら辺の一般常識的な言葉を理解していたらもっと楽しく読めただろうに…自分の不勉強さに負けた感じ。

  • イギリスを生き生きと感じることのできる時事エッセイ。続編が楽しみです。

  • 言語化能力がすごいわ。

  • 私が無知っていうのもあって、読みにくい気がしたけれど、内容は面白かった。

    ウィル・シャープが出演してる「Flowers」っていうドラマ、見たいなあ。今、日本人を描く上で3.11は欠かせないんだね。津波で家族を失った日本人。

    「Damned」も面白そう。ソーシャルワーカーもヤバいっていう。

    ケンローチの映画がきっかけで、無料で生理用品が提供される運動が起きたんだね。さすがだわ。
    今日はお金がない日っていうタイトルの絵本も気になる。

    ロックダウンでも、マークスアンドスペンサーを行きつけのスーパーにしている人たちが住む場所では、買いだめしないから悠々と買い物できるって話も印象的だったわ。

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著者プロフィール

ブレイディ みかこ:ライター、コラムニスト。1965年福岡市生まれ。音楽好きが高じて渡英、96年からブライトン在住。著書に『花の命はノー・フューチャー DELUXE EDITION』『ジンセイハ、オンガクデアル──LIFE IS MUSIC』『オンガクハ、セイジデアル──MUSIC IS POLITICS』(ちくま文庫)、『いまモリッシーを聴くということ』(Pヴァイン)、『子どもたちの階級闘争』(みすず書房)、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮文庫)、『他者の靴を履く』(文藝春秋)、『ヨーロッパ・コーリング・リターンズ』(岩波現代文庫)、『両手にトカレフ』(ポプラ社)、『リスペクト――R・E・S・P・E・C・T』(筑摩書房)など多数。

「2023年 『ワイルドサイドをほっつき歩け』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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