世紀の愚行 太平洋戦争・日米開戦前夜 日本外交失敗の本質 リットン報告書からハル・ノートへ (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065214978

作品紹介・あらすじ

GDP4倍の相手に挑み、全国を焼土とし、推計戦没者軍民310万人。戦死者の約6割が病死・餓死だったという。最後通牒とされたハル・ノートをあくまで叩き台に交渉継続し、開戦回避ができれば、米ソ冷戦構造の中、20世紀中盤に重要なプレイヤーとなることも可能だった。最終局面にいたる外交交渉過程には数々の愚策が重なり、冷静で明晰な対応がとられることなく、外交という国際政治の舞台で身動きがとれなくなった遠因を満州事変後リットン調査団の訪日から遡っていく。【書下ろし】 

感想・レビュー・書評

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  • B級感漂うタイトルが惜しい。満洲事変から日米開戦までの推移と外交の失敗を、ドキュメントでテンポ良く追い、読み易く中々面白かっただけに。一部著者の憶測も入っているが、小説風に仕上げた事で違和感が減じられてもいる。日米交渉のくだりは、妥結の道筋が見える局面もあり、弱者ほど駆け引きと粘りが肝要なのにと嘆息。もっとも、決裂へのプロセス自体を愚行と呼ぶのは適切ではなく、主題を表現しないタイトルは、その意味でも勿体無い。

  • リットン報告書からハル・ノートまで、戦前外交失敗の本質。日本人はなぜ戦争を始めたのか。

  • 出張先のホテルに忘れてきてしまい、最後のエピローグは読めていないが、まぁ、ドキュメンタリータッチで、 NHKスペを見ている感じで読めた。
    自分のような平民が偉そうに言うのもなんだが、昔も、今も、外交下手はこの国の本質かと思う。

  • 読み易く一気に読破出来た。歴史の一つの見方にはなる。史実であれば根拠など、より明確に示すと良いと思う。

  • 小説仕立てであり、読みやすく、理解しやすいのは確かだったが、
    史実と筆者の推論との境界線が曖昧で、やや不安を抱いた。

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著者プロフィール

太田 尚樹:1941年東京生まれ。東海大学名誉教授。専門は比較文明論。著書に、『パエリャの故郷バレンシア』(中公文庫)、『満州裏史─甘粕正彦と岸信介が背負ったもの』(講談社文庫)、『死は易きことなり─陸軍大将山下奉文の決断』(講談社)、『伝説の日中文化サロン 上海・内山書店』(平凡社新書)、『満州と岸信介─巨魁を生んだ幻の帝国』(KADOKAWA)、『ヨーロッパに消えたサムライたち』(ちくま文庫)、『満洲帝国史─「新天地」に夢を託した人々』(新人物往来社)、『支倉常長遣欧使節 もうひとつの遺産─その旅路と日本姓スペイン人たち』(山川出版社)などがある。

「2022年 『南洋の日本人町』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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