主権者のいない国

著者 :
  • 講談社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065216866

感想・レビュー・書評

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  • 主権者たるためには、個々人の責任意識が必要
    日本って、いたるところで責任のなすりつけあいがされてる社会だなと、だから、究極的には政治に関心がないんだなとなんとなく納得した

  • 実績がなく、数々の疑惑にまともに答えず、法を無視する政権になぜ長い間支持が集まったのか、というここ数年来の謎、米国・韓国・北朝鮮との軋轢と関係性、沖縄の置かれてきた実態、少しも感動できなかった『永遠の0』(TVで映画を観ただけで原作は読んでいないけど)と『君の名は。』が大ヒットした背景など、この本を読んでいろいろなことが腑に落ちた。

    まとまった論文ではなく雑誌に掲載された論考を集めた著作集だが、論旨は首尾一貫して澱みがなく、説得力がある。

    著者には、アカデミズム・論壇の世界の中核を担っていけるよう、つまらないことで躓いてほしくないと思った。

  • 偏りがすごい

  •  いつも利用している図書館の新着書リストの中で見つけていたのですが、予約待ちで、手にするのが遅くなってしまいました。
     白井聡さんの著作は以前「永続敗戦論」を読んだことがありますが、本書においても、白井さんはとても明晰で鋭利な立論を展開しています。(ところどころ“哲学的思索”が登場すると、私の理解力が全くついて行けなくなるのが情けないのですが)
     期待どおりとても刺激的で首肯できる論考でした。ただ、読んで “なるほどそうだね” ではダメですね。必要なのは “行動” です。

  • ためになった
    これまできちんと考えてこなかったので
    未消化の部分が多い

    また時期をあらためて読み直したい

  • コロナで騒ぐ国民に、本書でその前提を考えてほしい。

    「コロナが落ち着いてから」とかでなく、どうなったら騒がなくて良いと自分が判断するか、軸の無い、考えない、怠惰な国民性をよく表している。

  • 「無責任の体系」(丸山眞男)は福島原発でも全く同じ 日本人の体質
    日本社会の「反知性主義」専門知の軽視、政治への阿り、権威主義的性格
    上にはヘコヘコ、下には辛くあたる 内向きの超ストレス組織
    §1 戦後体制の矛盾 安倍政権が最終局面 自己破壊へ
    §2 新自由主義批判 日本社会の劣化 資本論へのガイダンス
    §3 現代天皇制 「令和」改元は安倍政権による私物化
    §4 戦後レジームの崩壊 日韓関係 沖縄問題に典型
    §5 戦後の記憶利用 オリンピック・万博 公金の収奪

  • 自分自身の社会との関わり方を反省しました。
    自分は、社会に無関心な国民の一人であり、主権者であろうとしない態度が「憲政史上最悪の政権」を継続させている一因であるということを自覚することができました。

    日本の国家体制や新自由主義が結びついて無関心を生み出し、政治の質低下や文芸的感性の劣化などの問題につながっていく流れは非常にわかりやすかったです。
    岸田首相の動向など、直近のニュースもその流れを踏まえると、新しい捉え方ができるように感じます。
    衆院選の前に勉強ができてよかったです。

  • 同じことの繰り返しが多いように思ったが、後半の朝鮮半島情勢、満州国に関する論考はなかなか興味深かった。

  • 本書を読んで国体というものについて理解を深めることができました。著者は本書で日本の戦前旧ファシスト勢力(国家主義者)が戦後に親米保守派へと転身して支配者の座(戦後の国体)に戻ったと述べていますが、安倍晋三による安定の第二次安倍政権が戦前の旧ファシスト勢力の流れを含むと考えるととても感慨深いものがあります。また、韓国・北朝鮮との外交関係にふれている章で日本は朝鮮戦争は永久に終結して欲しくないという考えが根底にあると述べていますが、国際政治とは正義だけでは成り立たないものだと理解しました。

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著者プロフィール

1977年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士後期課程単位修得退学。博士(社会学)。思想史家、政治学者、京都精華大学教員。著書に『永続敗戦論─戦後日本の核心』(太田出版/講談社+α文庫)、『武器としての「資本論」』(東洋経済新報社)など。

「2022年 『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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