島田荘司選 日華ミステリーアンソロジー

  • 講談社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065230244

作品紹介・あらすじ

島田荘司、陳浩基、知念実希人、陸秋槎、林千早、石黒順子、小野家由佳の7名の作家によるアンソロジー。翻訳は『ディオゲネス変奏曲』や『元年春之祭』などを手掛けた稲村文吾氏。

感想・レビュー・書評

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  • アジアの7作家による短編集で、そのうち3篇は翻訳である。作品の選出は島田荘司氏で、各作品について氏の感想評論が添えられている。その中で印象的だった作品について雑感を述べることにする。

    ◆陳浩基『ヨルムンガンド』
    7作品の中でダントツに面白かった。オズワルドとカルヴィンは幼なじみで、ともに物理学を専攻するアメリカの大学生。ある日突然オズワルドが銃撃され…。その後様々な年代の話が展開するのだが、これ、パラレルワールドもの、タイムスリップものである。強い必然性あってこその空間移動で、謎が解けたときの驚きが最高!未来にもう一度読んでみたい作品。
    ◆林千早『杣径』
    母親が「熊」に襲われて死亡、少女アーシャがその熊を仕留め、姉と2人森の中で生きていく物語。しかしアーシャは記憶が定かではなく、母と熊にまつわる話はすべて姉が教えてくれたものである。終盤で怒涛の如く真相が明かされ「やられた」感が強い。

    最後が島田荘司氏の作品で、台湾からやってきた「駒子」を主人公とした物語。人物設定は作者の願望という気もした。

    いろいろな国地域の作家による競作は互いの刺激になると思う。これからも色々な作品にお目にかかりたいものだ。

  • ハードブックなのに、活字も読み易そうで、手に取った本である。
    日本と台湾のミステリーが、どんなものなのか?と・・・

    7話からなっているのだが、・・・
    最初から、こちらの脳みそが、ついていけない。
    どちらの友人が、亡くなったのか?と、読み込みながら、ドラえもんのどこでもドアに、ハマり込んでしまった感覚である。
    13.7秒という数字が、意味する事柄も、・・・物質エネルギーというのも、私の頭の中で、はてな?マークが、はためく!(笑)
    これが、ミステリーなのか?SFなのか?戸惑う。

    次の話も、アンディ・ロビンソン病を持つ猫の動物に嚙まれたりした時に、人間が感染するなんて話に・・・・
    少し、私の今まで、読んで来たミステリーとは、少し違ってきている。

    そう思いつつ、最後の島田荘司氏の小説に、・・・
    そこで、本間家の、「本間様には、およびもせぬが、せめてなりたや殿様に」は、母から、何度も聞かされた言葉である。
    母の祖母は、自分の事を「おひいさま(お姫様)」と、言っていたと、聞く。
    没落と、商人に騙されて、そして、戦争で何もかも無くしてしまったが、「家憲」というのがあり、そのコピーを未だに持っているので、興味深々で読み出した。

    やはり、私は、この最後の話の方が、一番読み易かった。

  • 日本と台湾の作家たちによるミステリーアンソロジー。
    (ミステリーなのか微妙な気もする作品もあるけど)

    七色のネコが1番面白かったかな。

  • 島田荘司、陳浩基、知念実希人、陸秋槎、林千早、石黒順子、小野家由佳の7名の作家によるアンソロジー。

  • 日本人作品のみ読了

  • 島田荘司、陳浩基、知念実希人、陸秋槎、林千早、石黒順子、小野家由佳の7名の作家の作品が一堂に。
    台湾、日本、中国の書き手たちの新作や、未発表作も。
    最後の島田荘司作品は、ミステリではありませんが、文学性が高く、さすがでした。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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