- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065261057
感想・レビュー・書評
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一般向け歴史ものは、数ページに1回必ず、人名その他にルビ打つよう法律を定めてほしい。
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NHK大河に合わせて呉座さんの頼朝と義時。
平家の滅び行く美しさに比べてあまり魅力のない頼朝と北条だけれども、今回この本を読んだことで幕府の成立には現実的に物事を進める頼朝、義時、政子、そして三浦義村がいなかったら鎌倉幕府が100年に渡り続くこともなかっただろう。どこかでミスしていれば平家のようになった可能性もあり、非常にスリリングに読んだ。生存者バイアスがあると言えばそれまでだが、非常に細い道を辿って武家の世の中が成立したことがわかる。
平家や義経の立場からみると盤石にみえるんだけれども。 -
「鎌倉殿の13人」のせいか、源平合戦や鎌倉幕府成立に関心が高まっている気がする。かくいう自分もその影響を受け、この時代のことが詳しく知りたくなった。本屋には幾つか類書があるが、呉座勇一さんの本を選んだ。
この時代で分かりづらいのは、鎌倉方の内紛、有力氏族の潰し合いだ。権力争いだったり、陰謀だったりするようだが、本当のところはよく分からない。本書は、その辺のところを資料に基づき丁寧に解説してくれる。また、他の学者の説の紹介や批判も行っており、一般書でそこまで必要かという気もするが、学術論文的な側面もちらっと見えて面白い。 -
<目次>
第1章 伊豆の流人
第2章 鎌倉殿の誕生
第3章 東海道の惣官
第4章 征夷大将軍
第5章 頼朝の「家子専一」
第6章 父との相克
第7章 「執権」義時
第8章 承久の乱
<内容>
一昨年かな?SNSでやらかしちゃった呉座さんの新刊。巻末でこの本の執筆中だったことを暴露している。内容的には、『応仁の乱』と同じように、他の人の説への相違を述べつつ、話を展開していく。根拠の薄いところもあり、やや煩雑か?『鎌倉殿の13人』にあやかっているが、面白さには欠けるか? -
東2法経図・6F開架:B1/2/2636/K
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武家政権誕生までの道筋は、想像以上に紆余曲折しまくりの、どろどろの権力闘争の成り行きだった。
しかし歴史というものは後からはいろいろ評価されるけど、その時は100年先、200年先のことなんて考えてなくて、今の地位、明日の命ぐらいを考えて動いてきた諸々の結果として立ち上がってくるものだろうから、ここで生まれた武家政権というものが、その後700年弱も続くことになるなんて、この時点ではみんな思ってなかっただろうなぁと思うと、歴史はやっぱり面白いと思う。 -
今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の時代考証を担当するはずであった呉座氏による同書は、鎌倉幕府の成立史を頼朝と義時という二人の人物を中心に叙述されている。しかし、伝記的な記述ではなく、彼らが朝廷、貴族社会といかに対峙し、武家政治を切り開いていったという点が重視されている(p.7)。また公武対立が運命的であったとみなす公武対立史観には立っていない。ここに本書の特徴がある。
著者が有名になったきっかけであるベストセラーの『応仁の乱』(中公新書)と基本的には同じスタンスでの叙述かとは思うが、応仁の乱よりも登場人物たちの入り組み方は複雑ではなく、その点、『応仁の乱』よりもわかりやすいかもしれない。
第1章から第5章までは頼朝中心、第6章から第8章までが時政・義時中心だが、大方の読者にとって読みやすくわかりやすいのは第5章までで、第6章以降はなかなか頭に入りづらい。頼朝死後の主人公=義時ではないので、義時の立ち位置や役割が見えにくいのである。
しかし、鎌倉幕府の成立、ひいては武家政権の誕生に関しての諸学説も丁寧に紹介されており、呉座氏の整理が適切かどうかは別としても、興味深いものがあった。 -
2022年、
今年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に登場する源頼朝と北条義時、源平合戦から承久の乱まで武家中心の社会は、いかにして生まれたか?日本史を変えた「鎌倉殿」と「執権」という二人の政治家を。