あきらめません!

著者 : 垣谷美雨

• 講談社 (2022年5月25日発売)

感想・レビュー・書評

[hito-kotoさんの感想 · 2022年7月8日]

　柿谷美雨「あきらめません！」、2022.5発行。還暦を迎えた霧島郁子・幹夫夫妻は、幹夫の田舎に帰りたいとの言で、東京のマンション暮らしから山陰の庭付き、畑付きの一戸建てに移ることに。のんびり暮らすと思いきや、封建的な田舎で、市議会議員、市長と政治の世界に身を入れていく霧島郁子の物語。テンポがよく読み進められました。でも、やはりだめな男ばかりが登場、垣谷美雨さん、相変わらず男性に厳しいですｗ。

[felice さんの感想 · 2022年7月4日]

面白かったです。

[Persimmonさんの感想 · 2022年6月29日]

「先生」と呼ばれいい気になり、都合の悪いことがあれば、すぐに入院したりの雲隠れ、議員の椅子に執着しているあまたの議員たち。
そんな人たちも郁美がズバズバやっつけちゃって欲しくなる。
実際はこんなにうまくいかないだろうが、だからといって諦めたりしてはいけないと思った。
まずは選挙に行こう。

[pomme03さんの感想 · 2022年6月23日]

とても面白かった。東京から田舎に移住した定年後の女性が、田舎の住みにくさにメスを入れるべく、一念発起して政界に進出する話。といっても、いつもの垣谷美雨作品と同じく女性の不満をコミカルに描いていてとっつきやすい。
「田舎はしがらみが多くて住みにくい」という考えを跳ね返し、古い考えの議員達をやり込める描写は爽快。子育て中の主婦やその夫、街の居酒屋店主など様々な立場の人を味方につけていく主人公の手腕は見事。垣谷美雨作品は、男性はこう・女性はこう、と分断を産みそうな描写が多かったように思うが、今作はそういった発言に反論する人がいたりして、物語としてバランスが良かった。
クオータ制の導入理由についてとても納得感があった。確かに会社でも女性の管理職を増やすと言いつつ、管理職には独身女性しかおらず、子育て中の女性管理職のロールモデルはいない。能力ベースではなく、無理にでも女性を登用することに意味があるのだと分かった。ちょっと飛躍するが、お笑い賞レースに女性が少ないので女性限定の大会が開かれたりしていることについて懐疑的だったが、これも門戸を広げるという点で有効なのだろうと思った。
途中、村井一族を言い表す発言で「息子も孫も頭は悪いし根性もないくせに誰に対しても威張りくさって性格も悪いし不細工なんだわ。」というのは辛辣すぎて笑った。「脳ミソが三グラムしかない」という表現も出てきて、コケにする表現のバリエーションがすごい。そういうところが爽快で楽しかった。

[Yasuyuki Suzukiさんの感想 · 2022年4月22日]

愉快痛快な小説とはこの『あきらめません！』です。そうですあきらめません勝つまではの合言葉が良く似合います。ラスト続きがあるような予感この先が読みたいです。ぜひ続編をお願いします。

[はななのははさんの感想 · 2024年3月30日]

田舎ってまだこんな人たちがいるのかな。腹立たしい人たちだな。

[さばみそさんの感想 · 2024年1月31日]

最初はイライラからの最後はスカッとする作品だった。

[ハルめめさんの感想 · 2023年12月21日]

定年退職を迎えた郁子は、夫の実家のある地方の田舎へ移住する。その片田舎の市議会では女性蔑視が横行しパワハラセクハラ三昧。郁子は一念発起、市会議員への立候補を決意する。女性の社会参画を気に食わない化石のような輩が蔓延る「議会」という伏魔殿。旧態依然とする地域で、郁子とその仲間たちの奮闘がとても頼もしく描かれていた。

[gakiqugakiquさんの感想 · 2023年12月6日]

あきらめません！
垣谷美雨さん。

おもしろかったー。
テンポも速いし、時代の的を得てる。
わかるわかる。と、本が進む。
さすが、垣谷美雨さんだわ。

市議の平均年齢が、六十九歳で、それも、男ばかり。とか、
九十代の最長老市議。とか、

自分も、市議に立候補して、
町を変えたい！って、思っちゃうくらい。
熱い本でした。

[たけのこさんの感想 · 2023年9月24日]

垣谷さんの本は、どの本を読んでも、頷きたくなるし、「こんな世界もあるのか」と社会問題や生活を切り出していて、わかりやすく表してくれる。
垣谷さんご自身が勉学に励まれていて、社会問題に向き合ってるからこそのリアル感。

今回の、あきらめません！は老若男女誰にでもお勧めしたい。特に、何かの壁にぶつかっていたり、主人公同様、還暦を迎えた方や、チャレンジしたくても諦めてる全ての世代に。

垣谷さんの作品の中で一番好きかも！

著者プロフィール

1959（昭和34）年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005（平成17）年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」