殊能将之 未発表短篇集 (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065289839

感想・レビュー・書評

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  • 殊能さんの未発表短編集。

    1つ目の「犬がこわい」が一番良かった。

    「鬼ごっこ」理解できないし、好きではない。

  • 殊能将之なんで死んでるん?てなる、もっと他のも読みたいな〜って解説の文章読んだらめちゃめちゃ思わせる短編集だった。
    ミステリじゃないしスラップスティックだったりホラーの味がする短編だけど読めてよかった。

  • 所謂ミステリの範疇に収まっているのは「犬がこわい」だけで、「鬼ごっこ」、「精霊もどし」はなんだろうね? 少なくともミステリではなさそう。短編集の成立の経緯から、作品のできに不安を懐く人もいそうだが、強いて言えば「鬼ごっこ」が少し落ちるかなと言った程度。まあ、当たり前か。「精霊もどし」などは、最近多いSFのアンソロジーに普通に収まっていそうな佳作。とはいえ殊能氏の熱心なファンには、メフィスト賞受賞時の身辺雑記めいた「ハサミ男の秘密の日記」がいちばん興味深いかも知れない。

  • 良い。ハサミ男に似てるユーモラスな地の文、好き。きっと殊能将之さんご本人も愉快な方だったんだろうなぁと思った。とんでもないエピソードがゴロゴロ出てくるし。

  • デビュー作「ハサミ男」で有名なミステリ作家、殊能将之先生の未発表短編と「ハサミ男」の誕生前日譚とも言える日記を収録。殊能将之ファン・ハサミ男読了済の人向け作品集

    「犬がこわい」
    正直、オチは予想出来てしまった。しかし犬嫌いというか動物嫌いの主人公の語りには「ハサミ男」にも通ずる独特の理論がある。
    「鬼ごっこ」
    こちらもタイトルから着地点は予想がつく…設定は気をてらった物だが詰めは甘い。日本史が苦手だと少しイメージしにくい。
    「精霊もどし」
    こちらは世にも奇妙な物語系。読みながら予想していたオチは外れた…のか?ラストで語られる一言の意味に悩む…。死後の世界とは??

    「ハサミ男の秘密の日記」
    これが求めていた本番。「ハサミ男」のストーリー上の誕生秘話かと思いきや、殊能先生の日記(私小説?)でやや驚く。エキセントリックで尖ったイメージがあったが、意外と素朴な文章。何となく二階堂奥歯女史と雰囲気が似ているな…とも思う(知識量とふと現れる素朴さの不思議な両立とか)

  • 発表から20年以上も経って今更「ハサミ男」を読んで、とても良かったので、さっそくこの本も手に取ってみた。まだ読み終わってないけど、感想を書き出してみる。

    まずは「ハサミ男の秘密の日記」。短編小説かと思ったままワクワクと読み始めたら、エッセイだった。それはそれで嬉しい。殊能さんの当時の生活やチャーミングさを知れて嬉しい。割と大変そうな状況なのに、のほほんと幸せそうでキュンとした。もうこの世にいないなんて。泣ける要素なんてないのに、泣ける。友人達は尚更だろう。

    未発表の作品集と言うことは、厳密には本人には了承をもらっていないってことよね?本人には申し訳ない気持ち。
    読みながらネットで調べたら、ハサミ男は累計発行は100万部を超えたらしい。売れて良かったなぁ。

    次に、冒頭から読むべく「犬がこわい」を開く。ん?これもエッセイ?しかも太宰の「畜犬談」に似てるような??面白そうだ。

    続きはまた今夜読もう。(つづく) (23.7.4朝)

  • なぜ今まで未発表だったの?って思うくらい面白かった。特に2作目の「鬼ごっこ」は追う側、追われる側のどちらに対してもドキドキして読めた。現実離れしてるけどそこが良き!

    「ハサミ男の秘密の日記」はメフィスト賞のドキュメンタリー的で興味深かった。

  • ミステリ短編集……でもない未発表短編集
    とても読みやすくあっさりとした印象なんだけど、決して薄いという事ではない独特の読み心地がある
    以下抜粋して雑感

    『鬼ごっこ』
    登場人物が平然と他人の命を奪うシビアな世界観、そしてこのタイトル
    読みながら、世にも奇妙な物語(と、その原作になった某短編)を思い出して、もしやこれ本当にただ鬼ごっこしてるだけだったりして……なんて思ってたら本当にその通りだった作品
    でも、でも!!でもでもとても面白かった
    ただ鬼ごっこしてるだけなんだけど、それが大オチでもなくて、そのあとに設定をさらにいくつか盛り込んで放り出すように終わり
    なのに中途半端な感じはなくてとても面白い
    何より鬼ごっこの道中が読んでいてただただ面白いのよね
    収録作で一番好き

    『精霊もどし』
    最後の一言が書きたかっただけでは?と思った作品(笑
    一応物語にも筋があって、ちゃんと起承転結して終わるのだけど、とてもあっさりさっぱりしている
    でも物足りないわけでもない、不思議な感覚
    というか、この作品に限らず収録作全体に同じ感覚が付きまとう

    『ハサミ男の秘密の日記』
    この日記を読んだ印象、そして解説にある本人評「昔と変わらない態度と毒舌」とあるように、一筋縄ではいかないような人間性が垣間見える
    のだけど、それが嫌味ではなく嫌悪感は抱かない
    むしろスマートで洗練された印象さえある
    作品には人間性が出ると言うけど、まさにこういう事なんだろうなと、作品を読み終えて最後にこの日記を読んでなるほどなと一人腑に落ちてました


    この作者の作品は『ハサミ男』~『黒い仏』の初期三作しか読んでなかったので、隙を見つけて残りも読んでみたいな、と思わされるくらいに好きな文章でした

  • 『ハサミ男の秘密の日記』が一番よかった。

  • 短篇が3つ(いや、4つ)収録。バラエティに富んでいるが、3作ともどこか似た狂喜をはらんでいる。最初で最後の短篇集をありがとう。
    この調子で『読書日記』の方も文庫にならないかな~

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著者プロフィール

1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年、『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『キマイラの新しい城』(いずれも講談社文庫)がある。 2013年2月、逝去。

「2022年 『殊能将之 未発表短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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