はぐれんぼう

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 266
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065290972

作品紹介・あらすじ

あさりクリーニング店で働く優子は、持ち主が長く引き取りに来ない衣服「はぐれんぼちゃん」たちを自宅に持ち帰る。翌朝目覚めると、それら衣服が体全体を覆っていた。不思議な感情に襲われた優子は衣服の持ち主のもとを訪れるが、次々に受け取りを拒絶される。道中に出会ったトレンチコートの謎の男ユザさんに導かれるまま、「はぐれんぼちゃん」を身に纏ったちぐはぐな姿で、優子は帰るべき場所を求めて再び歩き始める。

感想・レビュー・書評

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  • 自分には合わなかった。
    真夏に読む本とは真逆な表紙からしてそんな気がしていた。
    前半は重たくて面白さがわからず、後半ようやく勢いが出てきたぞと思ったら、よく分からないまま終わってしまった。

  • 著者初読み。
    不思議なお話だったが、見事に吸い込まれていった。

    持ち主がこない衣服、ふとそんなことを考えたこともあったような、そんな懐かしい気持ちもあり(クリーニング店とは全く関わりがないのに(笑))。
    そういえば昔、預けたお気に入りのサマーセーターが無くなったこともあったなっと、クリーニングを超えて昔の洋服へと思いが続く。

    結末も不思議なものだったが、やっと旅が終わったのかといった感慨。

    また、自作を読みたいと・・・楽しみだ。

  • 読み終わってこの作品はSFファンタジーとして読んでしまいました。
    クリーニング店で働く主人公優子が長く引き取りのないクリーニングを持ち主に戻す展開から息もつかせぬテンポで旅をして、いろいろな出会いなど読む手が止まりませんでした。
    そしてクリーニング倉庫での摩訶不思議な事ばかり、子供たちが燃料燃焼のためのスイッチを押すシーンではSF映画を見ている感覚になってしまった。ラストはどうなるか読んでからのお楽しみ。続きがあるような予感ぜひ期待しています。

  • 現代社会を舞台にした寓話的なストーリー。
    クリーニングに出したけど持ち主が引き取りに来ない「はぐれんぼちゃん」から始まるストーリーが面白いですが、物語は全く予想できない方向に向かっていきます。
    文体が違いますが、村上春樹さんの「長編冒険物(と呼ぶべきかどかは分かりませんが)」のような味わいが感じられました。
    小説にはっきりとした意味を求める読者には、向いていないかもしれません。
    それほどページ数は多くないのですが、読みごたえがあり、ページ数以上に長い話に感じられました。
    ラストシーンは、余韻が残る感じで、とても良かったです。

  • タイトルが良い。
    最後は…う〜ん。

  • ファンタジーの皮をかぶった純文学。
    ちと長いか。

  • クリーニング店で出る持ち主不明の預かりもの“はぐれんぼちゃん”その行方を追って行くと思いがけず怖いお話でびっくりした。“人は生きているいろんな荷物を背負うけれど、近くに置いていたいものもあれば少し距離を置いておきたいものもある。背負いきれないものは一度捨ててしまってもそれは間違いなく人生の瞬間で一緒に過ごしたもの”

  • クリーニング店で働く主人公・優子が、朝起きたら、長い間持ち主が引き取りに来ない衣服に覆われていて、それらを持ち主に返す旅に出る「出発」編と、持ち主に衣服の返却を拒まれ、途中で出会った「仲間」たちと、持ち主が引き取りに来ない衣服を保管する倉庫だった場所を訪れる「倉庫」編から構成される長編小説。
    新聞の書評を読んで興味を持ち、クリーニング店に引き取りに来ない衣服たちそれぞれにまつわる人間ドラマを追っていくような小説かと思って読み進めたら、全然思っていたような話ではなく拍子抜けというか、正直ちょっと期待外れだった。
    本作は、ファンタジー的な要素が多分に入った、メタファー盛り沢山の純文学作品という印象。個人的には、小説からのメッセージはうまく受け取れなかった。
    「倉庫」のシステムは、理想的なように見えて、ある種のディストピアではあると思うが、優子の相対し方にもあまり共感できなかった。

  • 令和4年11月発行のYAだよりで紹介された本です。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00631052

    あさりクリーニング店で働く優子は、持ち主が長く引き取りに来ない衣服「はぐれんぼちゃん」たちを自宅に持ち帰る。翌朝目覚めると、それら衣服が体全体を覆っていた。不思議な感情に襲われた優子は衣服の持ち主のもとを訪れるが、次々に受け取りを拒絶される。道中に出会ったトレンチコートの謎の男ユザさんに導かれるまま、「はぐれんぼちゃん」を身に纏ったちぐはぐな姿で、優子は帰るべき場所を求めて再び歩き始める。
    (出版社HPより)

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著者プロフィール

二〇〇五年に「窓の灯」で文藝賞を受賞しデビュー。〇七年「ひとり日和」で芥川賞受賞。〇九年「かけら」で川端康成文学賞受賞。著書に『お別れの音』『わたしの彼氏』『あかりの湖畔』『すみれ』『快楽』『めぐり糸』『風』『はぐれんぼう』などがある。

「2023年 『みがわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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