ごっこ

著者 :
  • 講談社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065304471

作品紹介・あらすじ

こんなことに付き合ってあげられるのは、自分だけだと思っていた。
夫婦ごっこ、恋人ごっこ、友達ごっこ……。曖昧な関係に振り回される女たちの、不器用すぎる恋。
野間文芸新人賞候補作『春、死なん』につづき、注目作家が「ままならない恋愛」を描く最新小説集。

・「ごっこ」
六つ年下の恋人の浮世離れした逃避行に付き合って、あてのないドライブを続けるわたし。そろそろ逃亡資金が底をついてきた。
・「見知らぬ人」
友人の結婚式に集う客たちの中に、夫の不倫相手が混じっているのではないか。あの女を探す那月が出会ったのは――。
・「はこのなか」
田舎町の中学で出会った奔放な女友達タクボに思いを寄せる戸川。今の願いは、結婚したタクボの隣室に住むこと。

感想・レビュー・書評

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  • 「休養している時に新作を書いた」「それでも自分にとってのメインはセクシー女優」女優業が別の仕事に繋がったことへの感謝。様々な顔を持つ紗倉まなの仕事観 | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしい
    https://shueisha.online/entertainment/110023

    “ままならない”恋愛を描く! 紗倉まな、三年ぶりの新感覚小説集|今日のおすすめ|講談社BOOK倶楽部
    https://news.kodansha.co.jp/9612

    『ごっこ』(紗倉 まな)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000372777

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      紗倉まな「一方通行の想いをもてあましているような小説を書きたかった」 新作小説集『ごっこ』の狙い|Real Sound|リアルサウンド ブッ...
      紗倉まな「一方通行の想いをもてあましているような小説を書きたかった」 新作小説集『ごっこ』の狙い|Real Sound|リアルサウンド ブック
      https://realsound.jp/book/2023/03/post-1274046.html
      2023/03/19
  • 「見知らぬ人」が一番おもしろかった。浮気というにはくだらない関係だから、本妻は気に病む必要なんてないと、2人ともが相手の妻に対して思っている。自分の論理を堂々とまるで同志に説くように語る不倫女は、浮気された方からしたら異常にみえるけれど、実際夫に対しての気持ちはその程度というか、辟易してる部分があり妻に同情のような気持ちを持っているからこそだろう。浮気の怒りは、やはり相手の女ではなく、夫に向けるべき。

  • 『ごっこ』
    年下のカメラマン気取りの男が死にたいとか言うから仕事もばっくれてきたのに、なんか写真の個展がどうとか言って帰ろうとする。芸術気取りのヌード写真だって撮らせてきたのに、他の女も撮ってたみたい。ふざけんなの気持ちで女はアクセルを踏み、車を猛スピードで走らせる。

    『見知らぬ人』
    夫の友だちの結婚式に参加したのは、夫の不倫相手に会えるかもしれないと思ったからだ。予想通り会えたけれど、今度は夫が消えてしまった。なぜか不倫相手と夫を探し、ドラッグストアで買い物をし、カレーを食べることに。不倫相手はこっちが不倫していたことも知ってるし、なんだかわかったようなことを言い連ねる。

    『はこのなか』
    中学で出会った女友だちに執着する女。男癖のわるい女友だちは何度も痛い目を見てきた。大学進学時に離れ離れになり、疎遠になっていたが女友だちが赤羽にきてからはまた交流が復活し、執着も復活した。
    女友だちの隣に住みたいと本気で思い、女友だちと結婚した夫を羨み、女友だちの出産した男の子と結婚したいとすら女は思う。

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    三つとも勢いのある話だった。気持ちのパワーが強い女性視点で話は進み、何故彼女はこういうふうに考えるのか、と途中で説明が入るような感じ。

    主人公が突っ走っちゃうのはとても面白いんだけど、ちょっと説明がくどい部分もあって、バランスをとる難しさを感じた。

  • なんかこう読んでて苦しくなる本だなぁと思いました。
    どうしようもない閉塞感を感じるというか。

    あと使われている漢字が時々難しいのがあって、ビックリしました。

  • 3つの中編小説が入った一冊。
    表題の「ごっこ」は、一組の自殺願望のある男女が逃亡する車中を中心に描かれた作品。
    2つ目は、不倫しあった夫婦の離婚の話。
    最後は、女同士の友情の話。

    紗倉まなさんの作品初めて読んだけれど、純文学的な色合いが強い。
    かたくて、少し難しい言葉や表現も多い。
    芥川系な雰囲気の本。

  • 普段あまり使用しない漢字が出てくると
    読み方がわからずテンポが悪くなる。
    文章自体は好き。

  • 夢中で読んだわけではないけど、嫌いじゃない、むしろ好きな話。価値観の違う者同士の会話の噛み合わなさみたいなものが面白かった。

  • 短編集3篇。
    自殺するのかしないのか、ドライブしながら行きつ戻りつ。年下男との会話で繋ぐ「ごっこ」、W不倫、結婚式の後、行方不明の夫を夫の不倫相手と探す「見知らぬ人」、同性愛の香漂う「はこのなか」。どれも変に冷めながら唐突にスィッチが入って思いもよらぬ行動に出る。面白かった。

  • 3遍とも素晴らしいが、一番短編としての完成度が高いのは表題作だと思う。彼氏の自殺に付き合っていた主人公が次第に彼氏以上の狂気を発動させていく。高速の横断幕が帰りは逆の順番で出てくるシーンも上手いなぁと思った。純文学的香りを漂わせながらも読みやすい文章もいい。ただ、浅学の自分には読めない漢字が多く終始スマホが手放せなかった。

  • 初めてこの作者の本を読んだ。三つの話が入っている短編小説で、1番目はその後どうなるんだろか。あんまり細かく登場人物の設定がなくて後出しのように出てくる。そして詳しく書かれてないから想像して読むのが得意な人が良いかも。私は読むのに疲れた。文章はすっと入ってくるんだけど、リズムがあってそれが合わないと読みにくい。

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著者プロフィール

紗倉まな(さくら・まな)
1993年千葉県生まれ。工業高等専門学校在学中の2012年にSODクリエイトの専属女優としてAVデビュー。
15年にはスカパー! アダルト放送大賞で史上初の三冠を達成する。
著書に小説『最低。』『凹凸』(いずれもKADOKAWA)、
エッセイ集『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社)
『働くおっぱい』(KADOKAWA)スタイルブック『MANA』(サイゾー)がある。

「2023年 『春、死なん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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