黛家の兄弟 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 89
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065331767

作品紹介・あらすじ

第165回直木賞、第34回山本周五郎賞候補『高瀬庄左衛門御留書』の砂原浩太朗が描く、陥穽あり、乱刃あり、青春ありの躍動感溢れる時代小説。道は違えど、思いはひとつ。政争の嵐の中、三兄弟の絆が試される。『高瀬庄左衛門御留書』の泰然たる感動から一転、今度は17歳の武士が主人公。神山藩で代々筆頭家老の黛家。三男の新三郎は、兄たちとは付かず離れず、道場仲間の圭蔵と穏やかな青春の日々を過ごしている。しかし人生の転機を迎え、大目付を務める黒沢家に婿入りし、政務を学び始めていた。そのさなか、黛家の未来を揺るがす大事件が起こる。その理不尽な顛末に、三兄弟は翻弄されていく。令和の時代小説の新潮流「神山藩シリーズ」第二弾!~「神山藩シリーズ」とは~架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された世界観で物語が紡がれる。

感想・レビュー・書評

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  • 「神山藩」シリーズ第2作目は、本屋が選ぶ時代小説大賞など4冠を獲得した『高瀬庄左衛門御留書』以上の傑作。
    今まで読まずにいたのが惜しまれたと思わずにはいられない第35回山本周五郎賞受賞作。
    神山藩で筆頭家老を勤める黛家の三男新三郎が主人公。
    三兄弟それぞれに描き分けられ、どんでん返し的なミステリー性もあって、これぞ時代小説と堪能の読後感。
    「それはわれらが、黛家の兄弟だからでござる」に、カタルシスを覚える。

  • 神山藩シリーズ第2作。

    代々筆頭家老の家に生まれた三兄弟の絆と、家の存続が最優先の武家社会が生む悲劇を描く。

    ギリシャ悲劇を思わせる風格を持つ一方、チャンバラ的要素も強く、盛り沢山のエンタメになっている。

  • 前作が良かったからすごく楽しみにしてたんだけど、期待以上だった!
    前作はもうちょっとほのぼの感というか、日常感があったけど、今回は凄くドロドロしてるし、人もいっぱい死ぬし、騙し騙され…って感じですごかった。
    次も楽しみー

  • 生き方を考えさせてくれる話でしたが、単純に面白かった。微笑んておわれた。

  • 見事でした。

  • 珠玉にございまいた。

  • 高瀬庄左エ門が素晴らしかったので、神山藩シリーズを読むことにした3冊目。
    前作も面白かったが今作も期待を裏切らない出来栄え。
    辻村深月の伏線回収が見事で好きなのだが、砂原浩太朗の伏線回収も素晴らしい。
    今回も読了後二回読みかえした。
    兄弟の絆に感動。

  • 驚いた。砂原浩太朗の描く世界は深い。

  • 神山藩シリーズ第二弾
    藩の相続が絡んだ派閥争い
    雌伏する兄弟
    策略に策略が重なる。
    長い時間をかけて発現した策略
    どんな状況の中でも信頼して行動できる兄弟の絆が鮮やかに描かれる。

  • 未熟であるが故に大切なものを守れない。
    聞いた時は理解出来ていない言葉も、自身が経験することで腑に落ちる。そして、人へと引き継ぐことができる。人を理解するには時間がかかるが思いは伝わる。そんなことを感じ一冊。家族、親から子へ、人から人へ、といった人の繋がりを感じ、読後が心地よい。

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著者プロフィール

1969年生まれ、兵庫県神戸市出身。早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務を経て、フリーのライター・編集・校正者に。2016年「いのちがけ」で第2回「決戦!小説大賞」を受賞。2021年『高瀬庄左衛門御留書』で第34回山本周五郎賞・第165回直木賞候補。また同作にて第9回野村胡堂文学賞・第15回舟橋聖一文学賞・第11回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞、「本の雑誌」2021年上半期ベスト10第1位に選出。他の著書に『いのちがけ 加賀百万石の礎』、共著に『決戦!桶狭間』『決戦!設楽原』『Story for you』(いずれも講談社)、また歴史コラム集『逆転の戦国史』(小学館)がある。

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