暗き神の鎖(後編) 流血女神伝 (流血女神伝シリーズ) (コバルト文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086005005

作品紹介・あらすじ

さらわれた最愛の息子アフレイムを救おうと、カリエはすべてを捨ててザカールへと向かった。だが、彼女を待ち受けていたのは、現長老であるリウジールの悪しき野望だった。彼女を守るはずのラクリゼも死んだと告げられ、屈辱的な仕打ちの数々に絶望の極限へと追い込まれるカリエ。一方、エドとサルベーンはカリエを追いかけてザカールへ乗り込むため、海賊トルハーンの協力をとりつけるが…。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!暗いしえぐいけど!
    エドかっこいいなぁ!
    ここからまた新たな旅が始まる感じ。
    再読だけれどやっぱり面白い。

  •  これだけカリエの華々しく輝かしい未来を予感させといてそれを取り上げるってマジですか……しかもあくまでカリエ自身の選択……つ、つらい……
     だってこれ、あのまま順当にいけばカリエはヨギナの女性総督として輝かしい成功を収め、子どもからも民からも愛され、自分が幸福になるだけでなく民も故郷も潤しただろうはずなのに……

     仮にお腹の中の子を見捨てたとて、我が子を浚い己を凌辱した憎い男の種、誰も責めないだろうに……
     でも母たちの想いを見つめ(カリエ自身は知らないけれど)、ラクリゼの選択を踏まえた上で、己に宿った子を殺せないのがカリエなんだなぁ……

     ちょっと意外だったのが、バルアンさんカリエのことちゃんと伴侶として信頼して想っていたんですね。いや、本心はどうあれもっとドライに振る舞うし実際とっとと忘れるだろうなと思ってたから嬉しいっちゃ嬉しい、んだけ、ど。
     その結果、カリエは当初の目標だったバルアンの祖国侵攻を抑えるどころか、その火種になってしまったわけで。でもカリエが我が子を見捨てられないのは当然で。う、運命……

     残るは1エピソード。どう畳まれるのか放心しつつ楽しみにしています。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                 

  • 神さんが絡んでくる話は,禍々しく無慈悲で奥深い.ザカールの崩壊をカリエの何かが導いたのか,最後は登場人物総出演の怒涛の展開.エドとサルベーン,グッと男を上げました.

  • 56:も、これこんなハードでよいのですか!? どろっどろじゃないですか。振り出しに戻った感もあるし……でもカリエは天真爛漫なのが一番です。

  • 攫われた息子を救おうとすべてを捨ててザカールに向かったカリエ。
    だが、ザカールの長老(クムナ)のリウジールはカリエを絶望へ追い込む…

    辛い話だった…どんどん追い込まれるカリエが…(T_T)
    リウジールの残忍さが苦手だったけど、リウジールの過去や心の内を知ってかわいそうになった。
    ザカール人、特にクムナの人生って何なんだろう…世のすべてを憎むように定められ、憎しみの中で生きなければいけないクムナ。
    しかも、女神とザカールの願いが成就する1000人目を目の前にした999番目として生まれたラクリゼとリウジール。
    お互いの存在があるからこそ、今まで以上に苦悩と絶望を与えられるなんて…それが女神の復活の力になるなんて(T_T)
    それは、女神の娘であるカリエにも言えることなんだけね。
    クムナの妻とならなければならない女神の娘、子供を女神の生贄に捧げられ自我を崩壊させることで女神と同化するように定められているなんて・・・
    それも今までのクムナの数だけ妻となる女神の娘がいたと思うと…(>_<)

    一方、エドたちのほうはイーダル王子の活躍で明るくて面白く、重い後編の中で良い感じでした!
    エドとサルベーンの女装は見たかったなぁ・・・

    ラストはまた辛い…カリエを失ったバルアンが…(>_<)
    残すところはシリーズ最終章。
    女神の娘であるカリエに裏切られた流血女神は、彼らにどんな試練を与えるのだろうか…

  • なんという破滅
    もう少しやさしい人生があると思う。
    だれも幸せになってないじゃないか…!
    愛情を与えた後に奪ったほうがより絶望が深くなる、というのがわかるね。
    バルアンがもっと昔のように自由だったら、と思う。

  • ザカール編終了。いろいろと濃かった・・。

  • 再読。全3巻。

    エド活躍!なザカレア編。
    にしても、最後のバルアンの条件がやはり納得いくようでいかない・・・。エドが20年謹慎って言われたら迷うだろうし、いやでもそもそもザカールの子供を身ごもってる時点でそのまま戻れる選択肢はないのだけれど。

    文中にあるように、猟師の娘でルドィビアの少女、カリエ>ルドヴィアの第三皇子アルゼウス>エティカヤ第二王子付小姓カイ>ギウタ皇女でエティカヤ第二王子の正妃カザリナ>エティカヤ正妃ディエーマ・・・と色々な名前と、その名前毎に与えられる役割が違っちゃう位波乱万丈の人生。

  • シリーズ17作目。ザカール編。

  • アフレイムがさらわれ、カリエとラクリゼはザカールへ向かう。サルベーンを逃がしたエディアルドは、彼と共にトルハーンたち海賊、そして途中で出会ったイーダルの力を借り、カリエを助けに向かう。
     一方、カリエはクナム・リウジークの圧倒的な力に屈し、自我を手放し闇に堕ちていた。
     今回もかなり重たい話でした。そんな中で、イーダル王子は明るくて、面白くて大活躍でした。エドとサルベーンの女装姿がぜひ見たかったです。

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著者プロフィール

『惑星童話』にて94年コバルト読者大賞を受賞しデビュー。『流血女神伝』など数々のヒットシリーズを持ち、魅力的な人物造詣とリアルで血の通った歴史観で、近年一般小説ジャンルでも熱い支持を集めている。2016年『革命前夜』で大藪春彦賞、17年『また、桜の国で』で直木賞候補。その他の著書に『芙蓉千里』『神の棘』『夏空白花』など。

「2022年 『荒城に白百合ありて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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