炎の蜃気楼シリーズ(17) 火輪の王国(後編) (コバルト文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086141062

感想・レビュー・書評

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  • 今までぼんやりとしていたことが、ここに来てようやく鮮明になってきた印象。

    機械人間だった小太郎が感情剥き出しにして闘う姿、壮絶でした。
    景虎様になまえを呼んで欲しい、愛しい…って感情までもが芽生えてた小太郎、景虎様の魅力っておそろしい。
    『直江』でなければならないから宿体にこだわり、どれだけボロボロになっても直江であり続けようとした小太郎が痛ましかったです。

    高耶さんは疑心暗鬼も最高潮。
    もう自分しか信じられないんだろうなあ。
    でも千秋のことは信じて欲しかったよ。哀しいよ…。

    それにしても、凍結法を用いてるとはいえ、譲のことはほったらかしだったんでしょうか。
    軒猿にでも監視させとけばよかったのに。
    譲が出てきた瞬間、あ…これ最悪なパターンだ……とますます気が重くなりました。
    そして案の定の結果。
    信長容赦ない。こわい。

    神話や伝承って、後ろめたい真実を歪めてぼんやりさせてることが多いですよね。
    鬼八伝説然り。
    三池家が長年背負って来たものって…。

    綾子ねーさん行方不明だし、千秋と高耶さんは一触即発状態で睨み合ってるし、直江と色部さんは新上杉だし……わたしの大好きな上杉夜叉衆カムバーーーーック!!!

  • 炎の蜃気楼17

    小太郎VS直江。

    小太郎と直江が協力して高耶の誤解を取り除く展開を一瞬想像したのだけど、さすがにそう甘くなかった。

    小太郎(の宿体)が死亡。直江の傀儡(開崎誠)は生死不明。

    結局二人とも高耶のもとへはかけつけることができなかった。

    どこまで話をこじらせるつもりなんだ作者。こじらせすぎだ。

    鬼八をめぐる攻防は複雑すぎてついていけない。人物名が多すぎててきとーに読みとばす。したら、最後のあとがきに相関図がついていた。これこんな最後じゃなくて、巻の冒頭に持ってくるべきでは?親切なのか不親切なのかよくわからないおまけだ。

    んで、最後は高耶VS千秋(安田長秀)で続く。

    あー、おもしろい!!すっごくおもしろい。

    戦国時代ってこんな風に裏切って裏切られて、入り乱れていたんだろうなあと思う。

    それを現代に甦らせた作者はすごい。

    この話、いくらでも続けることができそうだな。

  • 高坂は八海が引き受け開崎は高耶の元へ。小太郎は島津家久に足止めを食らうが倒して高耶の元を目指す途中、開崎を倒しす。
    千秋は綾子から開崎が直江であることを電話で知る。《黄金蛇頭》は阿蘇神社から城の柱神とするため移され埋められたと知る。古城高校の真下にあることになる。
    真体に封じられた鬼八の霊を解放するには阿佐羅が必要で、三池はそれを極秘として管理していた。これを知るのは霊守・三池晴哉以外にはヒムカ教の教主であった叔父の池田克哉であった。
    彼らから隠すべく阿佐羅である哲也の妹ほかげを隠していた。阿佐羅の願いは大和の民から地を取り返すことだが過去何回か現れた阿佐羅を三池は解放しなかった。
    明智光秀に捕われた高耶は竹俣慶綱から直江は景虎を調伏するつもりと聞く。
    譲は高耶へ会いに古城高校へ行き高校を占拠した御厨に捕らわれる。蛇蠱の卵を埋められるが意識はそのまま《力》を使えるようになる。
    綾子は加藤清正の菩提寺に遺骸を破壊しに行くが島津家久に襲われる。ところ、清正と信長が現れ家久を破魂法で消し綾子は囚われの身に。
    明智は景虎に反織田の旗手になるよう頼むが景虎は断る。
    家久が大友に倒されたと偽情報を聞き島津歳久は出撃。御厨も生徒を使い迎え撃つ。譲は色部から生徒を守るよう言われる。
    阿佐羅の地に目覚めほかげは《黄金蛇頭》のある古城高校へ飛ぶ。哲也はそれを追う。千秋は稲葉を助けに向かう。
    稲葉は蛇蠱の卵を孵化させ御厨の元へ脱出。島津と戦っていた譲は信長に意識を奪われる。景虎とあった千秋は謙信が《闇戦国》参戦を告げられる。


    この巻、びっっっっっっっくりするほど面白かった。土着民と大和民との民族闘争から生まれた宗教、そこから生まれた新興宗教‥‥すごいなあよくこんなの考えつくなあと感心してしまいました。宗教が興味の分野だからですが、ぐわっと惹き込まれました。千秋が先生しているのもとってもかっこいい。
    しかし小太郎がついに、切ないです。開崎倒してくれたのは少し胸がすきましたが、その後があっけなすぎる‥‥見納めってあとがきに書かれていて、本当につらい。嘘でしょ‥‥
    そして譲登場!彼のシーンは本当に安心して読めるので癒ししかない。ほかのシーンは痛々しいだけにとても救われます。
    「高耶は高耶だよ」
    ぶれない。ぐう聖。

  • 小太郎がとても切ない。
    読んでいる最中、残りのページ数で話が畳めるのだろうかと思ったら
    なんと後編と銘打っているけれど終わらないという。
    この辺りの掟破りっぷりや、当時はあまり気にならなかったがぽつぽつと地の文に混ざる
    話し言葉など、若い筆者の勢いを良くも悪くも感じる。

    開崎さん本体が非常に気の毒。

  • 小太郎、直江の演技を追い求めるあまり、本来の小太郎が崩壊。役者の苦悩だね~。
    高耶、謙信に大将の座を降ろされた?四面楚歌状態。
    なんでそうなった?
    続きが楽しみ。

  • 私にとっては衝撃の一冊
    買う事に集中し過ぎ、帯コピーを見ずに読み終えて良かった。
    帯見てたら読めなかった(ToT)

  • まだまだ熊本。

    新旧直江対決。読み終わった後に表紙を見ると悲しいです、小太郎…。それにしても二部に入ってからの千秋の苦労は凄まじい。そして高耶さんは痛ましい。どうなっちゃうんだ熊本は。

  • 小太郎が~!
    新旧?直江さん対決です。前々巻くらいからなんとなくこんな感じになるだろうと思ってましたけど…小太郎が切ない!でも再登場フラグもでてたので、またもどってきてくれるかな~。
    相関図が三つ巴というか五つ巴くらいになっていて大変分かりづらいです。
    敵味方が入り乱れています。
    この後、ちゃんとお話がまとまるか心配…

  • 読んだのかもしれないけど、もう一度通して“ミラージュ”シリーズを読みなおしたい。

  • 新旧直江対決。
    開崎さんが想像以上に気の毒で泣けた。
    中の人じゃなくて後ろの人だったのか…。
    こたさんといい、千秋氏といい、苦労するなあ。

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著者プロフィール

千葉県生まれ、東京都在住。中央大学文学部史学科卒業。「風駆ける日」で1989年下期コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞後、90年『炎の蜃気楼』でデビュー。同シリーズは累計680万部を超える大ヒットとなる。他の著書に、今作を含む「西原無量」シリーズ、『カサンドラ』、「赤の神紋」シリーズ、「シュバルツ・ヘルツ」シリーズなど多数。

「2023年 『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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