時をかける眼鏡 新王と謎の暗殺者 (集英社オレンジ文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800273

作品紹介・あらすじ

過去のマーキス島にタイムスリップした医学生の遊馬は、彼が無実を証明した新王の即位式に出席することに。だが、招待客である外国の要人が殺される。現代法医学で犯人を突き止められるのか…!?

感想・レビュー・書評

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  • 時空と時代の違う中世風の王国に飛ばされた西條遊馬は、王室の鷹匠の弟子として使えることになるが、誰もが知らないいろいろな知恵を持っていると思われて、ロデリック新王、フランシス宰相(ロデリックの異母弟)、ヴィクトリア姫王子(ロデリックの異母弟)たちに頼られることになる。新王の宴会の料理のアイデアを出したり、不審な殺人の謎を得意の医学の知識で探ったりする。その中で、遊馬は自分なりに様々なことを学んでいく。王国の人々ともつながりを深めていく。こうなると、もとの世界に戻るのが辛くなっていってしまうかもしれないなあ。

  • 基本いい人しか出てこないので心臓に負荷をかけずに読める。疲れてるけどちょっと推理モノ読みたいなって時にちょうどいい。推理は難しくない。

  • ついに新王が即位した夜、上から落ちてきたのは
    他国の要人だった。

    序盤、料理の相談までされています。
    めでたい事があった状態なので、全編通して
    やたらに料理がでてきたような。

    無事に済んでよかった、と話は進んでいくので
    一体どこで何が起こるのかと思ったら…。
    王様って大変だな、というのがよく分かる内容です。
    鎧ひとつとっても、そこまで考えられているのか、と。

    今とは違うので、命の価値も身分も、なのですが
    王族、という身分に生まれた者がどうするのか
    何をするのか、を考えさせられてしまいました。
    しかし前回も思ったのですが、姫王子ひ引き続き(?)
    犠牲公という制度、すごいです。

  • まさかのシリーズものでした!
    前作を知らないのに、読んでしまったw

    タイトルに興味が湧いて読み始めましたが、面白かったです! あれよあれよという間に読み終わってしまうのですが、遊馬くん…医大生には思えぬ幼さですよ。いや、そんなモノか? 

    医療の知識がない世界での、医大生的な気付きとか心情の変化が楽しい一冊。なんか勝手に上から目線(むしろ親目線?)で読んで応援しちゃうww

  • 法医学のない時代に召喚されてしまった学生・アスマ。前回、見事に事件?を解明したものの、現代に戻れないのでやむなくマーキスで生活することになる、という話だったので、今回は半分以上は新王即位に際しての説明回でした。

    読者に、マーキスの世界や国家とは、政治とは、王とは何かを説明するためとはいえ、アスマの質問や発想がアホすぎて読んでてしらけそうになった時もありました。いくら平和ボケしているほどの現代日本だって、あそこまでマヌケでまったく何も考えてない発言するかな?というレベル。もう少し違う書き方で国や政について説明できなかったのかなぁ。

    今回は被害者が他国の王族ということもあり、前回のように強引に解剖するというわけにもいかず、検視のみで事実を読み取らなければいけない状態。それでも重要なことにちゃんと気づけるアスマ。…法医学のことなら頭が回ってるんだなぁ…。

    だけど、法医学とは言え、医学を学んでいるわけだよね?
    後半、地下牢で死人と瀕死の重傷者が出た直後に、別の死体があるという場所に行ってしまったのにはただただビックリ。え? そっち行くの? 事件に重要な人物が今にも死にそう、って時だよ? 事件関係者でなくとも、瀕死の人に見向きもしないで死体の検視に行くのが法医学なの?
    って思ってしまいました。
    あの場合、ヴィクトリアが強引に連れ出したと言えなくもないんだけど、法医学のないマーキスにおいて、アスマは人体に詳しい人、という認識をされているのだから、人体に詳しいならあの状態の守役を何とかして!ってヴィクトリアもロデリックも思わないのかしら。
    そして守役の家がどこにあるのかわからないけど、そこまで行って息子の遺体の検視をして、さらに王城まで戻って来てから守役の処置をする。…どれだけ時間がかかってるの。よく持ちこたえてたな、守役。

    前回、事件の真相は手紙が発見されたことで解明され、今回は犯人の自白であっさり解明。このお話には探偵役はいないものとして読んだ方がいいようです。まぁ、ミステリーというほど複雑な事件ではないので。

    ところで、最初の遺体落下の謎はわかったんですけど、もし少しずつずれて落下しただけというのであれば、善良なる漁師・アシュトンが落下の直前に聞いた「えいっ」って声は何だったんでしょうね。だって遺体が落ちる直前には、犯人は城内でヴィクトリア達と出くわしてたわけですから。
    ……えーっと??

    が、まぁ、兄弟のシーンはよかったです。

  • 違う世界に飛ばされた主人公が医学生の知識で、事件を解明する話。とはいっても学生なので、治療、手術なんてやったことないので、ひたすら知識と記憶を頼りに奮闘します。
    ある意味JINより過酷です。
    今回はロデリックが王座に収まり、パーティを開いたところ殺人事件が発生。
    平和なこっちとは本当に世界が違います。

  • シリーズ2作目。作者の法医学の薀蓄が好きで手に取るので、器具などの十分にないファンタジー世界での話の展開はかなり歯がゆいものがありました。このシリーズはミステリ展開を期待するよりファンタジーとして単純に楽しむ方がいいのかもしれません。オレンジ文庫というレーベルがライト文芸ということなのでそのテーマには沿っているのでしょうね。まだまだですが主人公の成長物語でもあり悪くはないので、シリーズの続きを読むとしたらレーベルの色を意識してにしようと思います。

  • シリーズ第2作。
    非常に読みやすい作品。
    前作に比べると今回は殺人の経緯が少し意外だった。

    子どものことを考えて殺人をしたお父さん。
    だけど最後は国に迷惑をかけないように考えているのが真面目なんだなって思いました。

    あとは最後に国王がフランシスを抱きしめるシーンも
    素敵でした。
    引き続き読んでいきたいと思った作品です。

  • 推理というにはちょっと物足りないが、遊馬が父との思い出を頼りながら、現代医学の道具に頼らず工夫と観察力で人を助け、真相を究明していく様子が興味深い。また、3兄弟を主軸にひとを思い合う気持ちがあたたかく、楽しく読めた。料理の話題もあって古代と現代のハーモニーが面白い。

  • 即位式の夜に起きた招待客である外国の要人の不審な死の真相。遊馬と師匠になったクリストファーと三兄弟のやり取りが、殊更な特別さはないのに妙に魅力的で、過去のマーキス島の世界に引き込まれる。芋やパンの素朴な食事も良い。現代法医学の知識と死が絡むけれど殺伐とはせず、ちょっと暢気なくらいの柔らかいシリーズ。

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著者プロフィール

作家。監察医。講談社ホワイトハート「人買奇談」にてデビュー。代表作は「鬼籍通覧」シリーズ、「奇談」シリーズ(講談社)、「最後の晩ごはん」(KADOKAWA)、「時をかける眼鏡」(集英社)など多数。

「2023年 『妖魔と下僕の契約条件 5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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