契約結婚はじめました。 5 ~椿屋敷の偽夫婦~ (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086802772

作品紹介・あらすじ

ついに完結!
大ヒット『後宮の烏』シリーズ、『下鴨アンティーク』シリーズの著者がおくる
「家」が語るご近所事件簿、第5巻。

と呼ばれる一軒家に住む香澄(かすみ)と柊一(しゅういち)は、ワケあって結婚した"偽夫婦"である――とはいうものの。
香澄が柊一への気持ちを自覚したことで、ついに……。もちろん柊一も、ずいぶん前から香澄のことを憎からず想っているのだ。

町の相談役である柊一のもとには今日も今日とて客人が絶えない。
松江の紅白椿、七変化椿、もうひとつの椿屋敷……!? 三者三様の夫婦のあり方にふれ、ふたりも"二人の"関係を見つめなおし――。


第一話 二匹のねずみ
第二話 神さまの花
第三話 椿屋敷の若夫婦

すみれ荘にて―真昼の星―
すみれ荘にて―廣田くんの受難―
すみれ荘にて―三人寄れば―

小春日和


仲良し夫婦に訪れる、じんわり染みる……大団円!

感想・レビュー・書評

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  • 着地点はわかりつつも、どう着地するのかが見所の、シリーズ完結巻。
    本編1/2、番外編1/2の構成で、おだやかに終幕。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    契約結婚からはじまった柊一と香澄の生活たったが、やがて2人はお互いへの想いを自覚し始める。
    結婚もしていて2人暮らし、両想い…なのにお互いがお互いの気持ちをまだ伝えあっていないこの関係性は、どう着地するのか…?

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    2人の恋愛話に話がしぼられるかと思いきや、本編終わりまで相変わらず、椿にまつわる小さな相談事が寄せられ、それを解決という流れは変わらずでした。
    これもまた、2人にとっての日常なので、謎解きもたのしみつつ、両想いの2人がどう気持ちを伝え合うのか、両方を読みつつという感じでした。

    本編は1冊のうち半分程度で終了。
    今回はその分、番外編があとを占めていました。
    柊一と香澄のまわりの人物たちの心模様もまた複雑なのですが、そちらもある程度は着地してくれたので、おだやかにページを閉じることができました。

    ハラハラな恋、というわけではないので、恋愛面ではすこし物足りなさもありましたが、安定感のある話運び、ゆったりとした終幕ということで☆☆☆3つとさせていただきました。

  • 正確に書くと星3.5。
    契約結婚シリーズの最終巻。
    いろいろまとまる。
    面白かった。

  • 直前に読了した本が
    「悪くはないけどもうすこし、こう、すなおに生きれる環境になれたらいいね…」
    と、いう読了感やったので、次に読む本は契約結婚と決めてた。笑

    これでもか! と、ばかりに、すなおでまっすぐで、ささやかな生活を営む雰囲気を吸うでー!

    …と、そして、吸って、あれ、このシリーズここで完結? まさかね…?

    下鴨アンティークで知った著者、下鴨アンティークも面白かったけどこちらのシリーズのほうがより好き!
    なぜなら、ちょっとだけ庶民的やから…(笑)。ちょっとだけね…(笑)。

    柊一さんの「往生際の悪さ」(褒めてる)にはちょっと笑ってしまったけど、終わりよければすべてよし。
    香澄さんは、そりゃ、よく考えたら家出しちゃえる馬力はあるもんね。こうなるよね。

    すれ違いのもじもじ加減もめちゃくちゃ好み。このくらいがいいです。
    そしてすみれ荘も気になるねー(笑)。

    わりと一歩引いちゃうというか、飄々としてるキャラばかり書くイメージがあるので、あわはらさんは動のキャラで、でもこちらもまた魅力的ですてき。もちろん朋香ちゃんも。

    朋香ちゃんはこれまでちょこちょこ名前が登場してたけど、こんな子やってんねー。いい裏切り。

    晶紀さんは振り回され体質やから(笑)、このくらい振り回されといたらいいよ。

    とにかく、最後まで(?)人間以外が主観で話が綴られていて、最初は
    「えっ? 家??」
    って思ったけど、これはこれで、見事やったなあ。

    さすが、著者。これがシリーズ最後なんかどうかはわからんけど、まだ未読の別シリーズはあるので読みたい。

  • 今回はすみれ荘が多めです。

  • 椿屋敷に住まう偽装夫婦の柊一と香澄のものがたり、最終巻になる。

    最初は他人行儀に共同生活を送っていたふたりが少しずつ距離を縮めていく。
    香澄の血の繋がらない兄である晶紀が格好いいところ持って行ったなあ、と思っていたら案外さらっと本編は結末を迎えた。

    後半は、柊一の弟・檀の物語なのだけれど、最後は晶紀の短編も差し込まれていてちょっとした番外編として楽しんだ。

  • 2023.6.24 読了。
    椿屋敷シリーズ、最終巻。短編7作。

    今作は最終巻ということもあり椿に関しての謎解きは少なめ。普段は小説とライトノベルを区別して読むことはないのだけれど「こういう作品がライトノベルというのかな?」という感じでサラサラ読めた。全体的に和やかな一冊で、最終巻なのだからもう1回くらい波乱があっても良かったのかなぁ〜と思う。
    一冊の半分くらいはすみれ荘の話だったので「椿」についてネタ切れ感も少々感じた。
    ほっこりしたい時に読めばリラックスできるかな?という感じ。

    個人的に白川さんの作品の調理や食事風景の描写が丁寧で好きだったのだが今作はかなり少なめで少し残念。

  • なんか思いの外あっさり着地してしまって逆にこの先大丈夫かしら、と言う気がしちゃった笑

    2022.4.2
    50

  • シリーズ完結。<椿屋敷>に客人が来る、という流れでこれまで物語が展開し続けてきてたので、まだ今後も続いていってほしいと思うようなあたたかい作品だった。
    偽夫婦の香澄と柊一がお互いの気持ちを自覚して伝えたことで、無事に、ようやく"本物の夫婦"になる。その過程が非常に微笑ましいのだがむずむずもして、その表現を物語を語る<椿屋敷>が、「屋根裏をねずみが駆けまわっているよりも、割れた瓦の下でスズメが巣を作るよりも、むずむずする。」と語るのがなんだかおもしろ買った。スピンオフ的なすみれ荘の方のお話も、主に檀と絢カップルが、2人らしくかわいい結末でほっこりした。
    こんな感じに、日々丁寧にすごしていけたらいいのに、と心底思う。

  • 契約結婚シリーズ全巻読了。
    椿屋敷視点が意外で面白く、若隠居と呼ばれる柊一、19歳なのに家事が得意で落ち着いた香澄、2人のやりとりがほっこりで、全巻制覇したくなり。
    穏やかに読み進められる作品だと思う。

    どの巻でも、椿になぞらえた事件(事件?相談事?)でストーリーが進み、その解決により2人の距離が縮まっていくように思えた。
    2人の食卓描写が、毎回美味しそうで惹かれてしまう。
    登場人物がみんないいキャラで、ご近所にいてくれたら楽しいだろうなあと。

    半分くらいは、すみれ荘でのスピンオフ作品であることと、椿屋敷でのエンディングがやけにあっさりで、そこがちょっと残念だった。

  • 完結巻。
    最後にもうひと萌えあるかと思ったら、なんというかあっさりと終わってしまった。
    半分以上は番外編というか、スピンオフというか。

    檀君の恋にも決着がついて、さらに鷲尾さんにも春がくるのか?というエピソードも。
    少なくとも、新しい友達ができて楽しそう。

    綺麗に全部終わったので、これにて完結、かな。

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著者プロフィール

三重県出身。同志社大学文学部卒。雑誌「Cobalt」短編新人賞に入選の後、2012年度ロマン大賞受賞。主な著書に『下鴨アンティーク』『契約結婚始めました』「後宮の烏」シリーズ(集英社オレンジ文庫)『三日月邸花図鑑』『九重家献立暦』(講談社タイガ)などがある。

「2023年 『海神の娘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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