- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087200157
感想・レビュー・書評
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ハンチントン逝去を機に?購入。未読。
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この本でいわれてることは今では古い。
「衝突を起こしてるのは文明じゃなくてオイル、資源だよ」と友人の弁。
でもこの本のもとの本の『文明の衝突』が書かれたのはテロ以前の1993年なので
それを考えればすごい?かも?
でも同じことの繰り返しもかなりあったし日本のことにあまり言及されてなかったので残念。
国際政治とか文明間の対話について急遽知る必要があったので読んでみました。
・冷戦後の世界において国々の違いは文化の違いであり、国々を文化的に最も大きく類別するものが文明である。
・世界政治の構造は一極・多極(uni-multipolar)世界
・文明を定義する要素のなかでもっとも重要なのは宗教である。
・イスラム世界による挑戦は人口爆発に根ざしている。
・唯一の例外であるイランを除いて、現在、すべてのイスラム国家がよりイスラム的になり、イスラム教徒の衣服、イスラム的な振る舞い、戒律はイスラム的な色彩を強めている。
・イスラム教徒が暴力に頼りがちな原因の一つは、イスラムにはリーダーシップを行使する中核国家が存在しないことにある。
・第二の原因は出生率の高さ。15〜24歳の若者が人口の20%以上を占めると社会は不安定になり暴力や紛争がエスカレートする
・文化と文明の違いは人々を分裂させ、文化的な類似性は人々をつないで信頼と協力をうながす
・ユーゴスラビアでの戦争における他国の支援は文化的な親近感のため
【日本】
・文化と文明の観点からすると日本は孤立した国家
日本文明が日本という国と一致している
・近代化に成功した非西欧の国でありながら西欧化しなかった(アメリカとの違い)
・近代化が革命的な大激動を経験せずに成し遂げられた
危機に見舞われた場合、日本に文化的なアイデンティティを感じるという理由で他の国が支援することを期待できない
・日本、ロシア、インドの位置が重要
・日本は一貫してバンドワゴニング(追随)の戦略をとって大国と同盟を結んできた
・自らのアイデンティティを決定するためにも政治を利用する。人は自分が誰と異なっているかを知って初めて、またしばしば自分が誰と敵対しているかを知って初めて、自分が何者であるかを知る。
・最も危険な文化の衝突は、文明と文明の断層線にそって起こる。
・文明によって政治や経済の発展に大きく差が出る理由の根底には、明らかに文化の違いがある。
・文明と文化は、いずれも人々の生活様式全般をいい、文明は文化を拡大したものである。いずれも「価値観、規範、社会制度、ある社会で何世代にもわたって最も重要視されてきた思考様式」を含む。文明とはある空間、ある文化の領域
・文明は包括的
・文明の輪郭を定めるのは客観的な要素と人々の主観的な自己認識の両方
・文明の衝突とはグローバルな広がりをもった種族間の紛争である。
通常は冷淡で、多くの場合、敵対的である
・断層線の紛争はイスラム教徒と非イスラム教徒のあいだに起こることが特に多い
・文明間の最初の紛争は1979〜89年のアフガン戦争(ソ連対アフガニスタン)
イスラムはイスラム世界の勝利だと考えた
・宗教がわずかな相違などではく人間と人間のあいだに介在する最も深刻な相違
・暴力的な戦争は異なる神を信ずることが原因
・国際的なネットワークのため国家間の援助が容易になり戦争が長期化した
・文化は相対的であり、道徳は絶対
【文化の共存】
・文化の共存に必須なのはほとんどの文明に共通な部分を追求すること
普遍主義を放棄して多様性を受け入れ、共通性を追及すること
アメリカの多文化社会論はアメリカの社会を分裂と混乱に向かわせ、アイデンティティの一大喪失を招くことが洞察力のある人なら誰にも明らか
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「文明の衝突」の要約版というよりは、説明版、解説書的な感じ。
補足、修正、反論に対する再反論の入った版。
補足解説、柔らかな修正(理論補強)が入っているため、
「文明の衝突」よりすっきり読みやすい。
ただ、要約版というわけではないから、
やっぱり「文明の衝突」を読んでから読むほうがいいと思う。
2009年2月読了。 -
すみません。コメントはこれから書きます。
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現代の世界の構図を、「国の"力"関係」「文明」という切り口から語ったもの。
第1章、第2章は読みやすく、わかりやすい。
著者の主張を単純明快にし、読者のためにまとめたところである。
第3章はゆっくり読んで内容を理解したいところ。
米同時多発テロ以前に書かれたものだが、その先見の明というのは
鋭いものがあるだろう。
感想としては、下記のことを強く思った。
「わかりやすく、読みやすくしようとしている。
ただ、わかりやすいこと著者の分析が正しく伝わることの
妨げになることもある。」
わかりやすい、読みやすいというのは新書のいいところである。
しかし、一般読者向けに書かれており、わかりやすくしようとしているがゆえに
分析の緻密なプロセスや主張の厳密性が欠けてしまうこともある。
とっかかりとして読み、興味があればより専門的な本へも手を出してみたらどうだろうか。
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この本は批判される部分がたくさんある。
それでも文明の衝突という概念は、今後の国際政治において重要だと思う。 -
何で日本はこんなにも裕福になれたのだろうか
大した資源もないちっぽけな島国なのに、資源も人も
たくさん持っている大国と同等ぐらいのポジションで
渡り歩いている。
日本は自らの能力で発展したのではなくて、中国を
警戒するアメリカによって発展させられたというのは
恐らく事実。朝鮮戦争による戦争特需によって日本が
ぼろ儲けして高度成長したというのも恐らく事実
アメリカとかロシアとかと国土のサイズで比べて
みよう。日本はとってもちっぽけだ。にも関わらず
確固とした独自の文明、文化を持っている。
この有袋類並の特異さは一体なんなのだろうか
識字率がほぼ100%で犯罪率が世界一低い日本の異様な
姿がとても不思議で興味が沸くのだ。
日本って案外姑息でしたたかなのかもしれない。 -
ハンチントン!
新書にするには内容薄すぎじゃないかなぁ。同じことの繰り返し。
けどハンチントンの文明論はいま読んでもやっぱり新しい。 -
前著『文明の衝突』から、日本に関する部分を含む抜粋と、アメリカに関する新しい論文を加えた本。
とりあえず日本のことを知りたいのなら、こちらの方が量的に少ないので早い。 -
ちょっと前に話題になった本。<br>
卒論発表後のパーティでF教授が薦めていた本なのでつい読んでみた。<br>
文明間の争いは絶えることなく続いていくのでしょうか。<br>
宗教とは他者を排除し、攻撃するためのモチベーションとなるものなのか?と読んでいて強く違和感を覚えた。<br>
まぁ私が無宗教だからでこその意見ですが。