古本買い 十八番勝負 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087202953

感想・レビュー・書評

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  • 古本屋が大好きです。古本屋に入ったときの独特の匂いと温度を感じるとワクワクし、定価よりかなり安いという理由だけで何冊も買ってしまい積読本が増殖してゆきます。
    そんな自分にとって、この本は何回でも読み直せる本。聖書みたいなもんです。

    本書は旅好きエッセイストの嵐山光三郎さんの「古本買い散歩」の本。本書の面白いところは単なる古本買いにとどまらず、「勝負」にしてしまうこと。
    「ひとりでトコトコ買いに行くのもシブいけれど、この1冊は私が古書通の友人と買いあさった古本散歩の記録で、名著発掘18番勝負である」
    5人の仲間が都内の古本屋街に集まり古本買いをして「さて、だれが一番の掘り出し物を見つけたか」と合評会で自慢しあうという「勝負」が描かれています。5人というのは筆者、出版者の経営者、「鳩よ!」の元編集長、「小説すばる」の副編集長、筆者の元助手の小説家(石田千さん)の面々。舞台は神保町、荻窪、青山、上野、浅草、高田馬場、国立などなど。獲物は高価な稀覯本の類ではなく、珍書、奇書、面白雑誌、発禁本、料理本、カストリ雑誌のような、ちょっと変わった本。
    例えば
    「やくざの世界・日本社會の内幕」(昭和23年・定価90円)を1,800円で。
    「推理小説の誤訳」(昭和58年・定価1,900円)を700円で。
    「江戸入浴百姿」(平成4年・定価3,090円)を2,200円で。
    「現代都会語事典」(昭和62年・定価1,300円)を1,000円で。
    「ターザン物語」(昭和31年・定価200円)を1,000円で。
    冒頭に筆者の「古本買いのたのしみ」が箇条書きにされていますが、それも楽しいです。古本買いをすると「重い本を持ち歩くので、体力がつく」というのは少々苦しいと思いますが。

    本書が発行されたのは2005年でインドネシアの紀伊國屋で買いました。駐在中は字を読むのではなく、活字を眺めるように見て古本屋への想いを募らせていました。帰国して地下鉄鶴舞線原駅周辺の古本屋が全て閉店になっていたの悲しいです。それでも、これほど古本屋の店舗が多い国は日本しかありません。日本人はつくづく本が好きな民族だと思います。古本屋が続くよう、週末に鶴舞の古本屋街をさまよう予定です。

  • 古本買い十八番勝負

  • こういう企画は意外と面白い。てんでバラバラな趣向に出会えるのがよい。

  • 東京のそこここで古本を買いまくります。
    あぁ古本者に幸あれ。

  • 2012/2/25購入
    2012/3/4読了

  • [ 内容 ]
    町を歩く醍醐味というのは、古寺巡礼、百名山行、名湯巡りなどとは趣を異にするものです。
    「出かける!」という気負いもなしに、見なれた町、かつてはよく行った町へ出かけましょう。
    意外な発見があるのです。
    そんなアクセントのひとつに、古書店もあります。
    若い頃に読んだ本との再会、読まずにいた本との出会い。
    この本は、散歩の達人・嵐山光三郎さんと一緒に歩く「知」の探検遊びであり、なつかしい紙魚の匂いの中に「もうひとつの自分」を嗅ぎとるための大人の武者修行の書です。

    [ 目次 ]
    一番勝負・銀座
    二番勝負・青山
    三番勝負・渋谷
    四番勝負・西神田
    五番勝負・水道橋白山通り沿い
    六番勝負・神保町交差点付近
    七番勝負・神保町靖国通り沿い
    八番勝負・駿河台下
    九番勝負・神保町ニューウェーブ古書店
    十番勝負・上野、浅草
    十一番勝負・高田馬場
    十二番勝負・早稲田
    十三番勝負・高円寺
    十四番勝負・荻窪
    十五番勝負・西荻窪
    十六番勝負・吉祥寺
    十七番勝負・国立
    十八番勝負・古書市

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 09049

  • 高円寺、荻窪、西荻といった馴染みの古本屋も紹介されている。
    古本屋ツアーって面白そうだね。

  • 古本は出会いである。人との出会いも一期一会であるのと同じで、古本との出会いも一期一会。翌日再び出掛けても出会えない。年季の入った編集者や作家が古本店を巡りながら勝負をかける。都内で押さえるべき古書店案内としても使える新書です。

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著者プロフィール

嵐山光三郎(あらしやま・こうざぶろう):1942年、静岡県生まれ。『素人庖丁記』により講談社エッセイ賞受賞。『芭蕉の誘惑』によりJTB紀行文学大賞受賞。長年の薀蓄の末に到達した芭蕉像を描いた『悪党芭蕉』で、泉鏡花文学賞、読売文学賞をダブル受賞。他に『文人悪食』『追悼の達人』『「下り坂」繁盛記』『不良定年』『ごはん通』『「世間」心得帖』『年をとったら驚いた!』『枯れてたまるか !』『超訳 芭蕉百句』など著書多数。

「2024年 『老人は荒野をめざす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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