- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087208030
感想・レビュー・書評
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古典などの紹介がたくさんあったのは嬉しいけれど,それらと冒頭で並べた犯罪との結びつきがよくわからなかったような…。単なる古典の書評だけにとどめたほうが良かったような気がしますが,私が理解しきれていないだけかもしれません。
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久米書店
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書評として面白い。分かりやすく書かれている
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悪は拠り所ない空虚な心に宿る、という指摘は
新しい考え方だったが得心した。
悪事を働いて世間に迷惑を掛ける行為は、
自分の存在を知らしめたい→社会と繋がりたい
という気持ちが、負の方向へ発露してしまったもので、
結局はコミュニケーションを欲している。
陳腐な言葉だが、人間は他人との関わりなしには生きられない
というのは不変の真理だと改めて思った。 -
いままで読んだ姜さんの本の中で
一番よかったと思う本です。
どれも面白いと思うことが多いのですが、今回の本は
とてもいいと思いますし、大げさにいうと感動します。
悪とは何か?悪はどのように生まれるのか。
最後の「第4章 愛は悪の前に無力か」とエピローグは
その中でも秀逸。内容は書きませんが、一文一文が
とても感慨深く、美しい言葉であり、感動で震える
感覚があり、とてもいいと思います。
また『ヨブ記』やドフトエフスキー『悪霊』
『カラマーゾフの兄弟』は読んでみたいと思いました。 -
読みやすかった。
なぜ悪が魅力的に思えてしまうことがあるのか。
なるほど、と思えました。
ゴールディングの「蠅の王」など、読んだことがない本の説明も多く、教養となる一冊でした。 -
悪とは何かに対する一つの答えであるが、あくまで筆者の考える悪の形であるから、これが正解というものでは無い。だがカラマーゾフの兄弟や過去に発生した悪魔的とも思える殺人事件などを例に挙げ、悪の形を明らかにしている。
「魔が刺した」とか、「他人の不幸は蜜の味」など我々の周りには小さな悪もたくさん潜んでいる。確かにニュースから流れてくる戦争やテロ、犯罪の報道を見ていると時に目を覆いたく、耳を疑いたくなるような凄惨な出来事が世界中で起きている。それを見た大半の人は、許せない気持ちや、被害者への「可哀想」という感情を抱くだろう。だが一方で身近な悪を成敗するような正義ぶったユーチューバーの動画を見てきっと恐らく「ザマアミロ」という感情も抱いた事はないだろうか。そこには筆者が言うように、同じ感情を抱く者同士の共感性があり、言ってみれば悪の感情によって繋がれた社会が存在する。
普段真面目で清廉に見える人が、スーパーマーケットで万引きする事がある。本人は魔が刺したとか、スリルを味わいたかったと言う事であろうが、側から見ると理解し難いことの一つだ。良い人間であろうとする反動が表に出る事を完全には防ぎ切れないと言う事なのだろうか。私なんかも、勿論他人に対して、怒りや嫉妬の感情を持つし、場合によっては嘘だってつくこともある。そんな風に普段の生活の中で小さな悪を小出しにしているからか、幸いにも万引きや痴漢などに手を染める事はないし、殺人などもやろうとは思わない。
悪が何故生まれ、悪に染まる人が現れてしまうのは何故か。そもそも悪とは一体何か。難題ではあるが自分なりの悪に対する考えを持つきっかけにする様な内容である。 -
川崎市中1男子生徒殺害事件、群馬大病院事件、名古屋大女子学生の殺人・傷害・放火事件…。現代人を苦しめる「悪」はどこから生まれるのか。それとどう向き合えばいいのか。「悩む力」の著者が、人類普遍の難問に挑む。【「TRC MARC」の商品解説】
関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40232047 -
「憎悪」のエネルギーは、他人と、社会と繋がりたいという切な願いがかなえられずに生じるものである。だから、少し力を抜いて、半分だけ怒りというものを肯定してみよう。
様々な文学作品を例に取りながら説く、怒りのについて、怒りとの付き合い方について。 -
川崎市の中学生の事件や名古屋大学の女子学生の事件などの若年者の惨虐な事件を起点に悪に対する向き合い方を教えてくれていると感じた。