梟の一族 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087443523

感想・レビュー・書評

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  • 単行本の時に見落としていた。私好みの伝奇小説。子供の頃に読んだ、半村良の産霊山秘録、平家伝説や恩田陸の常野物語が好きな人なら間違いなく楽しめると思う。
    これは、滋賀のとある山里の人々がキーとなる話だが、ちゃんと現代の話になっています。

    文庫の、解説はネタバレに近いあらすじが書かれているので注意して。この解説は、オビや裏表紙を見て買う人にはそもそも不要だと思うけど。

  • 1日6時間眠るとしたら、
    一週間で42時間、一ヶ月で180時間、
    一年では2190時間にもなる。
    24時間で割ると実に91日分の計算だ。
    起きてる時間18時間で計算すると122日分。
    人生にすると・・・
    なぜそんな計算をするかというと、
    この物語の主人公は眠らないのだ。

    特異体質といえばそうなのだけど、
    眠らないのは主人公一人だけではない。
    一族もろとも里に住む者全員、眠らないのだ。
    そうした力を活かし時の権力書に仕え、
    歴史を裏から支え、時代を動かす存在。
    だから梟の一族と呼ばれる。
    そうした者が現代も生き残るとしたら。
    果たして眠らない体質は何をもたらし、
    何を可能にするか。

    インターネットが発達し、どんな個人的なことも、
    あらゆるものが白日に晒されてしまう時代。
    そうした一族が秘密を守り抜き、
    自分たちの力を発揮して
    生き延びる策はあるだろうか。
    逆に言えば、秘密を守りたいと思うだろうか。
    秘密を持ちながら力を発揮できるだろうか。
    窮屈な中でも生き延びたいと思うだろうか。

    この世界のどこか、
    こうした物語が本当に起こっているといい。

  • 「梟」とよばれる忍者の末裔。梟が住む集落が何者かに襲撃され住民が行方不明になる。誰に何のために襲撃したのか…。唯一残った高校生の史奈が行方不明の住民を探す話。

    帯にミステリー×化学と書いていたが、化学はあまり?出てこず。設定が面白くて、楽しく読めた。
    続編も読みたい。

  • 23/12/13〜12/20

    梟の力を個性として認めてほしい
    特別視しないでほしいと願う史奈

    成長、アクション、サイエンス、忍者、いろいろな要素がバランスよくあって楽しめた

    続きももちろん読む

  • 久しぶりに楽しい読書時間でした。

  • 読ませるけどエンタメ性が今ひとつかな。

  • 時代物のようなタイトルだが、表紙絵の少女の横顔に惹かれて読んでみた。高い身体能力と、眠らないという特性を持つ〈梟〉の一族。その一族が襲われるところから物語は始まる。主人公の榊史奈は表紙絵の少女なのだろう。そう思って読み進めるとイメージが湧く。歴史を動かしていたのは〈梟〉たちだったのかもしれない。面白く読めた。

  • 女性作家が書いた若い女性が主人公の本ということで、私の趣味に合うと思って購入。表紙のイラストに惹かれる。

    一族を守るためにどうすべきか、伝統と現代化の狭間を感じた。

    一族の性質からアクションメインかと思いきや、研究によるサイエンス的分野が大きかった。

  • 内省的な読書体験が続いていたせいか、本作のエンタメ感にはシンプルに気持ちが高ぶった。自制的で落ち着いているけど等身大の女の子がなにやら”普通”ではなさそうだ、と思わされる幕開けはたまらなかったし、ホテルでの軽やかな脱出には声が出そうになるほどワクワクした。男子なら一回はこんな妄想してるんじゃない?
    ただ残念なことにそこが興奮のピークとなってしまった。もっととんでもないアクション活劇が繰り広げられるかと思っていたけど、物語は梟の一族としてのアイデンティティに重点がおかれていくことに。それも決してつまらない訳ではないんだけど、もっと爽快な超人ぶりを期待してしまっただけにミスマッチで消化不良になってしまった印象。。
    あと恋愛要素は必要だったのかな?里の外の世界で生きていく、という側面を描いているのだとは思うけど、取ってつけた感は拭えなかった。

  • もう少し闘う"梟"が見たかった。

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著者プロフィール

福田和代一九六七年、兵庫県生まれ。金融機関のシステムエンジニアとしての勤務を経て、二〇〇七年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。主な著作に『TOKYO BLACKOUT』『ハイ・アラート』『怪物』『迎撃せよ』『潜航せよ』『生還せよ』『繭の季節が始まる』『梟の一族』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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