漂砂のうたう (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087451306

感想・レビュー・書評

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  • ………霧が晴れるまでが、長い!!
    小野菊のくだりは何となく察しがついてたから、そこに至るまでの定九郎のもやもやグズグズが長いこと、長いこと!
    最後に収束するにしては、それまでの鬱屈とした流れが……これでもか、これでもか、で、正直自分の中では綺麗に瓦解しなかった。はっきりしないことも多かったし。しんどかったー。

  • 明治維新後、根津の遊郭で働く元武家という身分を隠して働く定九郎。
    時代に取り残され仕事に身を入れずただ流される日々を過ごすなかで定九郎は何を見出すのか・・・

    前半は読み進まないが後半は一気によめる。

  • 第144回直木賞受賞作

  • ここ最近、読む本にハズレがなく充実した読書ライフを過ごしてます。

    面白かった。
    それほどページ数が多くもないのに、ボリュームがありました。
    いろいろな謎がラストで解決し、すっきりした読後感です。
    遊女達の暮らしも、暗い描き方ではありませんでした。

    題名の意味と、内容との関係が最後までよく分かりませんでした…。

  • 150712

  • 中盤までは主人公に肩入れできず、読み進めるのが辛かった。新時代を受け入れる事も出来ず、かと言って逆行して新政府と戦う勇気もなく、今いる場所で努力することもせず、常に自分の居場所はここじゃないと逃げることを考えている主人公。でも結局今まで生きていた自分の証みたいなのは癖となって消そうと思っても消えないんだね。それが分かった時の感じは哀しいような…何とも言えない。
    文章はきれいで好きなんだけど、キャラクターが好きになれなくて残念でした。

  • 木内昇さんの作品では、最初に読んだ『茗荷谷の猫』が結構良かったので買ってみた。重苦しい展開で、途中読むのがつらくなることがあったが、次にどうなるかが気になって、どうにか最後まで読み通せた。

    いろいろとクセのある登場人物が多く、けっして心安らぐストーリーとは言い難かった。しかし、最後まで読んでみると、この作品を通して作者が伝えたかったことがよくわかったし、さまざまな登場人物の役割もそのためにあったのだと納得できた。

    物語終盤の大団円が、それまでの読みづらさを打ち消して、爽やかな気持ちに持って行ってくれたのが救いだった。

  • 時代が移り変わっていく事に、上手く対応できずに葛藤する人々の物語。全体的に鬱屈とした感情があって、暗い内容。からりと強く前に進んでいけない所が男性ならではという感じ。

  • 「櫛挽道守」がとても良かったので、さかのぼってこれを。作品としては「櫛挽道守」のほうが格段に優れていると思うが、これを読んで、作者の指向がよくわかったような気がする。

    幕末から明治にかけての時代を背景としながら、作者が目を向け描き出すのは、新撰組でも彰義隊でも「坂の上の雲」的人々でもなく、宿場町で櫛を作る親子だったり、遊郭の立番をする青年だったりする。顧みられることなく、時代の流れに翻弄されて消えていく砂粒のような存在。いたって地味な、そういう人々の生に思いを寄せていこうとするのが、作者の基本姿勢なのだろう。小説として形にしていくのはたいそう難しいと思われるし、「華」がないのでバーンと売れたりしないのではないか、などとつい心配してしまう。熱心な木内ファンってこういう気持ちなのかなあ。

    噺家圓朝の存在感が面白い。松井今朝子さんの「円朝の女」を思い出した。それから、これって案外映画向きじゃないだろうか。ヒットはしなさそうだけど(ダメじゃん)、渋いと思うけどなあ。万が一映像化されるなら、定九郎には亀梨和也君希望。「ジョーカーゲーム」より絶対こっちが似合ってると思う。

  • これが直木賞受賞…ふぅん…?
    主人公定九郎の心そのままに?もやもやとした物語、読後感でした。
    『櫛挽道守』を読んでから、次にこれを読んだので、そう感じたのかも。

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著者プロフィール

1967年生まれ。出版社勤務を経て、2004年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。08年『茗荷谷の猫』が話題となり、09年回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞、11年『漂砂のうたう』で直木賞、14年『櫛挽道守』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞を受賞。他の小説作品に『浮世女房洒落日記』『笑い三年、泣き三月。』『ある男』『よこまち余話』、エッセイに『みちくさ道中』などがある。

「2019年 『光炎の人 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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