小説フランス革命 4 聖者の戦い (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087467710

感想・レビュー・書評

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  • なんとなく見えてきた感じがしてよい。

    タレイランが出てきて、俄然物語が立体的になったようだ。
    というのは、たぶん他人から見えるその人の姿と、その人の独白からうかがえるその人の姿のギャップが、とっても鮮明に感じられるからだろう。

    人は誰でも、自分はこうだと思っているのと、他人から見えるものとは異なっているし、周囲の人から立派だと思われていたって、内面は立派どころじゃないってことだってある。そしてその差を、自分なりに納得している人もいれば、自分に対してでさえ恥じて隠そうとしたりしている人もいる。

    もしかすると、人間のたたずまいというようなものは、実はそういうところで決まってくるような気がするのだけれど、そんなことを切実に感じさせてくれるストーリィである。

    おもしろかった。

  • フランス革命なんて、もう200年以上も前のことなのに、小説の形で読んでみるとすごい臨場感がある。社会状況が今の日本、世界と驚くほど似ていて、社会を動かす人間も、何も変わらないからかな。
    昨年のアラブの春を皮切りに、世界各地で既存権力や「持てる者」への民衆の反発が強まってる。大きな波は、これから世界をどう変えていくのか?という観点から読んでも、示唆に富んでると思う。やっぱり歴史から学ぶことは多いよな、まだまだ勉強することいっぱいあるな、と、痛感。
    にしても、この本の日本語は流れが変に感じる所が目立つんだけど、わたしが勉強不足だからなのかなあ…?

  • 政治の舞台がヴェルサイユからパリに移り、
    国王、特権を持っている聖職者、特権を獲得した資産家、革命を一般民衆のものとしたい人々とが議会の内外で議論を戦わせる。
    革命の進行が丁寧に描かれ、当時のフランス・パリがどの様状況であったかがよく分かるが、その分進行は遅く、重たい。
    とにかく、早く先を読みたい。

  • 革命というのはこういうものかというのがよく分かる。
    何もない所に何かを作るということが如何に大変か分かる。
    指導者たちの一人一人のあり方が全く違ったものに歴史を変えていくのかと。
    明治維新をああいう形にしたのは、幕末の志士たちのそれぞれの人物たちの総和が導いたものであり、フランス革命もしかりである。

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著者プロフィール

佐藤賢一
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年「ジャガーになった男」で第6回小説すばる新人賞を受賞。98年東北大学大学院文学研究科を満期単位取得し、作家業に専念。99年『王妃の離婚』(集英社)で第121回直木賞を、14年『小説フランス革命』(集英社/全12巻)で第68回毎日出版文化賞特別賞を、2020年『ナポレオン』(集英社/全3巻)で第24回司馬遼太郎賞を受賞。他の著書に『カエサルを撃て』『剣闘士スパルタクス』『ハンニバル戦争』のローマ三部作、モハメド・アリの生涯を描いた『ファイト』(以上、中央公論新社)、『傭兵ピエール』『カルチェ・ラタン』(集英社)、『二人のガスコン』『ジャンヌ・ダルクまたはロメ』『黒王妃』(講談社)、『黒い悪魔』『褐色の文豪』『象牙色の賢者』『ラ・ミッション』(文藝春秋)、『カポネ』『ペリー』(角川書店)、『女信長』(新潮社)、『かの名はポンパドール』(世界文化社)などがある。

「2023年 『チャンバラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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