つるかめ助産院 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468465

感想・レビュー・書評

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  • 2012.07.03読了。

    二ヶ月ぶりの読書は好きな作家、小川糸さんのこれ。

    食堂カタツムリや喋々喃々で、食べること、料理をすることの大切さ、楽しさに共感してすっかり気に入ってしまったのだけど、今回は食に加えて命の話。

    食に関してはどの作品を読んでも美味しそうな料理がたくさんなので、今回もおなかすかせながら読んでました(笑)

    そして命の話。
    タイトルが助産院なだけあって、妊娠、出産のシーンが多いんだけど、主人公をはじめ登場人物それぞれの抱える心の闇を通して、私自身も再生していくような...読み終わった後とっても温かく、清々しい気持ちになれる本。
    女性として、妊婦を楽しみたくなる、早く体験してみたくなる本。

    登場人物もみんなそれぞれナチュラルで魅力的で...♡
    特に長老が大好き。

    それに加えて、料理、老人、自然、ツリーハウス、島、海、私の好きなものがたくさん詰まっててまさにドストライクな本でした。

  • 主人公は、自分の生い立ちから始まり、結婚、妊娠とさまざまな経験をします。夫は、妊娠を知らずに失踪してしまう。
    妊娠中は、ただでさえ気持ちがブルーになりがちな時なのに、夫不在だなんて…ストーリーを読んでいて、自分自身の妊娠中の感情コントロールが出来なくて辛かった経験を思い出しました。
    つるかめ助産院には、さまざまなな悩みを抱えた女性が登場しますが、不幸もあれば幸せいっぱいもあります。それだけ出産は命掛けだと伝える内容なのではないでしょうか。
    最後の終わり方というか、締めくくりが早々と終わったのが心残り。
    事終えての数年後の主人公が物語ってくれたら面白かったかもしれません。

  • 先日小川糸さんの作品を初めて読み、その柔らかな空気感と情景が目前に広がる描写に魅了され、また私が現在妊婦だということもありこの本を手に取りました。
    私自身、初産で不安いっぱいである今、出産シーンのリアルな描写にドキドキさせられました。
    主人公と同じく今の私は、正直自分のことでいっぱいいっぱい。
    この助産院の人たちが笑顔の裏に辛い過去を抱えていて、それを受け止め、乗り越えたからこそ、人のために全力を尽くす様子が、人間としての大きさを感じ、自分もそうなりたいと感じました。

  • とても素敵なお話で、何度もウルッとしました。
    わたしもこの島に行って島独特のお料理を食べてみたくなりました。小野寺くんに何があったのか気になりますが、いきなり目の前からいなくなったのは許せない。
    でも、マリアなら例えシングルマザーになってもきっとうまくやっていける。

  • もちろん、それだけじゃないけれど、女性とか母親の強さを思い知らされる。

  • まず言いたい。小野寺くんは最低です。いい感じに終わったけど、主人公は許したようだが、私は小野寺くんを許さない。

  • あまり主人公に共感が持てないまま話が進んでいった。周りの人達に関わる事で不安や悲しみが落ち着いてきて人の弱さに寄り添い、相手の優しさに気づいていく。けれども始めは自分に優しさを向けてくれる人に随分とひどい言葉を投げ掛けるのだなと。最後はちょと無理のある設定で幸せになれ、彼女も成長してと話はまとめられているのだけれども。
    ちょとスッキリはしないかな。

  • この本を読み進めていくごとに母親への感謝が増していくような気がする。彼女も私をお腹の中で育ててくれた。苦しい思いも幸せな思いも私と一緒に感じていた。なんだか自分のおへそがとても愛らしい。私もいつか子供を授かりたい。苦しい思いも幸せな思いも一緒に味わいたい。

    p.107「本当はね、みんな、生まれる時に神様からなんらかの才能をもらっているの。だから、努力すれば全員が天才になれるはずなのよ」

  • つるかめ助産院というめでたいイメージ
    そこは日本の南国のゆったりとした時間が流れている。
    癒されない悲しみを持つ まりあが、様々な過去をもつ人々に癒されしだいに自らの生に向き合うことができた。あゝ私もこの島に行きたいと思う。

  • 海辺やパオでの出産シーンはとても神秘的でした。
    その出産に向き合う先生やパクチー嬢が愛に溢れていて素晴らしかった!
    同時に、お産を経験した事のない私にとってはこんなに大変なのか!と怖くもなってしまいました…。

    先生が言っていた「神様にとって生まれることも死ぬこともそんなに変わらない。」
    この言葉が心に残りました。
    死ぬ事も命が誕生する事も、本当に不思議で未知で、夜眠れなくなるくらい考えでしまうのですが。
    お母さんになる経験で死ぬ事の恐怖が少しなくなるのかなと感じました。妊娠も奇跡で運命的なものだから。

    ラストは急な展開!と驚きましたが、出産を題材にした本が初めてだったので面白かったです。

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著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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