- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087468465
感想・レビュー・書評
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どんな人でも、母親から生まれてくる。へその緒が母と子を繋げてくれている。つるかめ助産院での出来事全てが、人間くさいけど神秘的に描かれていた。
自身の子をお産するときのことを思い出し、また先生と一緒に頑張れ!!と先輩のような気分にもなった。喜怒哀楽、全てがぎっしり詰まった一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
奥さんが前に読んでいた本。
NHKのドラマにもなったし、読んでみたらと言うので、読んでみた。
ドラマチックな展開はまったくないけど、心がポックリ温まるいいお話だった。
題名の通り、南の小さな島にある助産院のお話。
そこに人付き合いが苦手な若い女の子が住み着いてお手伝いしながらお産をする。
だんだんと心が開いて行く過程や、南の島の綺麗な自然がとても良い。
南の島でゆっくりしたい気分になった。 -
小川糸さんは、「ライオンのおやつ」「ツバキ文具店」「キラキラ共和国」「食堂かたつむりを読み、今回読むのは5作目です。
特に「ライオンのおやつ」とかなり近いものを感じました。「ライオンのおやつ」は死をテーマにしたものに対し、本作は出産をテーマにした作品です。正反対と思われるようなものを小川糸さんは同じ温度で書かれているのがとても印象的でした。この世界に生まれ、生き、死んでいくこと、その全てが美しいことであると教えてくれたように感じます。
小川糸さんの作品のように、人々が、同じ世界で生きる仲間として、支え合いながら生きていく、そんな優しさで溢れた世の中になってほしいなと思います。 -
読む本が途切れていたので図書館でふらっと借り。小川糸さんの島や田舎の表現が旅行感覚になれてお気に入り。文庫末の宮沢りえさんとの対談でも同じように子育て中にぱっと旅行に行けず、読書で「チケットのいらない旅みたい」って表現されていたことに共感
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夫が突然いなくなった傷心のまりあは1人で訪れた南の島で助産院長の亀子に出会い、予想外の妊娠を告げられる。
島の人と触れ合い、島でお産を決意し赤ちゃんと共に成長していく姿はとても頼もしく勇気をもらえた。 -
とても優しい気持ちになれる一冊。
登場人物がみんな温かい。舞台となっている南の島がそうさせているのか。
人間、どんな境遇であっても、生かされていることに感謝の思いを持つことができれば強くなれる。そして、その思いは「いてくれてありがとう」と言ってくれる人の存在が不可欠だ。 -
ライオンのおやつでファンになった小川糸さんの二冊目。人間模様が温かくていい。悩みや抱えているものは親近感がわくのに、なぜか悲愴感を抱かない。ほっこりできる不思議な世界観。また別の作品も読みたい。
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自分はどうして、と自分ばかりに矢印が向いて孤独を感じてしまうけど、誰しも何かしら抱えて生きてるんだよね。ひとはもともと孤独だからこそ、他人と交わり助け合うことで生きていけるってことに気付かせてもらえた。
自分が見えている世界は狭くて偏った考えになることも多いけど、他人との交わりで全く新たな見方ができるようになれたらいいな。
伝えないと伝わらないし、自分から手を差し伸べることでわだかまりが解けていくかもしれないよね。
小川糸さんの作品は心理的描写がとても繊細で優しくて心地よくて好き。
また出てくる料理が美味しそうでほっこりするなぁ♪