「カルピス」の忘れられないいい話 感動の公募エッセイ集 (集英社文庫)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472110

作品紹介・あらすじ

泣きながら帰った私に、母が差し出してくれたカルピス…。そんな記憶が、あなたにもありませんか?戦地で瀕死の兵隊を救った一杯。阪神大震災で赤ちゃんに差し出された一杯。アルツハイマーの母が昔と変わらず大好きな一杯。兄弟で分け合った大切な一杯。審査員絶賛、7歳から87歳まで、広い年齢から寄せられた公募エッセイ。人生の折々に心をうるおしてくれた、カルピスの思い出、感動の72篇。

感想・レビュー・書評

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  • これはよかった~~~。

    カルピス株式会社が創立80年を記念して、カルピスにまつわる自分たちの思い出や体験を公募して、集まった何千ものの中から選ばれた72編の話が載ってる本です。

    これ、古本市で、題名に惹かれてつい手に取って読んだけど、やっぱり正解だった。
    もう最初の数編を読んで泣きそうになっちゃったもん。

    今でこそ、カルピスはアメリカでも何処でも手に入る美味しい乳酸飲料だけど、
    私の小さい頃は、お中元のときにしかお目にかかれない物だったの。
    カルピスを思い出すと自然と昔の木造の古いお家を思いだすな~。
    まだまだ三茶は開けていなくて『下町』って感じの町だった頃。
    もちろん、夏なんか冷房なしの生活でも全然苦じゃなかったの。
    蚊取り線香と毎日のプール、そしてたくさんの宿題。
    毎日が忙しかった夏休み。
    でも、中元にもらうカルピスがとーっても楽しみでねぇ。
    いつも3本入りのをもらってた気がする。
    2本は白いので後の1本はオレンジ。
    私は、いつも新フレーバーが出てもいつも白が好きだった。
    今の変わらず白が好き。

    そんなカルピスとのあわーい思い出があるけど、
    人の数だけいろんなカルピスの話があるんだね~。
    自分だけが感じてた思いが、実はみんな一緒で、
    でもカルピスの瓶の数だけ違う話がある。
    なんかとっても言い話を読んだ。
    死の渕から救ってくれるカルピス、家族の愛情を強くしてくれるカルピス、良縁のカルピス、幼い頃を思い出させてくれるカルピス。
    たかがカルピス、されどカルピスなのに、私にとってだけでなく、みんなにとっても貴重なカルピスだったことが分かったことに、とっても感慨深くなってしまった。
    いつまでも、この味を大切にしたい。

    それはそうと、みんなの話しを読んでて、なんか文章の書き方がすっごい上手いな~と、そんなことも思ったよ。
    プロの小説家も顔負けの文体が何編かあったのには驚きでした。

  • 読んでみたい。

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著者プロフィール

1934年、東京生まれ。大学卒業後、松竹入社、助監督を務める。独立後、数々のTVドラマ脚本を執筆。作品に「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」他。88年、小説『異人たちとの夏』で山本周五郎賞を受賞。

「2019年 『絶望書店』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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