- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087474152
作品紹介・あらすじ
「日本」とは何か。「日本人」とはいったいどういう存在なのか-。オーストラリアを舞台に、互いの存在に決して手が届かないと知りながら手を差し伸べあう博奕打ち、ヤクザ、そしてその恋人の哀しい愛の物語。「希望」の真の意味を知る者たちが最後に辿り着いた、「無帰属の志」とは?世に溢れる日本人論の幻想を見事に打ち砕く、痛快不純文学。
感想・レビュー・書評
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ギャンブラーで、本を書くというのは、ちょっと視点が違う。
「私は駿馬ではない。資質のない駄馬である」といっているが、競走馬である。
その中で、「日本人とは何か?」と問われる。その日本人論は、痛快丸かじり。
確かに、渡部昇一は怪しい。日本人像とは、捏造されたものだ。
柳田国男あたりから、日本人というものについては、かなり怪しいのであるが。
こうやって、延々と論じるあたりのしつこさが、いいなぁ。
かじりついたら、逃がさないという感じで、きちんと日本論を敵にしている。
オーストラリア不法滞在のやっちゃんとエムのストーリーが、
ヤクザとは何か?仁義とは何か?ヤクザを愛するって、どんなことなのか?
かなり、袋小路に入っていくのである。
それにしても、いいマンションに住んでいるなぁ。
アジやタイが、マンションで、釣ることができるのは。
ギリシャ系2人組との対決。なるほど、そうやって、戦うのか?
「チャーリーディックスの法則」「穏やかたるを学べ」
が、たまらなく 素敵な心境である。
「努力するから、間違いが起こる」という言葉が、沁みた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
髙橋源一郎さんの著書に
引用されていた部分に
とても興味を惹かれたものがありました
その方が 森巣博さんでした
ギャンブルには全く興味がないので
「カシノ生活」の部分は
ほとんど斜め読みでした。
でも、各所に出てくる寄り道部分が
とても面白く、
特に「日本人が好む日本人論」を
バッタバッタと滅多切りにされておられる
ところは 実に爽快でした。
その部分だけでも
この本は読む価値あり!
です -
独特のリズムを持った本、箴言の宝庫。
次回、平塚、頑張る!!! -
社会
思索 -
カジノに行くときには森巣さんの本を持参しよう(笑
某webでは常識ですね(笑
森巣さんのいうところのゲーム性というのは重要な要素である。
ゲーム性:
経験の蓄積と、そこから抽出された熟達がゲームの勝敗に果たす要素を、森巣さんはゲーム性と呼んでいる。
つまり、将棋、囲碁、チェスなどはゲーム性が高い。
ルーレット、大小、casinowarなどはゲーム性が低い。
そしてカジノはゲーム性の低いものを採用するのである。
当然です、ゲーム性が高いものは採用しない、当然である、
強い奴が勝つからです。
ノウハウが必要なものではなく、運不運に左右されるものが採用されるのである。
私はゲーム性が高いもののほうが面白いと思うのだが、
カジノで流行っているのは運不運に左右されるものである。
ということで、森巣さんはパイガオ(牌九)しかやらないと書いてある。
確かに難しそうでルールもわからない、
機会があればチャレンジしてみたいものです。
脱線しました。
この本の真髄は
日本人とは何かである。
私はこの気持ちがよくわかるのである、
ちまたの噂によると、日本人は日本人論が好きであると。
これは内田さんの本などにも出てきてたかな。
あまり日本人論などは読まないのだけど
内田さんの本をよんでなるほどと思いつつ、
じゃっかんの気持ち悪さがのこる意味がここにあったのです。
あんたがたのいう日本人論の日本人に私を含めないでくれ、
そういった違和感です。
日本人とはなんでしょうか。
考えてみると答えはどこにいくのでしょうね。
私は日本人であるという意味は日本国籍を所有していること以外に
なにも存在しないのではないか。うむむ。
自分用メモ:
英語会話の秘訣は
プリーズ
ソーリー
サンキュー
バーベキューキング(シドニー) -
博打の話からそこでとりまく恋愛・・・と思いきや日本人論を問うてみたりと話の展開が深いところまで。
個人的にはギャンブルの最も核心的!示唆に富む本として、ふむふむと読んでお腹いっぱいになりました。 -
日本人は「日本人論」を好む、ということが言われている。しかし、数多い「日本人論」は「日本独自」「日本固有」ということを殊更に強調しているが、実はその根拠は非常に怪しい。本書はそうした「日本人論」の幻想を打ち砕く画期的な「読み物」である。(2010:清水均先生推薦)
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天衣無縫な文体でぐいぐい読ませる不思議な作品。タテ糸に博奕打ちの体験談、ヨコ糸に日本人論・書評が張り巡らされている。尚、森巣博の奥方はオーストラリア国立大学教授を務める人文学者で、子息は20歳にしてカリフォルニア大学の講師をしているそうだ。ただの博徒(ばくと)でないことが理解できよう。
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