ネバーランド (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087475777

感想・レビュー・書評

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  • 普通に面白かったです。

  • 居残り組のお休みに混ぜてもらって一緒に過ごしているような感覚になれる。
    光浩が作ってくれるご飯が美味しそう...!
    卒業後も彼らが仲良くしてくれていたらいいなと感じた。

    それぞれ陰を抱えてたけど、1番可哀想だと感じたのは光浩かな。しっかり者で頼りにされているから弱音が吐けなさそう。それと、打ち明けたエピソードが1番重たく救いようがなかった。

    恩田先生の本は、自分も学生の頃にこういう思い出を作れたらよかっただろうなあという気持ちにさせてくれる。

  • 名門私立高校の歴史ある寮。冬休みに居残る3人ともう1人。
    ちょっとしたミステリ要素もありつつ。
    主人公たちが男子高校生ということもあり女性の方が評価高くなるかも、というステレオタイプな感想。

  • 2023/06/16-06/21

  • 菱川美国(ひしかわよしくに)
    ど田舎の伝統ある男子校の古い寮「松籟館」に残った。二年生。妹は博多の祖母の家にいる。親は海外赴任中。陸上部。

    篠原寛司(しのはらかんじ)
    松籟館の居残り組の一人。両親が離婚調停中で、どっちに付いていくか決めろと両方から責められるのが嫌で寮に残った。一人っ子。硬式テニス部部長。

    依田光浩(よだみつひろ)
    松籟館の居残り組の一人。温和で気の回る男なのに決して女々しくない重宝な男。休みの間のみんなの食事を作ったりと、家庭的なところがある。父親は九州の大手百貨店の元社長で、光浩は妾の子。

    小百合
    美国の妹。バリバリの体育会系で硬式テニス命。全身日焼けして真っ黒け。

    瀬戸統(せとおさむ)
    美国らと同じ高校に通っている。通学組。買出し中の美国らと出会い、毎日寮に訪れるようになった。小さい頃に母親を亡くし、天文学者の父親と二人暮らし。その父親もここ数年は種子島宇宙センターに勤務しているので、自宅に一人で住んでいる。理系の成績は抜群。

    岩槻繁久(いわつきしげひさ)
    美国達と同級生で松籟館で暮らしていた。もともたとかなりの虚弱体質で不整脈があり、ペースメーカーも埋めていた。入学して半年足らずで心不全で死んでしまった。

    高木(たかぎ)
    美国より二級上。岩槻をたいへん気に入っていた。

    但馬紘子(たじまひろこ)
    美国の元彼女。K女子校に通っている。美国に突然振られた。

    庄司(しょうじ)
    美国の学年主任。

    須藤(すどう)
    寛司の担任。

    山崎(やまざき)
    統のクラスメイト。通学組の弁当組。教科書でバリケードを作って、絶対に自分の弁当を他人に見せない。

    島田(しまだ)
    弁護士。光浩の後見人。

    依田敬子(よだけいこ)
    光浩の義理の母親。光浩に肉体関係を強要していた。

  • 子どもって、「大人よりは大変じゃない」って思われてしまうけど、子どもも色々あるよなぁ。

  • すごく何かがあるわけではないけど、切ない気持ちになる。

  • 4人の秘密が重い

  • みんながみんな重い過去を背負っていて読んでいてしんどかった。でも、読んでいて寒気がする感じとかゆったりとした青春の時間を感じられるのは作者の心情表現のうまさだと思った。蜜蜂と遠雷を読んだあとにこれを読んだので、若干物足りなさを感じてしまった。

  • 社会人の1週間はあっという間だけど、この濃密な七日間を読むともっと時間を大切にしたいと思った。

  • 普通

  • 自分も寮生活してたから、人がいなくなった寮の冷たい感じとか、友達にどこまで踏み込んで良いかって恐る恐るだった時期を思い出した。
    早く卒業したいって思ってたけど、卒業すると凄い寂しい。

  • 恩田さんらしい作品だった

  • 共同生活をした7日間で4人は一回り二回りも成長したような感じがしました。読後感がとても爽やかです。

  • 序盤〜中盤にかけてわくわくしながら読み進めたが、後半若干がっかりした。
    どんでん返しが欲しかった。
    青春ヒューマンドラマとして読めばこれはこれであり。

  • とても良い学校もの

  • 心に同じ深さの傷を持った四人の高校生。
    帰省しないで寮で告白することでお互いを助け合い励まし合い支え合う。
    親の愛を知らない反抗期の高校生が友達との絆を感じながら成長する。
    気になるのが、高校生ってそんな言い方するかな?って思う箇所がいくつかある。
    かなり昔 昭和50年代以前ならそんな話し方もするのかなと考えながら、、、

  • いびつで、不完全で、スッキリはしないものの、何かの形を生み出そうと格闘しているのが伝わってきた。

    こんな寮に住みたいし、こんな個性とクールさを持ち合わせた高校生はそういない。
    それでも、寮生活を送ってきた私は存分に楽しめた。
    実態は、いろいろと大学生の生活と人間づきあいに近い気もするが、高校生という設定じゃないと届かない部分もあったと思う。


    『フェアじゃない。寛司が怒っているのはその点なのだ。彼等は一見大人の論理で寛司と対等の立場にあると見せかけているくせに、実は親の論理を寛司の暇忌に突き付け、彼に子供としての論理で大人の問題を解決することを迫っているのだ。寛司は最初からひどい劣勢に置かれている。彼はそのことに怒っているのだ。』

  • いい話〜男の友情最高だね〜ドキドキハラハラする場面もありながら青春を感じさせてくれて読後感スッキリ!よく眠れそう

  • 恩田陸さんの描く青春がやっぱりすき。人間模様が大好き。どこか陰鬱で影があってぐっと苦しくもがいてたりするんだけど、いい感じにさっぱりしてていいなぁって気持ちになる。すごく読了感がいい。微笑んでいたい気持ちにさせてくれる。恩田陸さんすき!

  • 青春といえば夏の印象ですが、この物語は冬。
    もう一度繰り返したくなるような淡い青春ではないですが、男の子たちの冬の青春を、よくよく体現しています。
    読んでいるこちらまで、冬のひやりとした空気を感じるようでした。

  • 第一日がホラーチックだったから、最後まで「まだ何かあるんじゃないか…」と思いながら読みました。(恩田陸だし…)

    みんな何かを抱えているよね、それをさらけ出せたら距離がグッと近づくよね、でも、「何でも話せよ」なんて言えないよね…そんな感じです。
    あとがきにもあるように、作者の想いがこれでもか、と込められている気がします。だから、どの子もちょっと出来すぎてる。だけど、それが読み手にしたら憧れに結び付くのだと思います(そう、少女マンガを読んでいるかのように。)。

    語り手である美国の魅力があまり語られず、なぜ寛司がそんなに好いているのか(でもこれは理屈じゃない恋愛感情かもしれない)、なぜ光浩が一目置いているのか、そのあたりがもっと知りたかったです。

    繰り返しになりますが、デビューして間もない作者だからこそ書けた、バンドマンのファーストアルバムのような、こそばゆいけれど決して嫌でない、そんな青い青い話でした。

  • まあ仲はいいけどお互いそれほど踏み込んでいない、微妙な距離感がある4人が一時的に寮で共同生活し、秘密を打ち明けることによって距離を縮めていく。
    どんでん返しや大きな感動がある訳では無いけれど、単にみんなで飲みながら話してるだけの描写に大学生ならではのエネルギーを勝手に感じた。

  • 悪くはないけど、夜のピクニックを期待すると、若干劣るかな

  • 伝統ある男子校の学生寮「松籟館(しょうらいかん)」。
    冬休みに入りほとんどの生徒が実家に帰省するなか、事情があり松籟館に居残った美国、寛司、光浩。そして通学組でありながら遊びに来た統。
    クリスマス・イヴの「告白」をきっかけに、四人の少年たちはそれぞれが抱えたトラウマと向き合うことになるのだが……

    青春小説としてオススメされていたので手に取ってみた。
    前半はホラー小説のようなシーンがちらほらあって、びくびくしながら読んだのだが、ストーリーが進むにつれて青春小説の色合いが濃くなっていく。
    毒にも薬にもならない会話こそが愛おしくて、いいなぁ男子学生としみじみ思った。
    解説にもあったけれど、彼らにとって松籟館はまぎれもなくネバーランドなのだろう。いつかそこを飛び出しても、いつまでも心の奥にひっそりと灯り続けるような。

  • 20210430読了

  • 4人の個性がバラバラで登場人物がかなり少ないのに飽きることなく楽しめた。

  • 少し闇を抱えた少年たちの青春

  • 4人の少年の日常物語。それぞれが抱える背景がヘビーで、それを乗り越えようともがく。4人の関係がリアルに描写されてて、共感する部分も多かった。

  • それぞれの未来が気になる終わり方。
    自分と重ね合わせやすくて、寮生活ではなかったのにどこか懐かしい気持ちにさせてくれた。

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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