ホテルカクタス (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.56
  • (284)
  • (302)
  • (727)
  • (60)
  • (16)
本棚登録 : 3837
感想 : 357
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087477092

作品紹介・あらすじ

街はずれにある古びた石造りのアパート「ホテル カクタス」。その三階の一角には帽子が、二階の一角にはきゅうりが、一階の一角には数字の2が住んでいました。三人はあるきっかけで友達になり、可笑しくてすこし哀しい日々が、穏やかに過ぎて行きました…。メルヘンのスタイルで「日常」を描き、生きることの本質をみつめた、不思議でせつない物語。画家・佐々木敦子との傑作コラボレーション。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 昔幼い頃に江國さんの小説をよく読んでいた時期を思い出し、このアプリ内で見かけたこの本を前情報なしに手に取りました。
    …ので、冒頭の帽子ときゅうりと数字の2が出てきてとても驚きました(笑)
    『擬人化的なものかな…?』と思いきや、きゅうりの果肉の様子や帽子を被る描写があり、『あ、言葉の意味そのまま帽子やきゅうりや数字の2なのね…』と二度驚きもしました。

    単調になりやすいので普通は語尾が重複するのはよく避けられますが、今回は絵本的・メルヘンチックな雰囲気に合っていて、なおかつ飽きさせないのは流石江國さんだなと思いました。
    詩的な表現とどこか現実的な表現が独特にミックスされていて、江國さんの小説はどこかで江國さんの別の小説と世界が繋がってる感じがして好きです。

    解説のように、江國さんは魅力的な「もの」を語り「ひと」と「ひと」とをつなぐ描き方が素敵な作家さんなので、この登場人物自体が「もの」であるのもある意味納得かもしれません。

    帽子の「音楽は、個人的なものだな」というセリフが出てくる話が印象的でした。

  • 1番好きと言ってもいいくらい、大好きな作品!!!

  • アパートに残る思い出と時の流れの侘しさを感じる作品!
    私は2に近い人間だと思う!
    帽子ときゅうりの人柄も何となくわかるし、想像できた。
    不思議な作品だったなぁ。

  • きゅうり、帽子、数字の2
    三者三様の性格だけどみんな魅力的で
    「かわいいな」と思いました。

    「詩人ごっこ」は特に面白くてなんか可愛らしくて
    ホッコリ笑わせてもらいました。

    「全体的にホッコリ笑える」
    そんな作品だっと思いました。

  • 久しぶりに読んだけど、やっぱり好き。
    初めて読んだときは「数字の2?」と、ちょっと戸惑ったけど、今回はもう受け入れてた。
    挿画も好き。

  • シンプルだからこそ本質をついて入ってきやすい、江國さんらしさも残ったままのエッセイ。

  • 江國香織さんの絵本というか、童話の世界観のお話。
    帽子ときゅうりと数字の2。
    とはいえ、初めは人の形を想像していたけれど、ある時合体した時があったり、きゅうりは日焼けしてますます緑になったり。じゃあ姿形もそれぞれで、なのにこんなに仲良くなることあるんだろうかと、絵をイメージしきれないまま楽しく読んだ。
    無骨でかわいい、そんな3人のお話。

  • 登場人物、きゅうり、ぼうし、2、の3人。
    きゅうりはよく日焼けして、緑でした。
    とかいう表現が面白かった。
    やっぱり、緑できゅうりなんだ~と。
    3人いいなと。
    クロネコもいいな。


    挿絵が素晴らしくよかった。
    すべて油絵とのこと。
    すごい時間かかってるなと思った。
    原稿を読まれて書き始めたのか・・・
    そうだとすると出版まですごく時間がかかっているはず。

  • 宮沢賢治のメルヘンチックな大人の童話の世界に紛れ込んでしまった様な良い気分になった

  • 『ホテル』とついたアパートに暮らす
    3人の若者。

    すでに登場人物の時点で不思議世界です。
    メルヘンなのか童話なのか、という感じですが
    彼らがやってることは、普通の日常と変わりなく。
    のんびりだらっとした日々が綴られています。

    若干の変動がある、ただの日常なので
    淡々と始まって終わっていきます。

全357件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

江國香織の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×