天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087484922

感想・レビュー・書評

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  • 文章はきれいで読みやすく、どこか透明感ある感じが美しくて好き。

    電車で主人公がヒロインに惹かれるシーンはこちらも引き込まれて、全体の中で一番好きな部分。

    でも最後の駆け足感がなんだかもったいない。こちらの感情が追いつく前に、ばっさりきられちゃったような、そんなあっさり感。


    ちなみに、映画の小西真奈美の透明感ははるひにぴったりだと思いました。

  • 誰も幸せになれない結末が悲しかった。

  • 最初、電車での運命的出会いのところでは、なんか私もひきこまれたなぁ。それから、どんどん引き込まれて、どんどん読み進んだけど、最後が話がコンパクトにというか、あっという間に終わってしましまった。流産、医師のミス、死亡。あっという間でなんか、物足りなさを感じた。もっと、何か・・・・言い表せないけど、ほしかったなぁ。あと、個人的に両親が歩太を責めたのは、不服。

  • そのひとの横顔はあまりにも清冽で、凛としたたたずまいに満ちていた。19歳の予備校生の僕は、8歳年上の精神科医にひと目惚れ。高校時代のガールフレンド夏姫に後ろめたい気持ちはあったが、僕の心はもう誰にも止められない。

  • あまりにあっけないエンディングにビックリした。ちょっと強引すぎて、無理やり終わらせた感じ。19歳の「僕」目線だからだろうか、恋愛設定は薄っぺらく、感情移入できない。個々の表現では優れた部分が多い。

  • そのひとの横顔はあまりにも清冽で、凜としたたたずまいに満ちていた。19歳の予備校生の“僕”は、8歳年上の精神科医にひと目惚れ。高校時代のガールフレンド夏姫に後ろめたい気持ちはあったが、“僕”の心はもう誰にも止められない。第6回「小説すばる」新人賞受賞作品。みずみずしい感性で描かれた純愛小説として選考委員も絶賛したデビュー作。

  • 読んでいて、ドキドキしました。
    読みおわって、心がひやっとしました。
    こんなにいろんな気持ちがごちゃまぜになって、でもまっすぐな恋愛だと思いました。

  • 毒にも薬にもならないかんじ。

  • よく書かれているように少女まんがのような小説(私は少女まんがというものをほとんど読んだことがないので雰囲気だけだが)だと思う。
    物語はたんたんと進むが描写の美しさからまるで絵画を見ているような印象を受ける。小説全体に光が降り注いでいる。その美しさは認めるが、終盤の展開は受け入れられない。あまりに唐突で、はっきり言って”くさい”。
    本作が純愛小説の傑作だというのなら、私は純愛小説を読みことに向いていないのかもしれない。

  • 実写版を見て読みたくなったが、これが村山由佳さんを好きになった大好きなお話です。

  • ちょっと人がしにすぎかな?と思うけど、涙もろい私は、泣いてしまった。

  • たしか中学か高校のときに読もうかなと思ったことがあったけど結局読まなかった。夫が、こにたんが主演する映画の原作だからと100円で買ったけれども結局読まずに引っ越しを機に処分するというので、その前に読んだ。1時間半で読めた。
    19歳の浪人生の男の子が27歳の精神科の女医に満員電車でひとめぼれ。そしたらその女性は彼女の姉だった。しかも自分の父親の主治医になった。その男の子のもどかしーい気持ち。かなしーい話。解説に「よくこれだけ凡庸さに徹することができる」「驚くほど凡庸」(褒め言葉)との言葉があったけれども言い得て妙。
    作者は女性。女性作家の小説で男性目線で書かれてる小説はよく考えてみればどれも構造としては言えるのだけど、読んでて、これは女性側の空想の体現ではないだろうかと思った。

  • 美大、芸術家、これらの該領域外の人間からすると一見世俗離れしているように映る特色の強い専門性がもたらす人間性が、恋愛というあまりにも世俗的な人間性を表象するテーマになぞって表現されている。著者がそこまで体当たりで書いていないのか、自分の先行イメージがあまりにも濃すぎたのか、特に違和感もなくスムーズに入ってくるような内容であった。

  • 文章は村山さんらしく綺麗で読みやすかった。まるで目に浮かぶような風景描写はこの頃からだったのだなと感じた。
    ただ、内容は薄っぺらく、ひたすら甘く感じた。
    ラストも切ないというよりは、あまりにも設定が安直じゃないかと思う。
    8歳も年下の男の子が相手で自分は女医なんだから、当然対策しておくべきでしょう。
    あのまま、無事だったらどうやって生活するつもりだったんだろうと思わざるを得ません。
    限りなく☆2つに近いけど、文章の綺麗さで3つにしました。

  • ただ切ないだけでいまいち

  • えって終わり方でした。
    3部作らしいのですが、この後どんなふうに展開していくのでしょう??
    歩太にも春姫にも感情移入できなくて、ふーんて感じで終わってしまいました。

  • 【選んだ理由】
    話題の著者だったから

    【読んだ感想】
    少しあり得ない設定だったので、あまり良くなかった。

  • 後悔しないように。それに尽きる。
    残されたものは悔いることしか出来ない。

  • 著者の写真を見て東ちづるさんに似てるなぁと思った。
    村山さんの作品は何冊か読んだ事があるんですが、男性側から書かれてるものが多いように思います。(全部読んでる訳ではないんですけど…)
    恋する男性がその女性を優しく包み込むような雰囲気に満ち溢れてる。
    そして2人共が純粋でシャイで読んでるコッチが恥ずかしいようなくすぐったいような、そんな気持ちになる。
    でも温かくって素敵で羨ましい。
    悲しいお話だったけれど・・・。
    私もウソだと言って欲しかったし夢ならいいのにと思った。
    立ち直れる?
    その後が想像できない。
    ショックが大きすぎて。

  • あっはい。切ないっすね。小説っぽい~爽やか~
    全く心に響きませんでした。

  • 「なおもホームにあふれている無彩色の集団の中で、淡い桜色の何かが僕の目をひいた」。出会いの場面の書き方からして、感性にあふれてるのがよくわかる本作。黒村山や白村山と本人はいってるけど、黒も白も散りばめられてるように、久しぶりに読んで思った。

  • なんて儚い物語。
    先に映画館で観てストーリーは知っていたけれど、その時感じた悲しさより一層、救われない悲しみに襲われた感じ。

    出会いはとても好き。明るい日差しと桜がパッと思い浮かぶような、爽やかな印象。

    やっぱり20歳前後の男の子は年上に憧れるのかなぁ、、どんなに魅力的に見えるんだろう、と想像して読んだ。春妃はとても華奢で儚げで、危ういイメージ。

    そう言えば、春妃は精神科医だった。春と、心の病。なんとなく無気力な感じがするのは、『ノルウェイの森』を読んだ時に似ている。

    ラストのあっけなさはなんだろう、ついさっきまで元気だったのに。分かってたけど、死なないでほしかった。残酷やなぁ。

    歩太はまだ若いのにこの先ずっと消えない傷を負ったまま生きて行くのかな。若いのに、色々な経験をしすぎたのだと思う。

    この作品には春がよく似合う。
    (20140331)

  • 村山由佳の作品としては、イマイチリアリティに欠けものたりなかった。読後感はさわやか。

  • 2014-30
    ベタな展開といえば、ベタな展開。
    いわゆる『純愛物』
    その割にはさらっと読めます。

  • カットフルーツみたいな、みずみずしくて甘酸っぱくて、色あせやすくて、時々ものすごく欲しくなる、そんなことば。
    色鮮やかで原色の表皮が少し目に痛くまぶしいけれど、その彩りは人々の人生の輝きであって、懐かしくもある。
    実の中にタネを秘めて、そっと、新たな命の誕生を、成長の可能性を秘めた、そんな果実のような思いが、果汁のごとくあふれる言葉たち。

  • ストーリーはとても普通、ありがちな感じかと(解説にも書いてありましたけど)

    だけど、よかったと思います。
    情景描写と、歩太からみた春妃の描写がみずみずしい。
    男性主人公目線が絶対に筆者が男じゃない感がアリアリでしたが。

    心が荒んでる時に読む小説じゃないけれど、
    余裕がある時に読むと、良い小説でした。

  • なんちゅー少女マンガ展開・・・



    電車で一目ぼれ→のち再会
    年上高学歴女性
    姉妹で美人→どっちとも付き合うとか
    浪人生だったのに、急遽変更した進路先に無事合格
    突然来る死




    あまりにリアリティがなさすぎて、冷めた目で読んでしまった。

    恋愛って、もっとドロドロしてるもんだよ。
    こんなさらっとした恋愛なんて、ウソ。
    恋に恋したい子ども向けかな。
    もしくは、青春時代を美化したい年配向け。

    デビュー作?そしてすばる賞ということで、ちょっと甘めに評価。

  • うーん、かなりステロタイプな恋愛ものですね。そこが受けたみたいですけど。あと、作中で推理小説が少しディスられていたのも個人的にマイナスです。笑 デビュー作みたいですが、このあと直木賞を取っているので成長したと言うことでしょうか。

  • 19歳の予備校生と8歳年上の女医さんとの恋愛物語。作家、村山由佳さんのデビュー作です。その本が面白いか否かの分かれ道は、ストーリーそのものもさることながら、作家の文体と、読む側の感覚がマッチするかもポイントです。その意味で、この作家の文体はわたしの感性にフィットしました。本の出だしからぐんぐん、文字が頭のなかに入っていくのです。これはなかなか感動的なことです。

    ストーリーですが、前半はよくある恋愛小説だと感じました。高校時代に同級生の彼女がいた主人公は、自分が浪人し、彼女がそのまま女子大生となったことで、心理的なすれ違いを感じ、徐々に遠ざかっていく辺りは、自分自身も読んでて「なるほどな~」と共感しました。

    しかしこの本の面白さは後半にあります。まるでジェットコースターのように巻き起こる、修羅場な出来事。気持ちがそこに追いつくのが大変なほど、引きずり回されるのです。そして手に汗を握りながら、あっという間に読了しました。究極にせつない話ですが、とにかく面白かった~

  • 「おいしいコーヒー」シリーズは好きなんだけど、『天使の卵』は合わなかった、という声を聞き読んでみた。
    ハッピーエンドではない。恋愛小説を求めている人には物足りないし悲しいだけかもしれない。
    この話は続編があって生きる作品だなぁと思った。続編の『天使の梯子』へ。

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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