- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087486391
感想・レビュー・書評
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おもしろい、痛快という感じ。西にいるからなおさら。
自分の昔の恥ずかしいことや精神的不安定などを書けることは強い、すごいこと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どうしようもなくダメでみっともなくて情けない人間が涼しい顔して内心必死の思いで格好をつけた結果本当にかっこよくなってしまうのがロックだと思う
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全然わかんない固有名詞とかが出てきたりしたけどそれでもぜんぶ良くって、なのでもっと私にそういう教養が備わってればさらに大興奮で読めたんだろうな〜と思いつつ、今まで読んできたらも作品たちの要素が感じられてめちゃくちゃ良かったです。
丸坊主軍団のとこと、(本人は大変だろうけど)やっぱりアル中の話すき…。というか、らものことが…だいすき… -
彼の感性が好きだと思う。
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クスックスッ、という笑いのために、読む場所を選ぶかもしれません。
電車の中で読んでいた私は、きっとアブナイ人だったと思います(苦笑)
セピア色のキャンバスに浮かぶ、あの時、その時の一瞬。
友達と「普通」に遊んだこと、バカをやったこと、今となっては理解できないこと。
キャンバスの向こう側に見える景色は人それどれだけど、やはりそこには笑った顔が良く似合うと思います。
年輪のように一年、一月、一日を積み重ねて今の自分が作られています。
「思い出は自分が生きた証。失敗も成功も今となっては全てが甘美に思える。」
何かで読んだ言葉ですが、あの時、その時の一瞬があるからこそ今の自分があると思えば、
全てのことが愛おしく感じられるのではないでしょうか。
「古き良き時代」
別に今が悪い時代だとは思わないですが、昔の出来事を思い出すと何故か優しい気持ちで笑ってしまいます。
自分にとっての「古き良き出来事」が思い出され、あたたかくて楽しい時間で満たしてくれます。 -
日本が生んだロクデナシ作家代表、中島らも。彼の灘高入学〜大学での経験を基にしたこのエッセイでは、後に彼を悩ますアルコール依存症や躁鬱病の萌芽が既に見られたりもするけど、やはり言葉の端々から滲み出ている落伍者やはみ出し者に対して注がれる暖かい眼差しには安心させられてしまう。進学校からの落ちこぼれという疎外感、何もすることなく焦燥感に身を焦した大学生活といった憂鬱な青春時代を振り返る際には笑いがありつつも、死の臭いからは逃れられないらもさんがいる。自殺した浪人時代の友人の話は、悲痛ながらもとても優しい。
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”この本はたとえば歴史書みたいなものと比べて見た場合、九牛の一毛にも足りない「アリの一生」みたいな本かもしれない。もしこの本に何か意味があるとすれば、ここには今ではもう嗅ぐ事のできない「時代のフレイバー」があるかもしれない、ということだろう。”
著者のあとがきより。
60年代後半から70年代の時代の空気ってそのあとの時代に生まれた身からすればこういうエッセイや小説、映画から感じるしかないんだよね。
それにしてもこの人の本、初めて読んだがものすごい面白い。
伊丹十三のエッセイも全体に倦怠感溢れてる感じだけど、それをもっと濃くした感じがする。
倦怠感というかたぶん絶望感とかの方が近いんだろうな。
それでいて明るさというかユーモラスというかで文章が作られている。
学校とか職場とか身近にいても(いないだろうけど)あんま仲良くなれなかったタイプな気がするけど、
でもたぶん遠巻きにあいつけっこう気が合いそうだ、とかそんなだろな、などと考えさせてくれました。
この人の書く、「~なんである。」という言い方が好きだ。
”小さなコーヒーハウスのごくごく常連になる。そこのマスターが渋い男で、もの静かで、いかにも昔ないかわけのあったような人なんである。”(P101)
とかね。いいよね。
他の作品も読んでみようと思います。 -
とりあえず、ウィキペディアで経歴を見てみると、
それだけでなんだかすごかった。
学生結婚、行き当たりばったりの暮らし、そこから、一山当てる。
酒への依存、躁うつ病、に加えて、麻薬。
出身は灘高。なんだか、すごいね。
しかし、躁鬱病。
躁はほとんど続かず、鬱が数ヶ月続くというのは生々しい。
おまけにギャグ。ギャグっていうのは、冷静になると、
すごくつまんなく思えたりするので、それを書くだけで、
精神状態は酷く不安定になる。
だから、お笑い芸人だとかギャグ漫画家などに向いてるのは、
たぶん本質的には考えなしだとか、天然なひと。
けれどそういうひとの考えるものっているのは、
こう捻りにかける。捻りをつくれるひとは、たぶんむしろ、
かなりナイーヴなひと。
それだけにギャグってものがある意味で破滅的だ。
灘中、灘高と優等生から滑り落ちていくという過程。
最初の頃は羽目を外した優等生だったのが、
いつからか、劣等生になる。そんな区分は嫌いだし、
このひともきっと嫌いなのだろうけれど、
そうやって自分を縛ることから逃れられずに苦しみ続ける。
なににも縛られずに奔放そうに生きてるひとに限って、
実は自分のことを酷く縛り付けてる場合があって、
それであたかも奔放そうに笑い続けていることがある。
その裏にある苦悩は推し量れるようなものじゃない。
けれど、このひとには芯のようなものが通っている。
いつだって、確信があったのだろう。
自分はやらかせるという確信。
そして、奥さんがいたわけである。
うらやましい限りだ。
側に苦楽を共にできるひとがいてくれるという幸せ。
悲観的な人間が楽観的を装った結果の悲惨なる結末が、
彼なのだろうけれど、けれど、きっと彼は幸せだったはずだ。
じゃあ、いいじゃないかって思う。
じゃあ、いいじゃないですか、中島らもさん。 -
読み終わってから随分と月日が経ってしまったけど(笑)
中島らもの作品は面白いんだけど、ちょこっと切ないんだよなあ…。
この作品は彼の学生時代の事をつづっているエッセイ。
読んでいるときは、ふんふんと読み進めていくんだけど、
読み終わると、しばらく切ない気持ちになる。
なんでだろうね?