- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087497571
作品紹介・あらすじ
中学三年生の良一は、同級生の野球部のエース・徹也を通じて、重症の腫瘍で入院中の少女・直美を知る。徹也は対抗試合に全力を尽くして直美を力づけ、良一もよい話し相手になって彼女を慰める。ある日、直美が突然良一に言った。「あたしと、心中しない?」ガラス細工のように繊細な少年の日の恋愛と友情、生と死をリリカルに描いた長篇。
感想・レビュー・書評
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中学三年生の北沢良一は同年代の自殺した少年について考えるなど人生に厭世観を持っていた。そんな時、同学年の野球部のエースである羽根木徹也を通じて、重症の腫瘍で入院中の上原直美を知る。直美は自分のおかれた境遇にもめげずに懸命に生きようとする。直美や徹也に会うことによって良一の人生観が変わっていく。
↑↑↑Wikipediaより
【むりして生きていても
どうせみんな 死んでしまうんだ
ばかやろう】
十一歳で命を絶った少年が 飛び降りたアパートの壁に残したメッセージ。
良一はたびたび そのアパートを訪れ 少年が飛び降りた13階から下を覗き込む。
中学3年生の夏。受験、友情、恋。
良一は悩んでいる。
頑張って勉強しても上がらない成績。偏差値という数字で“入りたい”高校ではなく、”入れる”高校は決まってしまう。
自由に演奏するピアノは好きだけれど 音楽学校に入るには演奏に点数が付けられふるいにかけられる。
ピアノ教師の母からは「音楽学校に行きたいの?プロになれると思ってるの?」と。
夢に敗れ 望まない仕事をしている父からは「将来のことは二十歳になったら考えろ。今はとにかく勉強しろ」と言われる。
良一の頭の中にふとよぎる言葉
「ばかやろう」
死んだら 努力も夢も 何もなくなるんだ。
人はなんの為に頑張るのか。自分はどこに向かって頑張っているのか。
「おれたちはみんな十五歳だ。いちご(1 5)同盟だ。」 良一と 徹也は 病気の直美の姿を通して 「生きる」ことを考え始めます。
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いちごって、甘酸っぱいほうのじゃなくて
15歳ってことだったのか。
こんなことで自殺を考えるのかと大人は思うだろう。でも中学生は見えている世界がすべてで、小さな箱の中でもがき苦しんでいる。
先日、息子の高校から呼び出しがありまして。
欠席日数が多いとのこと。
「就職でも 進学の推薦でも それで選んでもらえなくなるよ。なんとなく休みたいで休んでるなら会社では通用しないよ」と。はい、わかります。先生が親身になって心配してくださっていることは。それはそれは息子が言葉を話し始めた頃から「こんな繊細すぎるこの子は社会に出てちゃんとやっていけるのだろうか??」とこちとら絶賛不安継続中ですわ!中学で結局卒業まで教室入れなくて 高校では楽しそうに学校通ってて「欠席日数より出席日数の方が遥かに多いじゃん!やったね!」という考えが甘いってことは! 学校を欠席してしまう理由を聞かれて「自分は何も出来ない」と泣いている息子に ただ背中さすって「大丈夫だよ」しか言えなかったわたしも母親としてどうなんだってことは!
でも言いたいんです。泣くくらい悩んでることがもう偉いよって。悩むのも落ち込むのも泣くのも笑うのも 全部生きてなきゃ出来ないからね。なんだったら呼吸してるだけで偉い!もう存在が尊い!!
すみません。後半はモヤモヤ吐き出しただけです。スッキリしました。
今は高校PTAの役員会来てます。バッタリ息子を見かけたら大きく手を振ろうと思います。(子どもが嫌がるタイプの親)
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三田誠広さんの作品は
高校生が主役の『 春のソナタ 』
大学生が主役の『永遠の放課後』があり
青春三部作となっているようです(急に)
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帰省中に読む本が無くなってしまったので、実家の本棚をあさってなんとなく読んでみた。
中3の男の子と女の子の、生きることと死ぬこと、夢と現実、恋愛と青春、希望と絶望、喪失と再生、そういうものを描いています。
甲子園を目指すヒーローと、不治の病の幼馴染の少女と、音楽高校を目指す主人公と
三角関係であり、友情であり、初恋であり、成長の物語でもある。
15歳だからいちごってことで、甘酸っぱいストロベリーは特に関係ない。
どっちかていうと、ラヴェルやベートーベンのピアノソナタのイメージ。
10代の時に読んでいるんだけど
あのころより何倍も伝わってきて理解できた、という気がしました。
その真っただ中だと、青春が青春だとまるでわかってない。
全然違うが、阪神大震災で亡くなった友人を思い出す。
あの唐突に本当に突然に、強制終了みたいな終わり方。
私はもうあのころの倍以上の年になってしまった。
1月17日だけでなく折に触れて彼女のことを考えるのはとても大事なことだと思う。
100歳まで生きて100歳まで彼女のことをこうして思い出せるかな。-
tiaraさん、こんにちは♪
いつもたくさんお気に入りに入れてくださってありがとうございます。
この本があまりに懐かしいので思わずコメントし...tiaraさん、こんにちは♪
いつもたくさんお気に入りに入れてくださってありがとうございます。
この本があまりに懐かしいので思わずコメントしています。
三田さんの本が、流行ったときがあったのですよ。
10代の頃より何倍も伝わって理解できたという部分に、とても共感しました。
あの年代をターゲットに書かれたものだと思うのですが、肝心の自分に理解力がなかったということ、よくあります。
もちろん、当時は分かったつもりでいたんですけどね(笑)
お友達を震災で亡くされたのですね。私も同じです。
思い出さなくなったら、もう一度その友達を亡くすことになります。
なので私も、日に一度は思い出しています。
100歳まで生きて・・・素敵な言葉ですね。私もそうなりたいです。2013/08/09 -
nejidonさん
素敵なメッセージありがとうございます♪
この本、懐かしいですよねー。
当時でもそれなりに共感して、感じるものはあったん...nejidonさん
素敵なメッセージありがとうございます♪
この本、懐かしいですよねー。
当時でもそれなりに共感して、感じるものはあったんだけど、今になって深く分かることってありますよね。
やっぱり視野や世界が狭かったのかな、という気がします。
>思い出さなくなったら、もう一度その友達を亡くすことになります。
本当にその通りですね。
この本の中で、少年二人が100歳まで生きて100歳まで彼女のことを覚えていようと約束するのです。
私たちも、覚えていましょうね。2013/08/09
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三田誠広の代表作。
この小説の一部分は、中学の国語の時間に読んだ事があります。
初めて、初めから読みました。
中学生が主人公の作品ですが、主人公の心情や、不安等は大人になった僕でもリアルな感じがしました。
高校受験、母親との距離感、友達との付き合い方、初めての恋等、子供から大人になる為の通過儀礼等が良く描かれていたと思います。 -
中学生の時読んでいたら、もっと自分ごとのように感じたに違いない。今高校生になって読んだが、中学生の時感じていた、言葉に表し難い焦燥感、不安、どこか自分だけが取り残されているような、逆に自分はきっと誰とも違うものになるんだ、でももがいてももがけない、そんな危うい感じがヒリヒリするほど伝わってきて、読んで良かったと思った。
歳をとっても、この本を読めばまたこの気持ちを思い出せるだろう。
文体が単調で最初は動きがないけれど、入院少女の直美が出てきて、良一がピアノのことで逡巡しているところあたりから、かえって単調だけど無駄のない美しい描写が読んでいて心地良かった。
徹也との同盟、直美の儚い、けど強い姿と熱い想いは胸が熱くなった。
進路、親、友情、淡い恋、生と死、全て詰まっているのに、読後感が清々しい音楽を聴いた後のようだった。 -
中学三年生の良一は、高校受験や
自分の将来に悩み、死さえ考えたー。
同級生の野球部のエース・徹也を通じて、
重症の腫瘍で入院中の少女・直美と出会うー。
良一が小学5年生の時、近所のアパートで、
小学5年生の少年が飛び降り自殺をした。
ピアノを弾いて無口だが、自分の世界を持ってる良一。
受験や将来に悩み、少年が自殺し場所に何度も足を運ぶ。
自殺に憧れているー。
その少年の気持ちがわかるような気がしていた…。
ある日、野球部のエース・徹也に撮影を頼まれた事がきっかけで、
徹也の幼馴染の直美と知り合う。
直美は、重症の腫瘍で入院中だった。
野球の試合に全力を尽くして直美を力づけてる徹也。
良一も、直美の見舞いに行き話し相手となる。
いつしか、惹かれあう良一と直美。
ガラス細工の様に繊細な良一の心にヒリヒリ。
自分の命はもう長くないと悟っている直美も切ない。
人気者で優しく明るく振る舞っているが、
繊細な感情を持ってる徹也も切ない。
良一と徹也の友情も美しかったし、直美の心も美しかった。
良一は直美を通して「死」を真正面から感じる。
そして、それは同時に「生」を考える事だった。
中学生の危うく繊細な心を平坦に美しく描いていました。
15歳で読みたい作品でした。 -
恵まれた環境にいるくせに、自殺に魅かれる良一のへなちょこ具合が腹立たしい。
それに対して直美のお父さんは素敵!辛いときでも穏やかな笑顔が見せられる人。強い!!こんな人になりたいなぁ。
全体的に口調が文語体一直線な感じがあってぎこちない印象。
中3とは思えない発言だよー。 -
すごく良かったです。18歳の私ですが、今このとき、大人になることや生きることを悩んでいたときに出会えたからこそ、凄く刺さったのだと思います。
思春期特有の、あるいは全世代にも通づる生きづらさについて、語っているのだと思います。
そして、その生きづらさを鼓舞するのが、登場人物達の魂の刹那の輝きです。
登場人物にはそれぞれ生命力が衰えるシーン、逆に強く輝くシーンがあります。
それらの推移にドキドキ、ハッとさせられて、読了後には切なさと、自らの中に沸き立つ生命力でいっぱいになります。
ただ…
野球の試合、相撲の描写があり、それらについての専門用語がふんだんに使われています。それらの知識がなければ読むのに苦戦します。
読み飛ばしても深刻な支障はないのですが、やはり予備知識があった方が臨場感が出ますし、登場人物達の心情への理解も深まると思います。
事前にサラッとルールや用語を調べておくだけでも、大分良い読書ができると思います。
クラシック音楽のタイトルも多く出てきますが、これに関しては知らなくても、直接展開に差し障るということはないです。
もちろん、知っていた方が良いとは思います。しかしそれにしても、文中でタイトルが出る度に逐一聴いてみる感じで良いと思います。
私もあの演奏(ネタバレ)に関しては、実際にYouTubeで演奏動画を見て、こんな感じで弾いてたのかな…と想像を膨らませて楽しみました。 -
自殺や、何かから逃げたいと思っている人には共感しやすい本だと思う。良一が自殺した子を考えて自分と重ねるように、なおみとの関係に悩むように、15歳という同じ年齢の私にとっては凄く共感できた。だからこそ、私は良一が自殺を考える事は、15歳の私たちにとってはごく平和な日常の中でぼんやりと考えてることぐらいに思えるような気がした。本の中にあったように、良一の思いを汲み取れるのは、直美がいなくなった世界では徹也だけだろうし、徹也の思いを汲み取れるのは良一だけなんだろうなと、渋々思った。私はどちらか2人の恋仲関係だけではなく、3人が揃ってこその恋仲なんだろうなと思った。
読みにくいといえば読みにくい。だけど、背景を自分で考えながら読むのがとても面白い本だと思う。 -
15歳の男子2人と女子1人の甘酸っぱい青春を描いた作品読んだのは20代中盤だった。物語は単純だが心に刺さり、胸に詰まる感覚が忘れられない。小説ほどドラマチックではないが自身の経験を重ね合わせるところがあるのだと思う。社会に出、家庭を持った大人に読んでほしい!
よく学校とかで給食を残すな、全部食べろとかいうけど、アホじゃないかと思う。
俺...
よく学校とかで給食を残すな、全部食べろとかいうけど、アホじゃないかと思う。
俺も子供の頃は好き嫌い(この言い方自体嫌い)が今より多くて苦労しました。
よく叩かれたし、蹴られたし、罵倒されたし、クラス全員が食べ終わるまで昼休みは没収なんてこともされた。
連帯責任で全員。
そうすると早く運動場や体育館の場所取りをしたいやつらから圧力がかかるので嫌でも飲み込まざるを得なかった。
でも、そんなんでその食べ物のことが好きになったりするか???
クラスメイトの舌打ちやため息に囲まれて、せりあがってくるゲロといっしょに呑み込んだゲロ味の食い物を好きになるか?
ありえんわ。絶対。
ますます嫌いになっただけだ。
教育というならば、どうしても苦手な食べ物を調べさせ、それにどんな栄養素が含まれているのかその子自身に調べさせ、それを補うためには代わりにどんな食べ物をどのくらい多めに摂取する必要があるかを調べさせる。
その指導と監督をするのが教育ではないだろうか。
やみくもに全ての食材を食わせることにどんな意味があるのか。
吐き気をこらえている生徒の口に無理矢理給食を突っ込むのは教育でも食育でもない。ただの拷問です。
なお、好き嫌いと食わず嫌いは全く違うので、食わず嫌いは一度試してみることを指導するべきだと思うが。
知人に、ある食い物を勧めたが食わず嫌いだったらしく最初は渋い顔をしていたが、ほんの一口でハマリ、大好物となり、どうしてもっと早く勧めてくれなかったと笑顔で文句を言われた。
知らんがな^^
好き嫌いに悩んでる子供がいれば言ってあげたい。
大人になれば好きなものを誰にも文句言われずに食えるぞ、と。
ただし、健康管理は自己責任でな。
改めて、おびのりさん。グッジョブで~~~す。
( ´∀`)bグッ!
にしても給食を泣きながら食べる子供を見てなんとも思わない教師ってなんなんだろうね。
一時期『教師適性検査』とか話題になったよね?あれって私立の学校だけなのね。
どんな子どもも等しく笑顔で安心して過ごせる場所を大人たちが作ってあげたいよね。