石の森 (集英社文庫)

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  • 集英社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087502275

感想・レビュー・書評

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  • 人間の弱さを理解していることが強く優しく生きるためには大事、みたいなテーマ。いつもの三浦綾子さんらしさを感じる。

    親しい友達も家族でもお互いの気持ちを完璧に理解することはできないという点で自分以外はみな他人であり、だから人は孤独。自分も他人のことを心から思ったり理解することはなかなかできなくて、親しい人が悲しんだり苦労していることはよくよく知らずに自分が一番不幸であるかのように思い込んでしまう。そういうことに気づく経験をして人(というか自分)の弱さを知ったときに少し優しくなれる。でもどんなに優しい人でも人を傷つけない人はいない、優しいからこそ人を傷つけうる。っていうお話だなと思いました。

    三浦綾子さんの本のテーマはいつもこんな感じで、とても純粋で根源的な愛みたいなものについて描かれたものが多いと思う。捉え方によっては乳くさいとか幼いとか説教くさいテーマかもしれないけど、私は好きというか、大事なことだと思う。
    妻とか身近な人に対して負の感情を抱きがちになったときに意識して読むようにしている。
    自分を省みること、人に感謝することは本当に大切だと思い起こされる。

  • 若者向けの雑誌に連載されていただけあり、青春小説なのかなと読み進めていたが、急展開した末の結末に驚いた。

  • 生きることに迷う年齢なら示唆が得られるかも。年がいって読むと、すこし説教臭く感じてしまうかな。

  • 少女小説ってこと通俗的にならざるをえないんだろうな。

  • 一途な心。

  • 石の森を読んで、尾岱沼に行きたくなり行ってきました。大学時代、20代繰り返し読んだ本。尾岱沼の「地の果て」な感じが好きになり、今でも訪れる好きな場所。

  • 読みやすく共感できるが、
    途中、結末がよめてしまう。

    好きな箇所、抜粋

    P44
    人生にはピリオドは唯一つで、
    あとはコンマ、コンマの連続だ...
    最後の終止符を打つまでは、
    人生いろいろなところでコンマが
    打たれるのだ。

    P74
    自分でえらんだ道を歩くことは、
    快いことだよ。
    だが、思いもかけない道を、
    立派に歩むことは、さらに
    すばらしいことかも知れないよ

    P122

    P178

    P234

  • 昔の映画なんかみると、昔の10代のほうが大変大人びていたように思ったが、これは日本の高度成長期のものだからまた違うだろうか。文章はきれいな日本語で、たぶんいいとこのお嬢さんなのかな、とも思うが、「ママ」「パパ」など言葉使いがうざくなり、19歳にしてはいうことも幼くまるで高校生。まだ反抗期真っ只中という感じもするし、ため息がでてしまった。セブンティーンに載ったってすごい、(連載?)小説なんか載るコーナーもあったのか。

  • 三浦綾子さんには珍しい文章だな、と思ったらセブンティーンで連載されていたものとのこと。
    好みの問題は置いといて、連載媒体によって、「三浦綾子の世界観」を残しつつもテイストをたくみに変える、そこがとても見事だと思いました。

    恋愛がメインテーマになるかとおもいきや、ストーリーは「男女の性別にとらわれない人と人の結びつき」が愛である、と結論します。
    思い込みがや感情の起伏の激しい主人公にやや疲れながら読み進めましたが、この結末にはほっとしました。
    その少々疲れ、うんざりさせるような主人公も20歳そこらの女性としては至極自然な姿です。
    三浦綾子さんのほかの作品と比べると、キリスト教色も淡く、非常に自然な形で教えが盛り込まれています。
    10代の女子には受け入れやすく、心に響く本ではないでしょうか。

    個人的には少々軽いと感じる内容でした。中学校の教材には適しているかもしれません。

  • 読みやすいと思ったらセブンティーンに連載していた小説なのね。
    三浦氏にしてはキリスト教色が少ないので、まぁ無難なところだと思う。
    しかしまぁ、設定すべてが古すぎて、ちょっと白ける感は否めない。
    あと50年したらその古さがセピアに見えて好ましくなるかもしれないけれど、今は一番鬱陶しいところ。

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三浦綾子の作品

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