夏の葬列 (集英社文庫 や 14-1)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520149

感想・レビュー・書評

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  • 教科書に載ってたのを改めて読んでみたくなった。
    読んで良かった。

    作品全体を通して感じる底暗さが非常に印象的だった。特に、ショートショートは話しの転換というか、どんでん返しが絶妙で、ゾッとする感じが心地よかった。

    「夏の葬列」「お守り」「十三年」「朝のヨット」がお気に入り。

  • 収録内容は以下の通り。

    夏の葬列(昭和37年8月 発表)
    待っている女(昭和37年2月 発表)
    お守り(昭和35年4月 発表)
    十三年(昭和35年2月 発表)
    朝のヨット(昭和38年 発表)
    他人の夏(昭和38年8月 発表)
    一人ぼっちのプレゼント(昭和38年 発表)
    煙突(昭和29年 発表、昭和39年 改作)
    海岸公園(昭和36年 発表)
    小田切進: 語注
    山崎行太郎: 解説 -陽気な絶望者-
    川本三郎: 鑑賞 -一瞬の日のかげり-
    山崎行太郎: 年譜

    闘う意志を持つことができず、中途半端な"絶望"を抱きながら日々を生きていく様子が自分と重なり、非常な共感を持って読んだ。

  • この二つの死は、結局、俺のなかに埋葬されるほかないのだ。

  • 「夏の葬列」というタイトルが美しい。
    短篇集「安南の王子」の巻末で、山川方夫は「青春という病」を強いられた作家であったと解説されていた。山川の作品は戦争、自分の父の死に大きく影響されており、「青春の文学」と呼ばれていながら、作品には常に死の影が覆っている。
    乾いた風のように感じる一冊。読後の喪失感が好きだ。

  • なんだか暗くて、ぱさぱさした感じ。

  • 「夏の葬列」中学の頃教科書で読んで後味の悪さから強烈に覚えていた
    大人になってから読んだら何か印象変わるかなと思って読んだら、やっぱり後味悪かった
    自分が殺したわけではないがふたりも自分のせいで死んでいるという
    後ろめたさから解放されたかったはずがさらに後ろめたさが増す
    主人公自分勝手だよなと思うけれど、どうすれば良かったんだろうね

  • 短編、ショートショートなどの小さな物語が詰まった集英社文庫の古い一冊。
    巻頭にはご本人やご家族の写真も掲載されており、巻末には評論家の解説と鑑賞、経歴や年譜などたっぷりとご本人についてが記されています。

    ごく短い話でも消化不良をおこすことなく、すとんとおさまるような気持ちになりました。
    あまり古い作品だと、読み進められずに途中で挫折してしまった経験もありますが、この作品のように
    面白さや良い感情を持って最後まで読めると、古かろうが新しかろうが“好み”なのだなぁと感じます。

  • (2017.08.03読了)(2005.06.18購入)(1992.06.20・第4刷)

    【目次】
    夏の葬列
    待っている女
    お守り
    十三年
    朝のヨット
    他人の夏
    一人ぼっちのプレゼント
    煙突
    海岸公園
    語注
    解説 -陽気な絶望者  山崎行太郎
    鑑賞 -一瞬の日のかげり  川本三郎
    年譜  山崎行太郎

    (「BOOK」データベースより)amazon
    太平洋戦争末期の夏の日、海岸の小さな町が空襲された。あわてて逃げる少年をかばった少女は、銃撃されてしまう。少年は成長し、再びその思い出の地を訪れるが…。人生の残酷さと悲しさを鋭く描いた表題作ほか、代表的ショート・ショートと中篇を収録。

  • 表題作品を読みたくて購入。
    後味は非常に悪いが、強烈に印象に残る。

    私は真冬に読んでしまったが、8月の猛暑日に、暑い暑いと言いながら、蝉の声を聞きながら読むことをおすすめしたい。

  • 既読の「夏の葬列」「一人ぼっちのプレゼント」「海岸公園」が良かったので、他の作品も期待して読んだのだがイマイチだった。
    ショートショートも「夏の葬列」だけが印象的で、他はさほどでもない。
    「煙突」は正当文学に挑戦するも退屈な作品になってしまったという感じがする。

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著者プロフィール

山川 方夫(やまかわ・まさお):1930年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院中退。「演技の果て」「海の告発」など5作が芥川賞、『クリスマスの贈物』が直木賞の候補となる。著作に『安南の王子』『愛のごとく』『目的を持たない意志 山川方夫エッセイ集』などがある。「ヒッチコック・マガジン」連載の“親しい友人たち”が探偵小説読者から高く評価される、謎を扱ったショートストーリーの達人でもあった。

「2023年 『長くて短い一年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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