- Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087600223
感想・レビュー・書評
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民主的に人々をまとめていたリーダーが武力をもった独裁者の副官にやられるという寓話
それにしてもピギーの最期はあまりに強烈 -
中学時代に「十五少年漂流記」の横に置いてあり、タイトルに惹かれて読みました。とても衝撃的なまさに「暗黒版十五少年漂流記」といった内容でしたが、私はこっちの方が好きです。
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無人島での少年達の漂流記たと思っていたから読んでいてびっくりした。後半の展開がすごい。
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少年達が漂流して無人島へ。助けを待ちながらそこで生き抜いていこうとする物語。
……と言えば、もうちょっと前向きな感じだったり、サバイバルへの創意工夫、挫折、不和、それらを一致団結して乗り越えていく感じ、みたいなものが想像されるけれど、これは違う。
奇妙にリアリティのない島で、狂気ちょっと手前の生活が繰り広げられる。
島は大きくはないけれど、真水の湧く場所があり、食べられる果実がふんだんに実り、しかも欲望のままに食べ続けても尽きることは無く、凶暴な生物や毒のある生物はいないけれど、野豚はいる。気候は温暖で日が沈んでも凍えることはない。そんな楽園のような島。
それなりに統率する努力はあったけれど、少年ならではの無謀や奔放さがいろいろと台無しにしていく。
最初は「まったく、これだから男の子ってやつは……」なんて気持ちで読んでいたが、ページを繰るにつれ、洒落にならなくなっていく印象。
少年達の精神が摩耗していく様子が克明に描かれていて、なかなかにどす黒い小説。
戦争への風刺……なのかな? -
無人島にたどり着いた少年たちからは、だんだんと文明的な理性が失われ、野蛮さに蝕まれていく。野蛮さ、非文明の描写は「モロー博士の島」を思い出す。人間が人間でなくなっていくような、薄気味悪さに満ちた作品。
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突き動かされる蛮性に委ねる解放という快楽と恐怖。未来を作ることができるのは蛮性と対峙する精神性なのだろうか。今、人間は、日本人は快楽と言う仮面の下のこの蛮性と向き合う時なのではないだろうか。
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簡単にう言うと暗い十五少年漂流記です。
わきあいあいと子供たちが、生存とはまた別の意味で殺しあってます。
映画化もされましたが、原作の活字の方がより陰鬱です。 -
●彼らがなぜ考えることができないのか、理解はできても想像することができなかった。彼らの中にある狂気は全ての人間にあるものだと思う。それを理性で抑え付けるのが大人なのだ。
●なぜ人を殺してはいけないのかについて、新たな答えが浮かんだ。
人が死んだらどうなるのか誰にもわからないから。殺された人がどれほどの苦痛を受けるのかわからないからだ。
人に罪を与えるときは、その人に相応しい罪をもって報いるべきだと思う。
つまり、暴行殺人犯を死刑にする場合、死後に受ける苦痛が無くただ死ぬだけならばその刑は軽すぎる。逆に死後にその人が地獄で責め苦を味わうならば、死刑は重すぎるかもしれない。
☆きっかけはwikipediaのサバイバルを題材にした図書。
読了日:2010/08/16