- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087714029
感想・レビュー・書評
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多重債務者や消費者金融のエグい現実と、現実感なさすぎナメすぎな三十女と四十男のどろどろ腐っていく時間を描いた物語。沙漠に途中でなんだこいつ、と素で思ったくらいに、うっとうしい女だとなまなましく感じてしまいました。けれどいるんでしょうね、こういう現実をナメきって生きていて、現実に殺されそうになっている女。それは闇金融が怖ろしいというよりも、お金をそんなラクしてゲットできると思っている馬鹿さ加減に問題があるわけで、腹が立つ。絶対にこうはならないときりきりと思う。けれどならないとは言い切れないのが世の中かもね。
腐りかけたもうっとした匂いのたちこめる男女間の描写がしかし、独特であとを引きました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本当に何だろう、誰の為のものなんやろう。
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全体の雰囲気は「私の男」っぽい?どろどろダラダラな話。沙漠はノーテンキというか何というか、どうしようもない。解も。よく由乃と結婚できたなぁ。お金怖い
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や、やられたー
桜庭一樹の書く空気の濃密さ、湿度、色、温度、匂いが好き。 -
何とも言えない、乾いたとも湿ったとも思えるイメージのお話でした。
ちょっとやりきれない読後感でした。 -
どろどろした深い世界に少しずつ、そしていつのまにかどっぷりと浸かっているような気分になりました
これこれ!こういう桜庭作品がすきなの!という感じですヽ(´ー`)ノ
一気読みでした!
やはり私は日陰の感じがすきみたいです -
ロクデナシはどこまでいってもロクデナシ。
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四十過ぎの翻訳家・吉野解は、かつて自分が下宿していた古本屋の二階で謎の美女、白井沙漠と出会う。粗末な部屋で何度も体を重ねるが、沙漠が解に借金を申し込んだことから歯車が狂い始め・・・。
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愛より金、金金!な話だった。
カードローンがすぐ可愛い顔して手の届く借金地獄だってことに「火車」より理解させられる。 -
どこまでも暗く、救いのない男女の関係。愛情なんかなく、金銭も一応殺人の動機になっているけれど、それほど切羽詰まった感もなく、ただのきっかけに過ぎないように思われる。女が必死に浮かびあがろうとしている訳ではないからか。解が本当に殺したかったのは母親だった気がする。そして由乃は全部知っているような・・・・。