- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087714692
作品紹介・あらすじ
50歳を越えて見つかる、新たな人生の道しるべ
「石に一滴一滴と喰い込む水の、遅い静かな力を持たねばなりません」──偶然の出会いを契機に、50歳の主婦・志乃子は、思いがけずドラマティックに人生を再発見する。生の希望に満ちた傑作長編。
感想・レビュー・書評
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宮本輝さんの本を読んでいると、気持ちが落ち着きます。主人公が自分と同年代であり、共感する部分も多々あります。ただ、女性なので、そうなのかと思う部分もあります。個人的には「草原の椅子」の方が、より身につまされる部分はありましたが。ただ、下巻も楽しみです。
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内容(「BOOK」データベースより)
東京の下町で暮らす平凡な主婦、能勢志乃子。50歳の誕生日に、近所の古い喫茶店で、年代ものの文机と茶碗と手文庫を貰い受ける。後日、その茶碗の驚くべき価値が判明して、志乃子は骨董の世界に足を踏み入れていく。予期せぬ出会いと友情が引き寄せる、新たな人生の喜び―生の希望に満ちた、傑作長編小説。
平成27年8月1日~5日 -
悪い意味で宮本輝らしい作品。
本筋のストーリーは、それなりに面白そうであるが、ジャズの話や糖尿病の話など、本筋とたいして関係のなさそうな話が結構延々と続く。
そのへんは、斜め読みした。
興味のある人には、それなりに興味深いくだりかもしれないが、興味のない人間にとっては、全くどうでもいい話。
宮本輝作品特有の辟易感を感じた上巻だった。 -
登場する女性たちが快活で元気をもらえます。
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まだ上巻だけなので全体を通じての感想は保留で。
しかし、宮本さんの小説を読むといつも思うのだけど、自分も人を上手く形容したり、気持ちよく誉めたり出来るようになりたいねぇ。もっと語彙を、知ってるというだけじゃなくて、「使える」語彙をふやさないとなー。
引き続き下巻にも期待。 -
2017.10.9
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上下巻をあっという間に読み終えてしまった。更年期、閉経、糖質制限、年の差婚、歳を取った親との同居。25歳であるわたしには人生の予習と思うような内容であったけども、面白かった。終戦直後の北朝鮮から日本への過酷な旅には固唾を飲んだし、涙が滲んだ。志乃子の周囲にいる人々のやさしさ賢さ、不意の言葉に感動してしまった。もう少し歳をとって再度読みたい。
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主婦の志乃子の手元に、突然大金が手に入ることに。偶然の出会いから手に入ることになった鼠志野の茶碗に三千万の価値が付いていることがわかったのだ。
「心は巧みなる画師の如し」ーー志乃子はこの「たったひとつの座右の銘」を心に置きながら、突然の環境変化の中で日々を過ごしていく。 -
主人公は、50歳女性。専業主婦。
特にお金持ちなわけでも飛びぬけた美魔女なわけでもない普通の女性。
では、この女性が何かを仕出かすのかというとそうでもなく
不倫も殺人も家庭内暴力も逃避行もでてきません。
50歳の誕生日を迎えて 『私の人生ってこんなものだったの?!』 と
思ってしまう主人公の気持ち、ちょっとわかる(笑)
でも、何もない人生やありきたりな人生などひとつもないように
乗り越えなくてはいけない人生の課題は50歳にもなれば必ずでてくるわけで
(本書ではそれを、『50の坂』と呼んでます。。。)
主人公の女性は次々起こるちょっとした問題を
水が形にまかせて流れるように、自然に受け止め自分らしく形を変えて
解決していきます。
流れに逆らうではなく、流れに身を任せるでもなく
その按配がとっても素敵。
50歳になる、大人になるってきっとこういうことなんだな。。。。
自分の幸せが他人の幸せを招き、人からまた幸せをもらう、
幸せなつながりがこの本の中をサラサラと音をたてて流れているようでした。 -
「心は巧みなる画師の如し」
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■ 15141.
〈読破期間〉
2015/9/14~2015/9/17 -
今回は奇しくも終戦記念日にフィリピンに旅。
本の中で、終戦時の北朝鮮からの帰国する、ということが語られるなんて知らずに持ってきた本に、いろんなことがリンクする。
軍票、殺戮、戦争って人をなんでそんなにもおかしくしちゃうんだろうか?という意味のわからない行為。
フィリピンで観るBBCは、観ていて苦しい。
戦没者慰霊祭を一時間かけてしっかり中継し、靖国を参拝する長い列を写す。
反省の意を、繰り返すまじ、という最高裁判官の言葉も、報道してくれるものの、その列のインパクトは、世界の人たちに、日本はまだ、あの頃の天皇を神と崇めて戦争に邁進したあの精神を持ち続けているのだ、と、思わせるかもしれない。と思う。
肩身がせまい。@フィリピン。
2015.08.15 @puerto Princesa -
(下巻と一緒)
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骨董って面白いかも
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主人公志乃子は建物サッシ取付業者の妻。古物に興味を持つ志乃子は、近所にある閉店間近のかささぎ堂の女主人に、彼女の夫が以前骨董店をしていたときに集めてきたガラクタの中から文机と茶碗と手文庫を譲ってもらった。鼠志野の茶碗、太平洋戦争の戦後の手記の入っていた手文庫、これらの古物が志乃子を別世界に導いてゆく。登場人物特に女性は現実世界よりも知的で優しく魅力的。時と空間を移り行き、下巻に期待を持たせる。
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中年を過ぎた市井の女性が、人との良い巡り合わせで、生き生きと輝く場を得ていくという話。希望の火が読んだあとにも心にともりつづけるような、世の中の良さを真摯に信じて生きようと思うような、前向きできれいな話。
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コメントは下巻にまとめて
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都合良すぎ
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お碗をくれたおばちゃんは何処にいるの?第三者としてならもらっといても何ら問題ないといってやれるけど、本人だったら簡単に割りきれないね。どうなるのかな?沙知代さん、早苗ちゃん、財津さんそしてご主人や子供たちはどうなって行くのかな?
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徒然なるままに書き込むか。
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読み始めたが最後、終わるまでやめられない。
女性陣が魅力的。 -
お薦めの一冊(上下2巻ですが)!!
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宮本ワールド!
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なんと9ヶ月も待って、やっと年末に図書館で借りました。大好きな、大好きな、宮本ワールド。今回も、読み終わりたくない〜と思いながら、あっと言う間に、2日で上下巻を読み終えてしまいました。
水の流れと水のかたちは違う。
石に一滴一滴と喰い込む水の遅い静かな力を待たねばなりません。(ロダン)
宮本ワールドは、いつも善い人たちで溢れていて、それでも時にままならない世の中に、前を向き、立ち向かう力を描くので、読んでいて、綺麗なものに触れた時に感じる清々しさが、読後に残るのですね。 -
女性たちがストーリーの中心に据えられている。宮本輝の作品の中では珍しい。
女性たちと言えば、角田光代の作品もそのパターンが多いが、心境の変化など、内面を描く角田光代とはまた違い、宮本輝らしい繊細な情景描写も含めて女性たちの存在を際立たせている。
最近の宮本輝作品と同じように壮大な時間軸を背景に一本据えているので、読んでいて安心感がある。
下巻も楽しみ。
2013.10.16読了 -
出来過ぎのように出来事が周りに繋がっていく宮本さんらしい作品。鼠志野を売って骨董の話は終わったかと思っていたが、新たな展開がありそうで下巻が楽しみです。