百舌落とし

著者 :
  • 集英社
3.17
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087716726

作品紹介・あらすじ

かつて新聞社編集委員の残間が追いかけた、商社の違法武器輸出。過去の百舌事件との関わり合いを見せたことから露わになったこの事件は、一時的な収束を見た。しかし、そこへ新たな展開が訪れる。元民政党の議員、茂田井滋が殺されたのだ。しかも両目のまぶたの上下を縫い合わされた状態で。既に現役を退いている彼の殺害理由は何か。彼は何を知っていたのか。探偵となった元警視庁の大杉、彼の娘で現役警官のめぐみ、公共安全局にいる倉木美希はそれぞれ独自に捜査を始める――。殺し屋百舌の正体は!? 捜査が進むにしたがって、次々に百舌の凶弾に倒れる関係者。大杉たちは真の黒幕に辿り着くことができるのか。三十年以上にわたり書き継がれてきた伝説の百舌シリーズ、堂々の完結。

【著者略歴】
逢坂剛(おうさか・ごう)
1943年東京生まれ。80年『暗殺者グラナダに死す』でオール讀物推理小説新人賞、86年〜87年『カディスの赤い星』で直木賞、日本冒険小説協会大賞、推理作家協会賞を受賞。2014年には日本ミステリー文学大賞、15年には『平蔵狩り』により吉川英治文学賞を受賞。著作に、イベリアシリーズ、禿鷹シリーズなど、多くのファンを持つシリーズもの多数。

感想・レビュー・書評

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  • 百舌シリーズ完結!
    元民政党の議員、茂田井滋が殺される。バードウォッチングが好きな茂田井は、死の直前に目を縫い合わされた百舌の写真を撮っており、茂田井の死体は同じように目を縫い合わされていた。探偵となった元警視庁の大杉、公安の倉木、警官であり大杉の娘であるめぐみはそれぞれの捜査を進めながらも百舌の正体を突き止め捕らえようとする。
    今までのあらすじを確認していた方がいいかも。読み始めて、思い出すのに苦労した。スタートから33年というのも長いし(賞味期限切れのような気がする)、本書も同じような説明で重複するしで長い。ドロドロ感なしでさらりと読み終わり、最後がどうなるかを見届け…ひとつの物語が終了。33年は長いよの一言に尽きる、終わって肩の荷が下りる。

  • 百舌シリーズ完結。
    前作から、どれくらい経ったのか…最初から話についていけない。
    コアなファンが多いから、きっと説明がなくても、繋がるだろうと言う認識なのかもしれないが、これまでの経緯にほとんど触れないまま、記者の残間が何故か百舌に狙われ、拉致された後、瞼を縫い合わせた状態で解放される。
    前作で美希と対決し、命を落とした「ノスリ」こと洲走かりほの妹が、姉の無念を引き継いで、百舌の殺しを続けるが、その動機も何だかとても微妙。
    「百舌」=犯人ではなく、殺しの手口のことを指していることも、これだけシリーズを読み続けていても、違和感があるし、33年は長いし、何だか無理やり続けて、あまり納得いかない形で完結して、とっても消化不良。
    これで完結なのであれば、倉木が死んだ「砕かれた鍵」で終わりで良かったかも。
    完結なのに、とっても勿体ない印象が否めない。

  • 完結編にしては、展開が今一だった気がします。設定も以前のような切れ味が、感じられませんでした。でも、作家さんには、お疲れ様でしたと言いたいです。長い間、楽しませていただきました。主人公が、シリーズの比較的早い時期に死んだけど、その後も楽しませていただきました。

  • ドラマを観て原作読みたくなり「百舌の叫ぶ夜」を読み始めました。
    百舌シリーズ最後の作品です。
    どうしてもドラマの配役の顔が浮かんできます。
    逢坂剛作品を初めて読んだのが百舌シリーズでした。
    長く楽しませてもらいました。

  • はっきり言って最初の主人公の倉木が死んでからはつまらない。倉木の妻はあっさり男を乗り換えてるし。
    特に作中に同じことを説明したり聞いたりするところが多くてうんざりする。スピード感が足りない。
    登場人物も、犯人サイドも前作からあまり変わらないのも意外性がなかった。
    これで完結らしい、ズルズル続けず、終わり時期を逃さなかっただけましか。

  • 「百舌落とし」
    遂に。


    スタートから33年と言う途方も無い歳月の末、遂に完結である。キャラクター達の周りでも色々な事件が起こり、色々な変化があった。主役と思われた倉木が早々に卒業し、悪主役の百舌一代目も居なくなり、悪玉菌達も目星しいものが脱落。あとは、美希と大杉の関係性が変わったのには、驚いたものだ。


    そんなメンバーももはや美希と大杉と残間くらいしか残っていない。しかし、百舌だけは何度も蘇る。これ見よがしに復活の予感を漂わせる。そもそも百舌は通称だから、百舌模倣犯が出てくるのはあり得るから、まあ死なないのも分かるんだが、やはり初代百舌が強すぎて、匂わし感だけが漂ってきてしまうと思ってしまう。


    百舌以外の面でメインを張るものがあれば良いのだが、結局は百舌が一番な訳で、百舌の謎がどう解けるか?が関心事になってしまう。となると、個人的には今回のクローズは消化不良というか、やはりこうなるかと言う感じだった。


    百舌はまだまだ蘇りたがりみたいだから、新シリーズが始まってもおかしくないが、百舌シリーズは第3作あたりまでがピークだったなと改めて感じた。とは言え、私も百舌シリーズを卒業するタイミングである。後は美希に託して。

  • 元議員が殺され、元警察官の大杉と公安の倉木美希は調査を開始する。謎と伝説に包まれた“殺し屋百舌"とは? 真の黒幕が姿を現したとき、驚愕の真実が……。MOZUシリーズ完結。『小説すばる』掲載を加筆修正し単行本化。
    (2019年)

  • 前作でうまく逃げ切った感のある元政治家が殺された事件をきっかけに今度は残間が攫われ、無理やり記事を書かされたり、かつての事件のための復讐なのか、裏に隠れていた武器輸出の件に関してのごたごたなのかがよくわからないまま話は進んでいきます。
    それぞれが役割をこなすうちにどんどん百舌模倣犯との対決も過酷なものに。

    シリーズ最終巻とあって、今まで生き延びてきた面々がおまえもか!といった感じでやられていきます。
    ただ、模倣犯だけあって最初の百舌とは比べ物にならないくらいお粗末な感じで終了。
    最後の感想は、えー、死んじゃったよ!でした。

  • 百舌シリ−ズ
    完結

  • ★3.5
    シリーズ楽しく読んだけど、後半失速したなぁ。

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著者プロフィール

逢坂剛
一九四三年、東京生まれ。八〇年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。八六年に刊行した『カディスの赤い星』で直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞。二〇一三年に日本ミステリー文学大賞、一五年には『平蔵狩り』で吉川英治文学賞を受賞。「百舌」シリーズや「長谷川平蔵」シリーズなど著作多数。

「2022年 『最果ての決闘者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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