本当の戦争 すべての人が戦争について知っておくべき437の事柄

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087734102

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  • 一般人の戦争に対する疑問点に対して、淡々と(アメリカ軍の視点より)答えている。

    軍隊内の階級が同じ男女同士では合意に基づくセックスが認められている、拷問で得た情報は当てにならないなどのマニアックな情報から、戦闘における人間の心理状況、性行為に対する意識の変化など多彩な描写がある。

    読んでいて、知らなかったことばかりで面白い。

  • 戦争に対する、数値的な現実を知るのにとても役立った。
    アメリカ人が書いているので、アメリカ軍を参考にしたデータが多い。

  • 「戦争を知ることは、われわれの暴力性、残虐性と向き合うことである。私たちは戦争にまつわるロマンティックなイメージを信じ込むのではなく、そこで起きていることの真実を知る必要がある。それは自分たちが戦場に送り込む者たちに強いている犠牲を、はっきりと意識することでもある。民主主義の世界では、有権者は戦争の正確な代価を把握していなければならない。」
    (本書前書きより)

    結局上の文章に尽きる一冊である。事実を淡々と述べていく文体は冷徹ですらある。昨今、9条を中心とする憲法改正の気運が高まる中で、「世界平和」とか「国際貢献」などの美辞麗句に覆い隠された戦争の実態を改憲以前に国民は認識しなければならないだろう。「戦争」を「有事」などという言葉で誤魔化しているこの国にあって、過去の戦争体験を無視して「世界の一流国になる」あるいは「世界から尊敬される国になる」というだけの理由で改憲を議論するのは危険な兆候である。

    以下、気になった「事柄」をいくつか挙げる。

    17.2003年度のアメリカの労働人口に軍及び国防産業従事者が占める割合は3.5パーセント。

    35.軍隊に入る理由として多いものは「教育費を得るため(三割)」や「職業訓練を受けるため(三割)」。

    73.多くの黒人は軍隊を専門職を身につけるところだと考えている。黒人が管理支援業務につく割合は白人の2.5倍。

    75.WW?中、アメリカには「愛国的義務」として軍人とセックスをする「ヴィクトリーガールズ」がいた。

    119.アメリカ軍兵士が売春の斡旋をしていることが多くの国で事実として認められている。

    140.大規模な戦争で歩兵として戦う場合、負傷または死ぬ可能性は25パーセント。

    174.負傷の大部分(65パーセント@WW?)は砲撃による。

    305。ヴェトナム戦争では600人以上の士官が部下によって殺され、さらに1400人の士官が不可解な死を遂げた。二つを足すとヴェトナムで死んだ士官の25パーセントが部下によって殺されたことになる。

    306.誤射の犠牲者は20世紀のアメリカ軍死傷者の15パーセントに上るとも言われている。

    318.湾岸戦争中、空軍パイロットの57パーセントが一度は興奮剤を使用した。

    414.01年の調査によれば、59歳〜89歳のWW?及び朝鮮戦争の復員軍人の19パーセントが戦争経験と関係のある顕著な精神的苦痛を抱えている。

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