ベルサイユのばら 14 (マーガレットコミックス)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088440026

感想・レビュー・書評

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  • 池田さんがあとがきで「ようやく自分の納得のいく着地点を見つけることが出来ました」と仰っていた通り、この「ベルばら」エピソード編で一番読みごたえのあるものだった、感無量です。
    本編でも節目節目の重要な場面に登場してきたロザリーの、決死の逃避行。夫・ベルナールとの息子・フランソワが、時々弱気になる母を支える賢く優しい青年に育ってくれて、胸熱だ。裏切りの連続の中の逃避行はハラハラドキドキで、フランス革命後も政情は安定していないのだということを思い知らされる。
    そして、久々に再会する老いたフェルゼン。本編ではさらりとしか触れられていなかった彼の最期がしっかり描かれ、辛い場面ではあったけれど今回読めてよかったと思う。様々な伏線が回収され、お見事だった。
    不意打ちで驚いたのは…ジェローデルが、まさか、あのキャラクターと絡んでいたとは!!度肝抜かれました。色々な意見があるでしょうけど、個人的にはツボだった。(ある意味同志ですからね。)
    ロザリーやベルナールが登場している「栄光のナポレオン-エロイカ」も、機会があれば是非読んでみたい。

  • エピソード編4冊目は、とうとうクライマックスのロザリー編。「エロイカ」で、ベルナールとアランのナポレオン暗殺失敗の後、スウェーデンへ逃れた二人が出ていましたが、飛行機などない当時、どうやって辿り着いたのか、これでよく分かりました。なんとここにもジェローデルが! しかも、○ーの一族になって! 変わらぬ麗しさに喜びつつも、イケオジになったところも見たかったかも。
    フェルゼンの最期まで語り切って、「ベルばら」の本当の最終回、感無量です。池田理代子先生、ありがとうございます。

  • ロザリー・・・泣けてくる・・・!
    次々と親しい人を喪って、明日のことより過去のことばかりに想いがゆくロザリーと、まだ過去が少なく未来が大きい息子のフランソワ。闇と希望を行ったり来たりするような物語の軌跡が、対照的な2人の様子とシンクロする。
    そしてフェルゼンの最期。なぜあの日に死んでしまわなかったのかと生涯悔やみ、嘆き続けた彼の愛の在り方。誰にも分かってもらえないと思ったから、口を閉ざしたのかな・・・と考えるともうそれだけで悲しくなってくる。
    一人ひとりの選択が、少しずつ国を作っていった激動の時代の物語。愛し方、死に方さえも歴史を作る、そんなふうに感じたエピソードの数々だった。

  • 14巻の主役はロザリーとその息子フランソワ。
    フランス革命で華々しく散っていった主人公たち、そして生き残った脇役のロザリー。
    しかし今となっては語り部となるロザリーこそが真の主人公なのかもしれません。
    そしてそれは青春事態を過ごして大人になった読者達でもあるのでしょう。生き残って過ごしてきた人生は、それは漫画とは違う自分だけではどうすることもできない辛く苦しいこともある。
    そういったものを池田理代子先生は描きたかったように思います。

    池田先生はこの作品以外にもヨーロッパ史に関わる作品をいくつも残しておられますが、お陰様で学生時代の私は世界史の成績は良かったです。自分が勉強したからということは全くなく一重に池田理代子先生のお陰です。

    池田先生のヨーロッパ史についての研究はかなりのことと思われます。
    ジェローデムの話については、そんな池田先生が息抜きに入れたエピソードと思っております。

  • これでベルばら補遺エピソード集は一旦完結になるのでしょうか。ベルナール死後のロザリーと息子とフェルゼンの物語です。
    ベルナールとアランの最期については同じ作者の別の作品に詳述されているらしいですがそちらは未読。
    晩年のフェルゼンの誇りに老いさらばえた姿。ベルナールとロザリーの息子フランソワ(オスカル・フランソワが名の由来)の亡命後の人生。本当は最初から本編でここまで描きたかったに違いないと作者の心情をあとがきから察しています。
    ……なお最終10ページでジェローデルに関する仰天エピソードが披露されて椅子ごとずっこけそうになりましたが、まあ、これも作者の愛の1つなのでしょうね。

  • ロザリーとフェルゼンのその後。フェルゼンがスウェーデンに帰国後民衆に虐殺されるまでが描かれます。
    エピソード編の中で一番面白かった。

    ジェローデルがまさかあの一族に加わっているとはなあ。ジェローデルは、あの一族に容姿や雰囲気がピッタリだから、突拍子もない展開とはいえ、良きです。

  • 本日「エピソード編」があるのを知り、某所の45%還元キャンペーン中であったこともあり、一気読み。

    ええっ、ジェローデルがポーの一族に?(笑)
    ちょっと唐突過ぎて半笑いだけど、まあ、コラボってことでいいんじゃないかな…。
    ベルばらファンの人は楽しめていいんじゃないでしょうかね。私も昔大好きだったので、楽しめました。

    ベルばらの書かれた時代は左翼、共産主義がかっこいいと言われていた時代で、今となっては、共和主義、共産主義が善の側なんて、ベルばらに騙されてたなぁなんて思ってたけど、
    エピソード編で、その共産主義っぽいところが薄まって、個人的にはまたベルばらを受け入れられる感じがしてきて良かったです。

  • 革命後の帝政化を生きるロザリーとその息子フランソワ。
    まさか、アランとベルナールがナポレオン暗殺を企てるとは……。
    『栄光のナポレオン』2巻までしか読んでないけど、続きを読まないと。
    ラスト、オスカルのミドル・ネームをもらったフランソワがスウェーデン王室の家庭教師として迎えられ、教えたのが皇太子(後の王)の"オスカル”というのが(オスカルの名は彼からもらったらしい)、「運命の輪が閉じた」という感じでラストに相応しい。

  • ロザリーとフェルゼンの最期。きっちり描かれていてスッキリした〜。ジェローデルさまにはちょっと笑ってしまった。ポーの一族読んでみたくなった。

  •  何といっても、エドガーとメリーベル。ポーの一族とリンクするとは。

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著者プロフィール

1947年12月18日大阪市生まれ。
東京教育大学(現・筑波大学)文学部哲学科在学中より漫画を描き始め、1972年から連載を始めた代表作『ベルサイユのばら』は空前のヒットを記録し、宝塚歌劇団の舞台でも上演されるなど、漫画の枠を超え幅広い層に永く愛される。
現在は活動の幅を広げ、劇画家、声楽家としても活躍の幅を広げている。

主な作品
『ベルサイユのばら』
『オルフェイスの窓』
『女帝エカテリーナ』
『天の涯まで-ポーランド秘話-』
『栄光のナポレオン-エロイカ-』
『おにいさまへ…』

「2013年 『聖徳太子(7) <完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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