MONSTER 完全版 (3) (ビッグコミックススペシャル)

著者 :
  • 小学館
3.96
  • (17)
  • (19)
  • (19)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 185
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091818034

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ーーヨハンという「怪物」は本当に存在するのか?それともテンマの操作撹乱のための捏造か?それとも多重人格者としてのもうひとりのテンマか?

    3つ目の仮説は、クリストファー・ノーラン監督(脚本は弟ジョナサン)の「メメント」に重なる(この作品が後に公開)が、サスペンスにお決まりの視点である刑事側からの目線、つまりルンゲ警部はこの見立てででテンマを追いかけている。

    しかしテンマを大学時代から知る犯罪心理学の権威、ルーディは「怪物は実在し、テンマは無実」との確信に至る。テンマが道中に会った老夫婦の旦那は元刑事。その彼も「彼(テンマ)は無実。少なくとも悪人ではない」と断言するシーンが盛り込まれている。

    3つ目の仮説の可能性も状況証拠として残しつつ、繰り返し登場人物たちに「テンマの無実」の証言を積み上げていく。さて、この伏線がどう回収されるのか。

    にしても、浦沢さんはポイントとなるシーンで人物の目の表情のアップのみで語らせるのがうまい。

  • 読了

  • アートディレクション/海野一雄
    デザイン/小林美樹代+ベイブリッジ・スタジオ

  • ネオナチの流布や移民の増加という社会情勢が描かれる。ネオナチの構成員はチンピラ、ヤンキー的である。日本でも暴走族がハーケンクロイツを掲げるなどヤンキーとナチスは親和性がある。本物のナチスはヤンキーとは対極の存在に思われる。本物のナチスならばヤンキーを軽蔑し、排除しようとするのではないかと思われるが、どうだろうか。本作品のMonsterにとってはネオナチは紛い物に過ぎないようである。ネオナチの期待に応えないことは納得の展開である。

  • テンマを追うエヴァはまだ愛と憎しみの狭間の愛憎劇として読めるけどルンゲ警部の執着心のおぞましい凄味はもう逆にいっそ気持ち悪い。清々しいほど手段を選ばず、捨てているから本当にテンマしか残っていないんだな。この人の人生は。
    そして、それ以上に気味の悪い動きが見え隠れしていたヨハンのお姿が表舞台にとうとう現れ、これから何が起こるのか始まろうとするかの緊張感がより上がってきた。

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。1982年、小学館新人コミック大賞入選。1983年、デビュー。代表作は、『パイナップルARMY』(原作・工藤かずや)『YAWARA!』『Happy!』『MONSTER』『20世紀少年』『PLUTO』。

「2012年 『BILLY BAT(8)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

浦沢直樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×