夢の碑: 夢の碑☆(いしぶみ)☆ 1 (1) (小学館文庫 きA 11 夢の碑 1)
- 小学館 (1998年2月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091912213
感想・レビュー・書評
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時代は元々の平安から少し下って近世(?)に。「異聞」とあるようにストーリーも変わっていてまた別の世界になっている。
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男とも女ともつかない美女・紫子と人外のびきんぐあの血を引き不思議な能力を持つ風吹は京の遊女屋で恋人となる。しかし姿を消してしまった紫子に仕官先として潜入した佐伯で再会。彼女は体の弱い国主・緑生の入れ替わりを勤めていた。なんとか生き延びてきた小国は今、内部からも外部の織田や毛利からも狙われていた。毛利の舞鶴姫輿入れを目前に緑生が身罷ってしまったことから紫子は風吹と共に戦いに巻き込まれていく。
平安のとりかえばや物語が戦国を舞台にし、変わった女・紫子と鬼という不思議な存在の風吹によって全く違った物語になり、そこに生きる人々が生き生きと描かれとても面白かった。
桜を食う鬼と鎌倉時代に生きた盗賊のお話も妖しく、白衣の狂気が際立ちなんとも形容しがたい印象的なお話だった。
大正時代の周子と深草の百夜通いを下敷きにした話はコミカルで楽しかった。
この作家さん、ちゃんと読んだことなかったけど他の話も読んでみたいな。 -
久しぶりの再読。戦国時代の身代わり劇に人外異形が絡むラブロマンファンタジー。時を超えて、わたしが「乙女」に戻れる一冊。
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自分内で木原ブーム。とりかえばや異聞はともかく女が!!オスカル!!(笑)ラストは壮絶かつ、木原先生らしいコミカルな顛末(どんなや)。夢の碑シリーズは残酷な結末が多いのだけど、この作品だけは読後が爽やか〜。