不思議カフェ NEKOMIMI

著者 :
  • 小学館
3.38
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本棚登録 : 1268
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093866682

感想・レビュー・書評

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  • 少し不思議な物語。

    限りある命と引き換えに愛猫と永遠に生きることを選んだ女性。
    そして大切な者たちを連れて旅に出ることに。

    主人公の女性の生き方が、日々のささやかなことや時間に幸せを感じながら、大切に生きている姿がとても印象的で、限りある命=時間だからこそ、こんな世の中だからこそ、些細なことがとても大切に感じました。

    追記
    ファンタジー色が強い印象が残り★3に。

  • 著者の本を涙無しで読んだことはないのだが・・・
    本作も涙、涙・・・

    タイトルから想像する「ちまたに良くある不思議なお店の物語」
    著者で言えば「コンビニたそがれ堂」シリーズみたいだけれど、
    ちょっと違う。
    ネタバレ気味だけれど、不思議を起こすのは、主人公自身なのだ。
    人間だった彼女は、今、善い魔法使いとなって、他人にささやかな幸せを運ぶ。

    あとがきによると、病が流行、異国では戦火が絶えず、
    人の命が軽い・・・
    「『こんなときだから、あなたの、わたしの、時としてささやかに思える生には
    意味があるのだ』と、綴りたかったのかもしれません」

    ましてや、著者も私も、人生半世紀を超え、
    自分の人生を振り返った時、ため息をつくこともしばしばあるはず。
    (誰でもそうだよね、きっと)

    この人の小説を読むと、ああ、同じ空気を生きてきたんだなぁと
    感じさせられる同世代。親近感は自ずと高まる。

    だから、なおさら、共感の嵐だったのかも。

  • 良い感じを演出しようとしている子供向けファンタジー。
    苦手なタイプの話だからか全然ワクワクしないどころか、読み終えてもポジティブな感想が湧いてこなかった。

  • つらいこともある現実を生き抜いて、「善い魔法使い」になる話。
    村山さんだなあ、という、感想です。
    ほっとする。
    STORY BOXで数回読んでいたのだけれど、途中から読んでいなかったもの。
    だいぶ修正がありそうなので、全部読み比べたかったなあと言う気持ちがあります。

  • とても都合の良い設定ばかりなので夢を見たい人にはオススメだけれど素面で読むには少しキツい部分もあった。
    大人のおとぎ話であるということを理解した上で読んだ方が良いかもしれない。


  • 亡くなった女性が魔法使いとなるファンタジー。心に余裕がないとこの手の本は読めないけれど、春のこの季節にぴったりな内容でした。

  • ささやかな日々の幸いを味わう。平和な世界を願う。

  • 憧れる魔法のお話。猫と魔法が好きな私に撮って、良いなーと思うお話ばかりだった。あとがきにもあったように、静かなゆったりとしたテンポで読むことができた。魔法を使って人や自分を幸せにするお話。是非、続編を書いてほしい!

  • ふとしたきっかけで、新しい道が開ける。
    そのきっかけは、いつも自分の身近にあるのかもしれない、と、そんな風に感じました。

    決断を迫られたとき、いつだって選ぶのは自分。
    自分で決める自由があるのだ、と再確認。
    ときめく方を選ぶ方が、心の声に従う方が、なんだか面白いし、今までの経験から乗り越えてきたんだから、何があっても楽しくやっていけるって、そう自分を信じられる強さ、ふと勇気がわいてくるような、そんな優しくあたたかい魔法の世界。

    この本に出会ったきっかけは、かねてより読んでみたかった方の本で、何を初めに読もうかと検討していた頃に出会ったもの。いわゆるジャケ買い、まさしく、直感でピン!ときた。

    予約注文だったので、予約。
    届いたら一刻も早く読みたくて読みたくて。
    冒頭でミルクティーの描写があって、せっかくわたしもお茶を淹れよう!と…と急いでポットでお湯を沸かして…牛乳ないから、薬膳茶をお供に読み進めました。(事前に準備するタイプではないのよw)

    読み進めるうちに、主人公の律子さんがとても魅力的で、彼女からみた世界はどんなふうに見えるのだろう?と、とてもワクワクして。まるで魔神の猫さんと同じ気分のよう。
     
    彼女のまわりの空気はとても優しく、ろうそくの灯りのようなあたたかさに心がほぐされ、癒されました。不確かな時代の中で、真面目にこつこつ生きること、本当はとても難しくて。
    争いたくなくても争う時もある。そういうことがしたいのでは、言いたいのではないのに、と葛藤することって、ありますよね。

    心がささくれだつような時があっても、それを持ち込まず、安らぐ場所を意識的につくれたり、自分以外の事柄に優しくできるのは人として上等だと思う。自分も出来る限りそうありたい、と思う。

    自分の機嫌は自分でとる、優しくできて、日々の暮らしを丁寧にできるのは、とてもとても大切な素敵なこと。

    そういう人柄だからこそ、魔法のランプを譲り受けたり、かつての愛猫が旅の末に自分のもとへ帰ってきたり、そんなご縁が繋がるのかもしれないなあ、なんて思ったりしました。

  • このお話には魔法使いが出てくるけれど、大冒険が始まったり、悪者をやっつけたりする話ではない。縁のあった人の前に現れて、美味しい料理を作ってもてなしてくれる魔法。
    特別に派手な魔法ではないけれど、ホッと一息つく時間をプレゼントしてくれるのは、何より素敵な魔法だと思う。そして、それは魔法使いでなくてもできること。
    律子さんの優しい人柄が、人や人ならざるものたちの心を癒していく。そんな人に、私もなりたいと強く願う。

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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