もうおうちへかえりましょう

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 736
感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093875080

感想・レビュー・書評

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  • 記憶に残っている話もあったので恐らく再読。初期作らしい後ろ向きな勢い(?)がありますね。

    ―出来たての書庫に誰かが忍び込んでくる。月明かりに照らされたその横顔は、峰不二子だ。自分を取り巻いた本の背表紙をみて、不二子は凍りつく。
    なんてことなの。なんて突き抜けたセンス。それでいて、たった一冊でも動かしたらばらばらに壊れてしまう完璧な調和。信じられない。この世界をこのまま持って帰りたい。でも、いくらあたしでもセンスは盗んでいけないわ。残念。いいわ、せめて「センス」の寝顔をみていきましょう。
    そして、寝室のドアが静かに開く。私はすやすやと寝息をたてている。だが、本当は起きているのだ。(183-184P)

  • 相変わらずの緩い内容のなかに、戦後社会の自意識や言語感覚など、真面目に論じていたりして、意外というか、さすが作家というか。
    「わかりあえるか」、「八十年代最大の衝撃」、「言葉の金利」などが印象的。

  • 単発エッセイが多く収められているので、ややちぐはぐ。

  • 歌人・穂村弘のエッセイ第二弾。

    「曇天の午後四時が怖ろしい」という感覚は、なんとなくわかる気がする。
    ほかにも、日々の生活のなかでなんとなく感じている(けれどそこまで明確なわけでもない)感覚を、筆者はことごとく拾い上げて言葉にしてしまう。
    ときどき「そんなこと考えてるんだ!?」と驚くようなこともあるけれど、おおむね共感できてしまうところが著者のエッセイの魅力。

  • 歌人のちょっとナナメな日常。

    著者の世代感をひしひしと感じたり、やはりことばの使い方ですごくしっくりくるのを見つけたり。2004年出版ですから、少し前の時代というのを感じました。あの頃の未来は、今とは少し違っている気がして。

    「人生」より「文学」に興味がある子どもの話とか、アシホとかかっこいいタイトルとか、わかるなぁと思う話がたくさん。その中でも「『未来』の奴隷」は、刺さった。私も「悲しくなるポイント」が日曜の朝早々にある気がする。

  • 村上春樹的「素敵さ」の呪縛を打ち破るブルーハーツ。
    村上春樹って、思っていた以上にすごい人なんだな。

  • 2004年のエッセイ。
    フッフッフッと笑ってしまう感じで面白かった。

    よく知らない穂村さんのこと、
    「小太り」と思ってました。すいません。
    読んで「え、違うんだ」という感じ。
    もっと知らなくちゃ。

    「わかりあえるか」は興味深く読んだ。
    10年以上たって、結婚もされて、
    最近の穂村さんの
    言葉では
    「男と女はわかりあえるのか」は
    どんな感じなんだろうと思った。

    男は女にもてたいと思っているけれど、
    分かり合いたいとは思っていない、ということ。
    へー、と思ったけれど
    女性は、多分、私の認識としては
    「女は自分のことだけを分かってほしいと思っている」という感じかなぁ
    自分のことだけわかって、自分にだけ優しくして、というか。

    難しいね、特に苦手分野なんで。。

    ここに来てわかったのは
    「わかりあえることはないってこと」
    それは明白。

    あ、夢壊しちゃったかしら。

  • 穂村節、未洗練か…?

  •  穂村さん、身長173センチもあるんだ!(勝手に文章の感じから)167センチくらいかと思ってた!…というのが本作一番の驚き。意外と(?)背高い。
     相変わらず小さなことを気にしすぎていて空想的で、だけど言葉の意味やニュアンスにとっても敏感。今までに自分が考えたことのないようなことを飄々と書く穂村さんにドキリとさせられる。

  • 一番最初に読んだ穂村さんが「蚊がいる」だったので、そのあとで読むとこんなに不安定な時期があったのだな、フムフムという感じ。ただただ繊細。まだあまり『ほむほむ』感がない。それはそれでまたよい。表紙で着ているジャージが欲しい。

著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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