逝ってしまった君へ

  • 小学館
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本棚登録 : 299
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093888172

感想・レビュー・書評

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  • 【配架場所】 図・3F開架 
    【請求記号】 914.6||AS
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/456067

  • 手紙の形を借りて
    私小説の形を借りて
    言葉をつむぎ
    思い出を振り返りながら
    一冊の本を書いていく
    君のために
    私自身のために
    言葉にして書き出さなければ
    頭の中を心の中をぐるぐると回っていくものに
    一生懸命に
    言葉という形を与えてあげる
    言葉という形があるおかげで
    私自身も私の言葉に、私が本当に考えたことに
    改めて気付ける
    そんな時代があった
    どれだけ記憶が薄れたとしまっても
    思い出は絶対に忘れない
    思い出を思い出すことは少なくなってきている中で
    一気に思い出に引き摺り込まれそうになる
    逝ってしまうと言うことは
    その思い出に
    今の私が囚われて離されなくなるから
    言葉として書き出すことで
    少しだけ
    今の世界を見ることができるようになる
    言葉の力を信じてくれた人に
    言葉の力を形に
    生きている
    逝ってしまった君は
    今生きてはいないけど
    確かにここに
    生きていた
    今はいない
    君はそちらにいる
    誰もがいつかはいく
    そちらにいる
    何も変わらない
    全ては変わっていく
    昔を知っている人
    今を生きている人
    先を見ている人
    全て同じで
    みんな違う
    事実と表現の力

  • 大切な人をなくして、自分の過去、現在、未来に向き合って想いを綴った本でした。一人一人が人生に向き合って過ごしているのを感じました。

  • 本で読んで、自分はよかったと思う。
    鬱で心療内科に10年以上かかっていたから、読んでどうにかなることもない。

    著者のしたスマホのメモを全て転送したことは、彼との関係性によるものではないのかな、とても感じた。
    身内をあっという間に失った自分は、交友関係も含め、全くわからなかった。
    だから読んでごめんね、と思いながら読んだ。兄弟は内容を転送した。
    それは身内だから許されるのかもしれないが。
    そしてやっぱり、自分宛の遺書のようなものがメモに残っていた。
    苦しみも悲しみも。

    読んでいて、辛くなったが、読んでよかった。
    同じ感情ではないけど、わかる部分もあって。

    私も文章にすると、この気持ちが落ち着くところに落ち着くのかな、とも思った。
    ちなみに心療内科に通っていた時、カウンセラーには、文章にすること、亡くなった相手に対して返ってこないけど手紙を書くことは、とてもいいから、と何度も勧められた。

  • 書籍で読みたい本ではないです。
    読んだあと鬱になるので感受性の不安のある方は読まないほうがいいかと

  • 自殺で亡くなってしまった友人への手紙の形式を取った随筆。友人の突然の死に直面した著者の心の葛藤は、読んでいて非常に辛くなってしまった。時間は巻き戻らない、という当たり前のことを改めて認識。

  • 大切な友人の自死、私は身内の自死を体験してるけど友人としての自死はこんな風に感じるのかと思った。
    鬱からの発作的な死のようであったけど、他の理由の自死であっても感じ方は違うのかな?そんなことを思いました。

  • 「大切な人の自死」という重いテーマでありながら、その人自身へ語りかけるような文体であることで、“君”への想いが心の中にスーッと染みわたっていくような感じで読みました。誰もが日常を過ごす中で意識し続けてはいない、けれど誰もが必ず経験する大切な人との別れ。そこに「残される」ということはどういうことかを教えられた気がしました。

    このような形で大切な人を失うことがないように願うばかりですが、大切な人に残されてしまった後、もしも再会するようなことがあれば「あの後、私はこんな風に生きたんだよ」と胸を張って語れる、そんな人生を送りたいと思いました。

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著者プロフィール

秋田県生まれ。『ちいさなボタン、プッチ』で、第13回おひさま大賞童話部門最優秀賞、『まめざらちゃん』で、第7回MOE創作絵本グランプリを受賞。絵本に「アニマルバス」シリーズ、『トイレこちゃん』(ポプラ社)、『はるってどんなもの?』(小学館)などがある。また、浅野真澄名義で声優としても活躍、多数の出演作を持つ。

「2022年 『おおきなおさら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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