逆説の日本史8 中世混沌編(小学館文庫): 室町文化と一揆の謎 (小学館文庫 い 1-8)

著者 :
  • 小学館
3.57
  • (24)
  • (45)
  • (78)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 527
感想 : 29
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094020083

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 今回の出張でも、例に漏れず出張のお供「逆説の日本史」を読んだ。
    あまり人気のない時代の室町時代、さらにマイナーな足利義政が中心の巻だったが、目に鱗の話が目白押しだった。
    懶惰の帝王義政と妻日野富子の関係性の面白さ。
    将棋、折り紙、風呂敷、花道、茶道など室町時代を起源とする驚き。
    勉強になりました。

  • ①③足利尊氏と後醍醐天皇との争い、南北朝に日本が分かれていく過程を書いていたような・・・
    ②太平記から①③の内容+筆者の主張の補完のイメージ
    ④足利義満について、天皇になろうとした将軍という視点で書かれていて、面白かった
    ⑤足利義教=魔王として君臨した独裁政権のパイオニア、織田信長の先輩としての視点でこれも興味深かった

  • 本巻では、応仁の乱から山城の国一揆および加賀の一向一揆までの歴史と、能を中心とする室町文化について説明がなされています。

    本書のような読みやすい日本史の解説本のばあい、無責任極まる室町幕府八代将軍の足利義政と、恐妻の日野富子というキャラクターに焦点があたってしまいますが、本書では政治的混乱を生み出した背景についてもかなり立ち入ってていねいに説明がなされており、興味深く読みました。

    将棋をモノポリーにたとえるなど、著者の連想が大きく飛躍しているように感じられるところもありますが、それも含めてこのシリーズのおもしろさなのではないかと思います。

  • 第8巻は、室町時代、第8代足利義政から第9代義稙の追放まで。一向一揆と室町文化に紙面が割かれている。
    著者いわく、能(猿楽)の多くが「怨霊が主人公の劇」であり、怨霊鎮魂の儀式。仮面を付けて演じるのは、上演の間だけは怨霊が憑依し、終わったら憑依から脱する事ができるようにするため、とのこと。また、将棋における「駒の再使用」は日本人の大発明であり、死穢を嫌う日本人が戦争ゲームからマネーゲームへと変質させた結果。だから将棋は日本文化の象徴なのだとか。

  • 流し読みのため第4章のみ通読。能が怨霊との絶縁体として面を用いている、将棋は死穢の思想を反映した戦争ゲームではなく経済ゲームになっている、などなど。鋭い洞察が随所にみられる。筆者と読者の温度差を多少感じつつも歴史を振り返ることができる良書。

    第1章 「懶惰の帝王」足利義政編
    第2章 日野富子と傀儡政権編
    第3章 国一揆と一向一揆編
    第4章 室町文化の光と影編

  • 実は、このレビュー、読後ずいぶん立ってから書いてるのですが、この巻は印象が薄い。

    この時代に始まった文化への興味がないせいかもしれない。

  • この巻は今までの中で一番読みやすかったかもしれません。  井沢節も未だ健在・・・・ではあるものの顕在というほどではないうえに、KiKi 自身があんまりよく理解できていない時代の話であるために「うっそぉ!!」と思うことがほとんどなかった・・・・・というのがその大きな理由なのかもしれません。

    正直なところ、KiKi は「応仁の乱」っていうヤツのことがよくわかっていなかった(名前だけは知っていたし、嫌になるほど長い争いだったことや都を疲弊させたことは知っていたけれど、根本的に誰と誰が何のために争っていたのかを理解していなかった)から、その輪郭がうすぼんやりと・・・・ではあるものの、ようやく理解できてきたような気がするし、同時に「惣国」というもののことを全くと言っていいほど知らなかったので、「惣国一揆」と「一向一揆」のどこが根本的に異なるのか?を丹念に解説してくれていたのも有難かったです。  まあ、この著者の言うことですからどこまで信じていいのか?は甚だ疑問ではあるんですけどね・・・・・・(苦笑)



    又、「能」というヤツをこれまでの人生の中でただの一度も観たことがなく、同時にほとんど知らないという意味では同じように知らないと言っても過言ではない「歌舞伎」以上に有名どころのストーリーさえ知らなかった KiKi にとって「能」に関する解説も楽しく読むことができました。  さすがに信長さんのイメージ・ソングとでも言うべき「人生50年・・・・」というヤツが「敦盛」という演目の中の歌舞であったことは知っていたけれど、肝心要のストーリーは知らなかったし・・・・・(苦笑)  と、同時に「観阿弥・世阿弥」親子の名前に入っている「阿弥」の謂れに関してもなるほどと思わされるものがありました。

    室町文化に関して考察している最終章は KiKi にとってはさほど目新しいことがあるわけではなかった部分ですけど、1点だけ「なるほど!!」と思わされたのは華道に関する記述の中で「南京大虐殺」に関して井沢氏の反論が書かれている部分があったのですが、そこで書かれている視点は KiKi にとってはなかなか斬新なものに映りました。  

    曰く、華道の大元を辿ると「香華を手向ける」という仏教発祥の地インドの習慣があり、これは元はと言えば死臭を防ぐという目的があったということ。  その伝から考えれば世に言う「南京大虐殺(≒ 30万人に及ぶ大虐殺)」があったとしたら、仮に99%の遺体を何らかの方法で処理できていたとしても、残り1%(≒ 約3,000体の遺体)の腐敗臭に多くの人が苦しんだはずであるという説です。

    KiKi 自身、この時代の文献を実際に調べてみたことがあるわけではないので、そういう事件が全くなかったと断言できるわけではないのだけど(と同時にインドと南京ではどの程度の気候差があるのか知らないけれど)、これは心にとめておきたい視点だなぁと感じました。

  • え・・・面白いと思うんだけど。。
    将棋とか、、、

  • 日本人は悲劇好きなのか

著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社。報道局在職中の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後、執筆活動に専念。独自の歴史観からテーマに斬り込む作品で多くのファンをつかむ。著書は『逆説の日本史』シリーズ(小学館)、『英傑の日本史』『動乱の日本史』シリーズ、『天皇の日本史』、『お金の日本史 和同開珎から渋沢栄一まで』『お金の日本史 近現代編』(いずれもKADOKAWA)など多数。

「2023年 『絶対に民主化しない中国の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井沢元彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×