- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094061369
感想・レビュー・書評
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どれも暗く重たい人生を背負った話。
だからと言って悲壮感漂う感じはないけれど、明るく読み飛ばせる感じでもなく。
ただただ、人は誰も背負っているものがあるんだと、それは当たり前のことであるかのような。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どこにも帰ることができないのは、さみしい
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孤独な人生を過ごす人々の過去の清算と未来への光りを描く短編集。今秋、表題作の映画が公開される。
明るい物語ではない。北海道の各地が舞台ということもあるが、冷たい風や暗い曇り空に深い雪が情景として思い浮かぶ。しかし、何故だか悲観的な気持ちにはならない。登場人物たちが現実を直視して、自らを戒める姿が清々しさを感じるからだろう。ただ生きるのみ、生きていくことに価値がある。そして、必要最小限の縁だけ大切にする。なかなか真似できるものではない。 -
釧路で法律事務所を開いてから30年。鷲田完治は国選の弁護だけを引き受け続けてきた。
そんな彼が9月に入って最初に担当した事件は、覚醒剤の使用で立件されたある女性の弁護だった。ずっと無愛想にしていたその女性が「恋人を捜してほしい」と鷲田の事務所を訪ねてくるが......。(表題作「起終点駅」より)
北海道を舞台に、それぞれの登場人物の分岐点を描いた短編集。
2015年月18日電子書籍にて読了。
明るい装丁に惹かれて読み始めたのですが、予想に反して重たい物語ばかりでした。
予想と違ってはいたけれど、悪い意味ではありません。
タイトル通り、それぞれの起点であったり、分岐点であったり、終点であったり、と、様々な人生を描いていて、それぞれの味わいがありました。
読み終わってから知ったのですが、表題作は映画化が決まっているようですね。ちょっと......というか、かなり気になります。 -
短編6作。
突きつけられる孤独。
風の冷たさ、心の揺れ動きが感じられる描写は恐ろしいほどに研ぎ澄まされている。 -
やっぱりこの作者の作品は好きだ。これまで長編しか読んでこなかったが、短編でも作者らしいペーソスが根底にしっかりと土台となりまとめられている。
どれも佳作だったが、海鳥の行方と潮風の家を特に推したい。 -
桜木紫乃は、女版重松清だと思う。
重松清が父から息子へと続く哀切を描くなら、
桜木紫乃が描くのは、母から娘へと受け継がれる一筋の光。
毒親育ちのあたしにとって、
母恋しさと、寄る辺なさがあいまって、
どの話も泣けて泣けて仕方ない。 -
ちょっと物足りなかったかなあ…。
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6つの短編集。どれも孤独、 貧しさ、寂しさ、哀愁、覚悟といった言葉が根底にあるような作品。
桜木さんの作品はどれもこのようなテイストでせつない。起終点駅が一番良かったかな。 -
鷲田完治が道東の釧路で法律事務所を開いてから三十年が経った。国選の弁護だけを引き受ける鷲田にとって、釧路地方裁判所刑事法廷、椎名敦子三十歳の覚醒剤使用事件は、九月に入って最初の仕事だった(表題作「起終点駅」)。久保田千鶴子は札幌駅からバスで揺られ、故郷の天塩に辿り着いた。弟の正次はかつてこの町で強盗殺人を犯し、拘留二日目に自殺した。正次の死後、町を出ていくよう千鶴子を説得したのは、母の友人である星野たみ子だった(「潮風の家」)。北海道各地を舞台に、現代人の孤独とその先にある光を描いた短編集を、映画化と同時に文庫化!
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2015年 秋、映画化 公開予定。
佐藤浩市。本田翼。尾野真千子。 -
さまざまな事情で「無縁」な人々の生と葛藤が描かれています。
満足したわけじゃない、でも諦めたわけじゃない。
そんな地に足をつけた淡々とした人々の生きざまに静かな感動を覚えます。
「量刑ってのは人生の更生に与えられたチャンスなんだ」